先日、他のメディアでドールハウスなどのミニチュアを収集していたアーティストの記事について執筆していたMiyasaka Neonです。
昔流行ったシルバニアファミリーの家のより精巧に構成されたリアリティのある洋館を見た時、咄嗟に察したのが、私たちの見ている風景も「コピーペースト」ではという疑いでした。

あらゆるものに〇〇アートや〇〇デザインといった言葉が付帯された今日では、
意味合いと言葉に若干の認識の乖離があるようにも思います。

アートはギリシャ語においてテクニックを意味する「テクネ」でもあるようですが、
デザインには「リデザイン」という言語があるようです。
20世紀前半には高度に完成された「デザイン」が絶対的だったのに対し、さらにそれを最適化するに至るまでを「リデザイン」と呼んでいたようです。

果たして「リデザイン」なのか、どうかは分かりませんが、同じ家々が連続している新興住宅地などを見ると数学的な美しさと同時に「景観デザインのコピーペースト」のような、少し不気味な感じがします。

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©Miyasaka Neon

人間が作り出したものの違和感と心地よさが表裏一体であることを意味しているような気さえします。

[参考情報]
リ・デザイン
http://artscape.jp/artword/index.php/リ・デザイン

2018年8月3日 デザイン

amazon_logo

アマゾンの昨年の収益は56億ドルだそうです。スゴいです。
アマゾンのWebストアはシンプルでも美しくもありませんが、これが機能しているということを認めざるを得ないでしょう。

なぜ、AmazonのWebストアはあんなに機能しているのか?
そこにはショッピング体験のための4つの原則があるそうです。

1. 透明性(TRANSPARENT)
2. 具体性(TANGIBLE)
3. 信頼性(TRUSTWORTHY)
4. 有用性(HELPFUL)

なるほど、成功するわけだと思えます。

「成功したデザインは必ずしも美しくはない。」
「よく考えられたデザインだけど美しくない。」
そういうこともありますが、表層としてのビジュアルデザインよりもそのシステムとそこに至る判断基準に競争力があるということかもしれません。
Amazonのスゴさを理解するには、そういう掘り下げが必要なのかも。

何かをデザインをするまえに、いままでよりもさらに深く理解する必要があるのかも。

元記事はこちら
おもしろい記事でした。
The Design Theory Behind Amazon’s $5.6 Billion Success >>

2018年7月18日 デザイン

ドイツ老舗のBECK’Sの缶ビール。
フォーマルなイメージのシルエットにカジュアルなイメージのプルタブが不釣り合いでカッコイイです。

お酒のマーケティングでは、どこで誰と飲むお酒なのかを明確にすることが大切だtと聞いたことがあります。
お店で飲むのか、自宅で飲むのか、パーティで飲むのか、友人と飲むのか、一人で飲むのか、同僚と飲むのか・・・。

缶のデザインを変えてビールの立ち位置を変えようというのはいいアイデアかも。

元記事はこちら
革命的進化!?フルートグラス型のビール缶「LeBECK’S: the legendary beer-can from Beck’s」 >>

2018年6月17日 デザイン

assholedesign

笑えるものから、やや悪意のあるものまで、けっこうな数のダメデザインが投稿されてます。
いろいろ見てるとUXが大切だってことがわかります。

いろんな広告によくあるようなUXもだいぶ嫌われてるようです。
このサイトのデザインも良くないですが、そこはredditということで。

ASSHOLEDESIGN >>

元記事はこちら
‘When Assholes Design Things’ Is The Brilliant Subreddit You Need in Your Life >>

2018年1月16日 デザイン

ディーター・ラムスが提唱したグッド・デザインの10原則を2018年現在で見直したらこうなる・・・という記事のようです。ちょっと悲観的ですがおもしろいです。個人的にはもっとユートピア的であってほしい感じもします。

1. グッドデザインは透明である。
ブラックボックスにせず、ユーザーに権限を与えて充分な透明性を持たせること。

2. グッドデザインは幅広い。
短絡的な結果でなく、及ぼす影響範囲を広く考慮すること。

3. グッドデザインは時間がかかる。
目の前の課題の素早い解決策より長期的な課題の解決を優先すること。

4. グッドデザインは正直である。
UXデザインを駆使して製品を革新的で価値あるものに見せかけたり、ユーザーを操作しようとしないこと。これはディーター・ラムスと同じ。

5. グッドデザインは政治的である。
facebookやtwitterがアメリカ大統領選挙の結果に影響する時代。
優れたデザインは政治的局面をつくることもできることを希望的に捉えることが大切なようです。

6. グッドデザインは全体的なシステムを理解する。
細部の問題を次から次に解決するのではなく、全体を捉えてそのシステムをデザインすることのようです。

7. グッドデザインは良い文章である。
デザイナーの重要なスキルは文章を掛けることだそうです。
くわしくはこちら
これからのデザイナーにとって最も重要なスキルは、文章を書くスキルだそうです。 >>

8. グッドデザインは多面的である。
これからのブランディングは単一のアイデンティティでは成立しない。
ブランドは、ユーモア、有用性、美しさ、インスピレーション などの多面的な性格を備えてユーザーと感情的なつながりを持つべきだそうです。
(若者向けのブランディングを理解するヒントになりそう。)

9. グッドデザインはリスクをとる。
現状に挑戦することで革新性を得れば製品が失敗するリスクは減少する・・・という調査結果があるそうです。

10. グッドデザインは人とマシンのためになる。
人のためだけの設計ではなく、プログラム、アルゴリズム、AI などのマシンと人間との関係性を考慮する。それが人の役に立つ・・・ということのようです。

どれも現状を良くしていくためのプロセスとしてのデザインということのようです。

元記事はこちら
10 New Principles Of Good Design >>

ディーター・ラムスのグッドデザインの10の原則 >>

2018年1月10日 デザイン

流行のデザインに潜む問題点について興味深い洞察です。

1. 闇の中のアルゴリズム
ウェブサービス、SNS、アプリなどにおいて、どういうアルゴリズムで、そういう表示がされていて、そういうレコメンドがされて、そういうカテゴリーになってるのかをユーザーが認識できないという問題。

2. 目立つためのデザイン
「注目は金なり」ですが、デザインはユーザーのために機能すべき。

3. 多すぎるメッセージアプリ。
メッセージ機能が分離されたり、新たなメッセージアプリがリリースされたりすることで仲間との連絡が煩雑になったそうです。

4. いつまでも死なないミッドセンチュリーモダン。
家具のデザインはミッドセンチュリーの製造原則を繰り返すのではなく、現代の洗練された生産技術に相応しいデザイントレンドがあるべきだそうです。
個人的には・・・当時の家具デザインのコンセプトが素晴らしいのであって、現代の生産技術とは関係ないことのようにも思えます。

5. ミレニアルズ 向けのブランディング
20〜30代向けのブランディングは同じような手法でミニマルなデザインで、どれも似たようなルックスになってる。

6. 子供向けのIoT
セキュリティとプライバシーのリスクがあるという指摘。子供向けのオモチャもハックできる。
子供向けのソーシャルメディアアプリとか、スマートスピーカーなども同様。

7. プロパガンダとしての建築
トランプ大統領の国境の壁のプロトタイプがあるらしいです。
そこまで巨大でなくても、日本、韓国、中国などでもプロパガンダと建築の結びつきが深まっている感じがします。

8. 店舗を公共スペースとして位置づけるマーケティング
アップルやナイキでは、オンラインで購入する顧客が増える一方で店舗を公共スペースのように位置づけた展開をしているそうです。
特定の企業の目的のために規制、監視、設計されている場所を公共スペースのように定義するのは問題だということのようです。・・・なるほど。

9. ジェンダーデザイン
女性向けだけが高価であったり、女性が使うのに男性向けにデザインされているモノは、性別に共通したデザインにすべきとのこと。

10. Normcore(究極の普通)ファッション
原宿ファッションのような独創性は、H&M、ZARA、UNIQLO が支配する今日では生まれ得ない。
また、ソーシャルメディアは人々を同じトレンドに結びつける傾向がある。
一方で H&M、ZARA、UNIQLO はデザインに独自性や地域性を持たせる取り組みもはじめていて成果をだしつつあるようです。

どれも、なるほどーと思える記事でした。2018年に向けてのいい視点かも。

元記事はこちら
The 10 Design Trends Of 2017 That Need To Die >>

2017年12月18日 デザイン

flat-design

おもしろい記事。
2015年の記事のようなので今とは少し違う感じもするけど、ビジュアルデザインがトレンドに引っ張られすぎてコモディティ化してるのは、そのとおりと感じています。

古い話をしても仕方ないですが、90年代〜00年代は無茶なビジュアルデザインのコンテンツはたくさんあって、デジタルデザインの進化はそういうところを土壌にしていたように思います。

UIにおいてビジュアルデザインの重要度は低下し続けてる・・・という恐怖感もあります。ユーザー・ファーストで考えるなら、お馴染みのデザイントレンドに、邪魔にならない程度の新鮮味を加える程度が最適解への最短ルートになるでしょう。そこでビジュアルデザインがおもしろい必要はないのかも。
これからAIが利用されるようになったら、なおさらかも。

一方で、夥しい数の似たようなウェブサイトやウェブサービスがある現状で、ビジュアルでアイデンティティを示せなければサイトもウェブサービスも生き残れない気もします。
ビジュアルデザインはUIよりもコンテンツの一部としての役割を持ち得るかも。

いろいろ思うことがありすぎて、うまくまとめられないです。

日本語訳 >>
【翻訳】ビジュアルデザインはつまらなくなってしまったのか?

元記事 >>
Has visual design fallen flat?

関連記事 >>

Google の「マテリアル・デザイン」はどのようにデザインされたのか

グーグルの発表した『Material Design』の完成度の高さ

2017年7月20日 デザイン

Milton_Glaser

簡潔にして明瞭です。しかも現代的。
デザイナーとアーティストは同じものと見なす一般的な誤解に対しての反論です。

「デザインとは、現状から望ましい状態へと移行するためのプロセスです。これはアートとは何の関係もないことです。」

アートの力は神秘的で推し量ることはできないが、デザインの価値はクライアントの目標で測ることができるとも話しています。

講演のなかでミルトン・グレイサーが、ウェブサイトを創造的なプロジェクトとして取り上げているのは嬉しいことです。

くわしくはこちら >>
Graphic Design Icon Milton Glaser Cleverly Explains Why ‘Design Is Not Art’

関連記事
ミルトン・グレイサーが語る、クラウド・ソーシングでデザインを決定することがどのようにデザインをダメにするか。

トランプが大統領になる時代。デザイナーはいま何をするべきか。

2017年7月13日 デザイン

ということで、メンフィス・グループを紹介してる動画。
メンバーのインタビューもあって勉強になります。

素晴らしいアイデアのヒドいチェアとか、すべてがジョークであるような態度とか、80’sのデザインのやり過ぎな雰囲気が少し納得できます。

メンフィス・グループのデザインはいまも好きです。

memphis_group

くわしくはこちら>>
The origin of the ’80s aesthetic
https://www.vox.com/videos/2017/6/27/15879660/80s-aesthetic-memphis-design

2017年7月4日 デザイン

adobe_sensei

ウェブやグラフィックのデザインにアドビによるAIの本格的な導入が始まるのか・・・。
これからのデザインの仕事はどうなっていくのか・・・。
こういうツールが登場するたびにそんなことを考えさせられますが。どうやら、大きな企業のサイトや大規模なウェブサービスなどを制作するときによくある、大量のパーツ制作のような作業をラクにしてくれるようです。

サイトを構築するデザイナーよりも、サイト運営側が助かるAIかもしれません。
アドビ製品らしい大企業向けの大掛かりなCMSのようです。
いま理解できる範囲の正直な感想としては、そのメリットを享受できるレベルで導入するのはハードルが高そうな気がします。

でもいずれ、ウェブやグラフィックのデザインの仕事の一部はAIに置き換わっていくことになるかもしれませんし、AIを使いこなすデザインが望まれるようになるのかも。しかも、そう遠くない未来に。

デザイナーであることは、いまよりも難しくなるのかも。

くわしくはこちら
Adobe Is Building An AI To Automate Web Design. Should You Worry? >>

Adobe Sensei | AI(人工知能)および機械学習の統合 >>

2017年3月21日 デザイン