まず、掲載されているイラストレーションはAIで生成された画像です。2023年のトレンドを紹介するのに相応しいです。AI生成らしい過剰なキアロスクーロがディストピアっぽいトレンド予測と相まって、安っぽいSF映画のような感じです。
「コントロールとパワー」というテーマで5つのトレンドが紹介されています。
01. I will survive
02. I’m a believer
03. As it was
04. OK, Creativit
05. Signed, sealed, delivered
最初に出てくる「アテンションエコノミーの変化」「トークン化」というワードは、ぼんやりとしていた理解を明確にしてくれそうな気がしました。よく理解できなかったものの、以下は、いくつかの気になった箇所の抜粋です。
世界的な危機と不安定な情勢は長く続くとしているようです。その不安に人々はたくましく対処しようとしているようです。それはマッチョな拡大思考ではなく、生き残るためのミニマルを選択していくようです。「パワーダウンしてエコノミーモード」に切り替わっていくようです。
「コミュニティはブランドよりも信頼できる。」
「現在、多くの人が自分に意味を与える趣味や活動に焦点を当てており、自分の興味を探求できるデジタル グループを探し始めています。」
「トークン化されたアクセスとコンテンツにより、ブランドはブランドのデジタル資産を収益化する新しい方法を試すことができ・・・」
ブランドにはNFTプロジェクトが欠かせなくなるようです。Web3やブロックチェーンなどついて勉強しようと思います。
「次世代のブランドは、まずコミュニティとして構築され、その後、コミュニティの積極的な参加によって利益を得るブランドへと変化していくことでしょう。」
「こうした Web3 の発展により、ブランドがコミュニティと直接的に接触し、影響力を持つようになることはほぼ確実ですが、ブランドはそのダイナミズムについて決断を迫られることになります。たとえば、参加者を顧客として扱うのか、それともブランドの一部として扱うのか。利益を生み出すだけの参加者を優先することで、既存のコミュニティを疎外し孤立させることは簡単です。コミュニティの力を高め、ボトムアップのイノベーションに貢献できるような、持続可能で有機的な関係を形成する必要があるのです。」
「多くのブランドは、様々なプラットフォーム上のソーシャルメディアグループを通じてデジタルコミュニティを構築しましたが、追跡、管理、そして顧客とブランドの両方にとっての価値の抽出が困難であることに気づきました。Web3 コミュニティとトークン化により、これらの懸念が解消される可能性があります。」
すでにある程度の認知を得ているブランドのSNS運用は、労力と注目度の割に効果が低いようです。
「オフィス回帰をめぐる議論が続く中、ひとつだけはっきりしていることは、多くの人にとってオフィス回帰はまだ成功していない、ということです。」
ここでは、アクセンチュアは全社員オフィスに出社することになったかのようなトレンド予測になってます。
「リーダーは、無料のコーヒーだけでなく、人々がオフィスに来たくなるような理由を作り、人々の通勤時間を稼ぐ必要があります。人々は、コミュニティや人間関係、キャリアを豊かにする要因が約束されて初めて会社に来ようとするのであり、これらを実現する責任はリーダーシップにあるのです。・・・成功のお祝いやアイデアの共有、人間関係の構築、取るに足らない会話のために、時間は厳密に確保されるべきなのです。」
AIのトレンドについては写真の登場が絵画に与えた影響になぞられて紹介されています。
「人工知能は新境地を開拓し、人々が本来持っている創造性を発揮する手助けをしています。かつては企業が反復作業をこなすためのツールだったものが、今やクリエイティブなプロセスの一環としてすべての人が利用できる副操縦士となったのです。」
「テクノロジーが創造性に与える影響は、しばしばそのプロセスを促進する道具として利用されてきました。」
「AI は、企業やサービスの実現(目に見えないことが多い)から、人々の生活のあらゆる部分に適用できる、目に見えるものへと変化しています。」
「コンテンツは静的なものから、視聴者に合わせて柔軟に変化するプログラマブルなものを作ることができるようになると思われます。」
「機械学習が世界のコンテンツの51%を作り出したとき(これはすぐに起こるかもしれない)、ソーシャルメディアのエコーチェンバー現象のように、ループで回り始めるかもしれない?もし「AI」が「AI」が作ったコンテンツを使い、さらにコンテンツを作るとしたら、それはそれほど便利で、面白く、クリエイティブなものではなくなってしまうのでしょうか?」
「人々の創造的能力を手にすると同時に、それを奪うことになり、組織はその両方の影響に直面することになります。組織は、優れたクリエイティブなコンテンツの海の中で注目される方法を見つけ、これらの新しいツールがイノベーションのスピードとオリジナリティを高めるために何ができるかを想像する必要があるでしょう。」
Web3とブランドの関係には、UI/UX、データ、倫理、信頼性、などの点でデザインに関わる課題があるようです。
「Web3(およびウォレットが可能にするもの)の約束は、人々が自分のデータを持ち運び、信頼するブランドや企業と共有し、さらにはそれを販売することができることです。」
「私たちは、トークン化されたアイデンティティ(政府経由)、マネー(銀行経由)、所有物、ロイヤリティ(ブランド経由)をオンライン上のどこにでも持ち歩くことができるユニバーサルなデジタルウォレットシステムが登場することを期待しています。これは、現在 Web3 で使われているウォレットの次のバージョンです。」
これは期待しすぎな気がします。ユーザーからどこまでも信頼が得られるわけではないでしょう。
「トークンは、デザイン上の大きな挑戦です。トークン、ブロックチェーン、Web3など、現在前面に出ている技術が、デジタル体験の一部となり、背景に消えていくような移行点があるはずです。他の新しいテクノロジーと同様に、その採用には卓越した経験が必要です。」
すべて理解することはできなくても、刺激的な内容だと思います。
フルレポートのpdfは下記のリンクです。
AI、メタバース、メンタルヘルス、Web3、など2023年のトレンドについての記事です。
AppleのVRヘッドセットがiPhoneのように革新的だったら世界は大きく変わるのかも・・・という気がしてきました。
1.クリエイティブAIの進化
「クリエイティブな表現は、私たちを人間たらしめている核心部分です。それは、インスピレーションを受け、想像し、実験し、ビジョンを実現する能力です。クリエイティビティは、生まれつきのもの、あるいは特別に養われたものもありますが、すべての人が研ぎ澄ますべきスキルセットです。・・・・AIはクリエイティブなスキルセットを強力に民主化し、クリエイティブな志向の低いプロフェッショナルでも、まったく新しいアイデアをデジタルライフに取り込むことができるようにします。」・・・ということで、2023年はたいへんなことになりそうです。
2.メタバース・バーチャル
リモートワークのトレンドはAppleのVRヘッドセットがどのくらい成功するかに掛かってかもしれません。
そして、コロナが過ぎても、私たちは家のなかで過ごすようです。
3.Sensory processing
「感覚処理」や「感覚情報処理」という分野が注目されるようです。
瞑想などの精神療法に没入型テクノロジーが使われていくようです。
4.Web3による人間中心のコミュニティ
「Web3 の分散化モデルは現在、技術スペクトルを引き裂いており、このソーシャルメディアのシフトに直接影響を与え、より深い人間対人間の交流を促すような体験に私たちを連れ戻します。このシフトは、公共放送としてのソーシャルネットワーキングの衰退によって特徴付けられるだろう。」
浅いつながりのパーティのようなSNSが終わって、個人として小さなコミュニティへ戻っていくようです。
いいことだと思います。
5.3Dプリントの一般化
「200ドル以下で購入できるプリンターもあり、3Dプリンティングを始めるのにこれまで以上にお金がかからなくなりました。・・・分散化され、民主化された小規模生産が大量に行われるようになります。」
6.スーパーアプリ
「中国のWeChatや日本のLINEのようなアプリは、顧客の日常生活の大部分を占めるという、非常に具体的な目標を持っています。」
生活インフラになったアプリによるエコシステムは便利ですが危険もあるようです。
アプリの機能の優劣よりも倫理が重視されるようになりそうです。
グランドキャニオン国立公園、上1916年、下2016年
シトカ国立歴史公園、左1916年、右2016年
社会活動として堅苦しく捉えることなく、気候変動をより身近なものに感じてもらうようにしたいそうです。
ゆっくりとした洞察に満ちた制作過程をインタビューで紹介してます。
美しいです。
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気候変動に関するデータを可視化したカラフルでグラフィカルなニット『Temperature Textiles』 >>
https://designers-union.com/blog/archives/10712
ひさしぶりに雑誌を買いました。
よくわからないままだったWEB3を、世の中の勢いで語るのではなく、社会の仕組みの変化として紹介してます。
しかも、WEB3について批判的な視点を含んでいるところが、おもしろいです。
いまのウェブとの関わり方を見直して、次のウェブに行ってみようという気になります。
じっくり読んで、興味あるポイントから掘り下げてみたいところです。
昔のWIREDの雰囲気が感じられて、いい特集でした。
Web3、あるいは所有と信頼のゆくえ:雑誌『WIRED』日本版VOL.44の発売に際して、編集長から読者の皆さんへ >>
2022年に向けてのトレンドに、少し冷水を浴びせるための記事だそうです。
おもしろそうなので読んでみました。
厳しいコロナ禍を経て、それまでの過剰な熱が冷めて、いくつかの呪いが解かれるような2022年になる気がしてきました。
以下は抜粋です。
■メタバース
「人々が仮想の世界で交流するために「現実の世界」から逃れることを選ぶ、あるいはその選択肢があるという勝手な前提に基づいています。」
「私たちはコンピュータの中に入りたいとは思っていません。むしろ、夕食の席、電車の中、友人との外出など、生活が起きている場所で、コンピュータに働いて欲しいと思っているのです。」
「人々の行動様式を大きく変えることになるでしょう。どのようなインターフェイスであれ、コンピューティングの未来は逃げることではありません。それは私たちのことであり、私たちがすでに生きている世界において、私たち自身の能力を増幅させる力なのです。」
■Z世代とミレニアル世代への対応
「ミレニアル世代をターゲットにしたソフトで親しみやすいデザインは ミレニアルピンクやその他の中間色やパステルカラーの大きく平らな面、インスタグラムに適した写真、風変わりな文字のイラスト、独特のレトロな雰囲気を持つフォントなどを思い浮かべてみてください。」
「Z世代に向けたデザイントレンドは2022年に本格化し、大胆で、より実験的で、力強い外観と感触が特徴になります。」
「Z世代はミレニアル世代よりも注意力が短く、8秒から12秒と言われており、生涯をオンラインで過ごす最初の世代である。彼らは、性別やその他の規範を超えた柔軟性、ブランディングにおけるパーソナライゼーション、そして使いやすく消化しやすいオンライン体験を求めいます。」
■NFT
「NFTはまだ実験的な黎明期に過ぎない。長期的な価値は、短期的な欲望に勝たなければならない。」
「最終的には、今日NFTで行われているテストと学習が、メタバースの長期的なロードマップを設定し、そこではNFTがデジタル所有権に関してより大きな文脈を持つことになります。しかし、それは何年も先の話です。」
■効率化のカルト
「私たちが効率にこだわる理由のひとつは、トレンドの分析や未来予測がうまくいけばいくほど、より効率的になり、結果的に成功につながるという考え方です。・・・あらゆる形で予測力と効率性の崇拝に執拗に焦点を当てた結果、現在のように大きなストレスがかかると簡単に崩壊してしまう、極めて脆弱なシステムを作り出してしまったのです。」
「『効率的』なサプライチェーンの問題を考えてみてください。・・・予想外のわずかな購入量の増加と、もちろん世界的な大流行が重なって、サプライチェーン全体が事実上一夜にして崩壊してしまったのです。」
「将来、複数の不測の事態に対応できるシステムを構築し、効率性よりも敏捷性、適応性、回復力を優先させた組織だけが残ることになるでしょう」
■バーチャルリアリティ
「VRとARは、世界的なパンデミックによってすべての人が家に閉じ込められたことで、ヘッドセットに300ドルも払える人は、技術の塊を顔に装着するモチベーションをこれまで以上に満足させることができた。・・・VRコンテンツの売上は、全ビデオゲーム売上の0.5%であり、丸め誤差に満たない。」
「VRとARは確かに私たちの未来に欠かせない要素ですが、どうかこれをVR技術とコンテンツに関する最後のニュースサイクルとし、それがなかったことになった最後の大きなものになることを認めましょう …次のものではないのです。」
■D2Cと ”サステナビリティ”
「私たちは教育する必要があります。ライフサイクル分析は必須であり、食品ラベルの栄養成分と同じように透明であるべきです。私たちは、削減する必要があります。私たちは、より少ない画面、より少ない部品、より少ないパッケージングで、より少ない移動距離の製品を作らなければなりません。修理が可能で、再利用や再生が可能な材料を使用する必要があります。私たちは、説明責任を果たす必要があります。ブランドを強化するために製品を作ってはいけません。」
「そして、倫理的に製品を生産することは、決して安いものではありません。」
■リモートワーク/ハイブリッドワーク
「未来の職場はトラウマに配慮した職場であり、この『トラウマに配慮した』という部分が重要なのです。」
「トラウマとは感情的、身体的、精神的、心理的な危害、苦痛、障害につながるあらゆる出来事や経験のことで、これが職場を苦しめています。トラウマに配慮した職場とは、組織レベルでトラウマの害を最小化し、制限しようとするものです。」
「リモートワークやハイブリッドワークをより良いものにするために、組織はトラ ウマが個人だけの問題ではなく、組織の問題であることを理解する必要があ ります。・・・包括的な行動や自己認識は最終的に無視されてしまう人格の問題ではなく、ビジネスに影響を与えるパフォーマンスの問題として扱われる必要があるのです。」
「労働者の人間性のニーズを優先させる時なのです。」
メタバースは「セカンドライフ」のセカンドチャンスのような気もしますが、Oculusのヘッドセットさえあればうまくいくのかも。
NFTも過熱気味のようですが、そこにある技術は今後に残っていく重要なものになるような気もします。
Z世代はテクノロジーがもたらす恩恵を積極的に受け入れて、その未来に楽観的なようです。
90年代にインターネットの未来が輝いて見えたのと同じかもしれませんが、そこは当時のようにオープンで茫漠とした場所ではなく、Z世代に向けて綿密にデザインされたプラットフォームでできているようです。
それは羨ましくもあり、少しだけ残念な気もします。
The 7 most overhyped trends of 2022 >>
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「Calm Technology(穏やかなテクノロジー)」が復活。グッドデザインはそれを定着させることができるのか?
毎年恒例のトレンド予測です。
ここで言う「ファブリック」は布地というだけの意味ではなく、織り、重ね、繋がり、構成される、社会の形を意味しています。個人やブランドはその社会の縦糸横糸のひとつとして相互に関与して支えあっているというメタファーのようです。
コロナ禍で変わりつつある関係性の変化に対応しなければならない現状を踏まえて、人、ビジネス、そして地球にとって新しい生活の布を創り出す方法を定義する必要が・・・あるそうです。
そして今年のトレンド予測としては「配慮」「信頼」「気遣い」といったワードが重要なようです。
コロナ禍から回復しようとする社会の変化に、何が起きていて、何が必要とされてるのかを考えさせられます。
以下は抜粋です。
■ ありのままの自分
「『me over we』という考え方によって強調される個人主義の高まりは、企業内の同僚間の共感を強調し、人々の顧客としての願望を変化させ、雇用者とブランドオーナーに新しい課題と機会をもたらしています。」
「このトレンドの根底には、個人主義と集団主義との間のより広い社会的緊張があります。この緊張は世界中に不均一に広がっていますが、私たちは、この緊張が今後も決定的な文化的議論となり、経済的・経験的な影響があらゆる場所で感じられると信じています。」
「自己責任論や『me vs we』という考え方の台頭と、組織への影響について考えてみてください。この新しい状況下で、人材や顧客を惹きつけ、維持することができるでしょうか?」
■ 豊かさ思考の終焉?
「コーヒーから半導体チップに至るまで、さまざまな素材や部品、商品が供給不足に陥り、多くの国で「豊かさ」に対する考え方にブレーキがかかった。多くの国で、このような問題が発生すると、『豊かさ』に対する考え方にブレーキがかかり、『欠乏』が人々の予想の対象になったのです。」
「必要なのは、イノベーションを『新しい』という概念から切り離すという発想の転換でしょう。人々は行動を変えなければならないとよく言われますが、常に別の影響を受けている状態では、これは難しいことです。・・・今後は、従来の『取って、作って、捨てる』というビジネスモデルから、より循環型のアプローチによる『再生ビジネス』の機運が高まると予想されます。」
「サプライチェーンの混乱が、あなたのビジネスや顧客にとって何を意味するのか考えてみてください。既存の製品の寿命を延ばすことで、新しいビジネスモデルを生み出すことができますか?」
「イノベーションチームや製品開発チームには、イノベーションは新しいものである必要はないことを伝えてください。制約の中で仕事をすることで、最も創造的なソリューションが生まれることはよくあることです。」
■ 次なるフロンティア
「メタバース熱は世界中に広がり、約束と興奮と未解決の疑問をもたらしています。」
「ルネッサンス期のフィレンツェ、1900年代のウィーン、スウィンギング60年代のロンドンなど、文化の大きな変化は、ある場所から始まることが多いようです。その次の場所は、メタバースです。アート、音楽、映画、そしてもちろんブランドなど、人々の体験に影響を与えることでしょう。」
「あなたの製品がメタバースでどのように見られ、どのように購入され、どこに行き、メタバースの顧客によってどのように使われるかを考えてみてください。製品、ブランド、体験のライフサイクルには、完全なマインドセットの転換が必要です。メタバースは場所であり、単なるチャネルの一つではありません。」
「好奇心と遊び心を持ちながら、常に誠実さと倫理観を持ち、環境への配慮と敬意をもって、メタバースにアプローチする。」
■ そのとおり
「ソーシャルメディアのような多くの情報源から答えを得るようになると、大量の偽情報によって、私たちは見つけた答えを疑わなければならなくなります。・・・信頼性が試されています。」
「コンシャス・コンシューマリズム(Conscious Consumerism)は、倫理的価値や持続可能性に特に重点を置きながら、成長を続けています。人々は、購入する商品に対して満足感を得たいと考えており、労働者や動物の倫理的扱い、フェアトレードなど、販売時に答えが必要な質問をすることが多くなっています。」
「ブランドは約束の塊であり、顧客はその約束についてこれまで以上に知りたがっている。・・・そのブランドがどのように機能しているかを顧客に対して明確かつオープンに示すものであるべきです。」
「ブランドは、人々の質問に答えるために、どの情報レイヤーを展開し、どのようにタッチポイントに設計すれば信頼を築けるかについて、戦略的な選択をする必要があります。・・・ブランドは、ますます情報レイヤーで競争するようになる。このように、デザインの細かな判断が直接的に戦略的な意味合いを持つようになり、デザイナーの仕事の幅が広がっています。・・・証明することで真実が示されます。すべての顧客が提供された情報の信憑性を吟味することは期待できないため、ブランドには、顧客の精神的負担を軽減するために、情報レイヤーで述べていることを立証することが期待されています。これはまた、強力な信頼構築の機会にもなり得ます。」
■ 取扱注意
「配慮と思いやりは人間の本性に根ざしており、人間性を定義する性格特性であると言っても過言ではありません。思いやりは、共感を通り越して信頼を築き上げるものです。セルフケア、他者へのケア、ケア提供のためのチャネル(デジタルと物理の両方)など、あらゆる形態で、この一年、ケアはより顕著になりました。」
「パンデミックは、世界中の精神衛生に大打撃を与えました。・・・また、同僚の健康を気遣うために割く時間や注意の量も増えたと思われます。精神的な問題、悲しみ、病気による突然の中断など、同僚の個人的な苦悩に直面したときの思いやりと優しさは、もはや常態化しています。」
「多くの国でCovid-19パスが必然的に使用されたことで、ケアにテクノロジーを使用することへの寛容さはさらに加速されました。・・・これはまた、以前はプライベートだった健康情報を公に共有するという、もう一つの重要な行動の変化を示唆しています。」
「今後、他者への優しさや思いやりを浸透させることは、デザインが支援できるビジネスチャンスです。デザインを通じて、思いやりのある新しい価値を生み出す方法はたくさんあります。」
「人々の精神的な幸福と安全に配慮したデザインは非常に重要です。このアプローチは新しいものではありませんが、人々のデジタル行動に影響を与えるダークパターンの無責任な使用は、社会的な監視の目が厳しくなってきています。」
「気遣いは常に人間にとって重要な要素ですが、現在ではより目に見えやすく、オープンに語られるようになったという点で、歓迎すべき変化といえます。・・・ケアを意図的にデザインし、システムの中に組み込むことです。」
「ケアは重要な仕事であり、精神的に負担のかかる仕事であることを認識する。ケアを日常業務としている人のニーズに合わせて、製品やサービス、そしてそれらに関連するKPIをどのように開発できるかを考えてみましょう。」
下記のリンクから2022年トレンド予測どうぞ。
Fjord Trends 2022: Emerging Trends & Challenges | Accenture >>
以前のトレンド予測は下記のリンクからどうぞ。
私たちは皆、歪められたサクセスストーリーに酔っている・・・という指摘から始まって、その仕組みを説明して、そこから脱却するために洞察力が必要なことを紹介してる記事です。
若いときには、憧れの有名デザイナーの仕事についての記事を読んで自分も同じようになれると考えがちですが、それがどう間違っているのかわかります。
これは、マーケティング、ブランディング、ストーリーテリングなどについてのことでもあります。
目を覚まさせてくれる記事です。
元記事はとても長い文章です。下記は一部の抜粋です。
「自分の功績を一つの要因に還元することで、成功談を語る人は必ずと言っていいほど、出来事や結果を独占的にコントロールしていたと主張し(あるいは信じ)、自分の力を大幅に誇張します。しかし、どんな人も、どんな組織も、どんなビジネスも、自分が置かれている環境や文脈から切り離されて機能することはありません。成功の物語はすべて、複雑な要因の相互作用の物語です。その複雑さをひとつの変数やシンプルな格言に還元することは、ストーリー性のあるものになるかもしれませんが、たいていは無意味な練習になります。」
「・・・なぜなら、あなたは70年代のサンフランシスコのスティーブ・ジョブズではないからです。”Love what you do” ”Don’t settle” ”Stay Hungry. Stay Foolish ”という言葉は、私たちに暖かい気持ちを与えてくれるかもしれませんが、過去の個人的な成功についての膨大な不完全さは、他のすべての人にとっての将来の成功への最良かつ最も信頼できるガイドにはなりません。
実際のところ、成功者は自分自身の業績の信頼できない証人であるということです。そして、再現性のない過去からパターンを推定し、それを将来の成功のための普遍的な青写真として提示することは、知恵はおろか、有益なアドバイスにもなりません。」
「私たちは、メッセージの信頼性に関する情報よりもその内容に注意を払い、その結果、データが正当化するよりも単純で首尾一貫した世界観を持ってしまうのです。結論に飛びつくことは、想像の世界では、現実よりも安全なスポーツなのです。」
「・・・自称マーケティングの預言者の多く(ほとんど?)は、実際には未来を予測しようとはしていないということです。自分に有利なように未来を起こそうとしているのです。・・・「セールステクニックとしての予言」を利用して、自分たちが支配しようとする未来を形成したり、加速したりしているのです。 彼らのトリックは、自分たちが好む未来が必然的であり、望ましいものであると私たちに信じさせることです。そして、私たちは皆、それに乗るべきだと(そして、そこから利益を得ようとする彼らの計画に)確信しているのです。 」
「・・・言い換えれば、未来とは、ステージ、演壇、パネル、ブログ、記事などで言われているような、私たちが目指している場所ではなく、私たちの中の少数の天賦の才能が、他の人よりもよく見ることができる場所なのです。それは確率の集合体です。そのため、多くの人が考えているよりもはるかに未知であり、はるかに偶発的なものなのです。
ですから、もし私たちが予言や自作自演のサクセスストーリーや成功の方程式を受け取る側になったとしたら、細心の注意を払い、その誘惑に抵抗し、それに反論し、その信頼性を批判し、その方法論を引き裂き、冷酷に問い詰め、何が抜け落ちているかを考え…そして遠慮なく無視することをお勧めします。
実際のところ、私たちがどんなに彼らに憧れようとも、私たちに何をすべきかを教えてくれる司祭や英雄や預言者は存在しないのです。」
「もし私たちが自分自身で不確実性に立ち向かうのであれば、もっと明確に見る必要があります。」
「明確に見ることは、多様性を受け入れることでもあります。」
「多様なバックグラウンドを持つ人材を採用し、文化的な「適合性」へのこだわりを弱め、教義やイデオロギーではなく実験や探求の文化を奨励し、反対意見を積極的に求めることは、より質の高い会話や、より良く、より完全で、より正確なものの見方を促進するのに大いに役立つでしょう。」
「アルブレヒト・デューラーが「The Great Piece of Turf」を描いたのは、レオナルド・ダ・ヴィンチが「最後の晩餐」のフレスコ画を完成させて、ミケランジェロが後に「ダビデ像」となる5メートルの大理石の塊を削っている頃だった。一方、デューラーの作品は、40.8×31.5cmと非常に地味なものでした。・・・・これは、地味な芝です。しかし、それは天啓です。これは『見る』ことです。(デューラーのこの作品は観察と自然研究にもとづいて描かれた絵画史の傑作です)」
「明確に見るということは、より良い質問をするということでもあります。」
「ドグマやイデオロギー(答えを知っているという確信)は、視野を狭め、チャンスや機会の幅を狭めてしまうものです。逆に、ドグマやイデオロギーを手放すこと(マーケティングでいうところの「ベストプラクティス」)は、視野を広げ、可能性の幅を広げることになります。」
「無知というのは、その使い方を知っていれば、それほど悪いことではありません。過去の経験から知っていると思っていることではなく、頻繁に無知の状態で問題に取り組まなければなりません。」
「私たちは、先見者、預言者、英雄を必要としません。他人の足跡をたどる必要はありません。誰かが予測した明るい未来に向かって走る必要もありません。他人の成功のレシピを適用する必要もない。私たちがすべきことは、自由を行使し、冒険し、注意を払い、心と目を開いて、真実を探し、受け入れる意志と勇気を持つことです。」
こういった記事そのものが認知バイアスなのでは?・・・という感じもしますが、全体を一読する価値はあると思います。
Martin Weigel | Visionaries, Prophets, And Heroes: Facing the future Without Them >>
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まず、消費財、プロフェッショナルサービス、Eコマース、旅行などのビジネスタイプを選択し、投稿を予定している時期を選びます。
選択が終わると「キャンペーンのアイデア」、「データとインサイト」、「リソース」の3つのカテゴリーで結果が表示されます。
1つ目は、アイデアを練るためのヒント、2つ目は、指定したパラメータに関連するユーザーデータ、そして最後は、意思決定に役立つレポートです。
このジェネレーターには、キャンペーンで使用する画像やテキストを提供する「すぐに使える広告」オプションも含まれています。さら広告にすぐに使用できる投稿テンプレートの「Organic Post Pack」も用意されています。
ディストピアな感じがしますが、Adobeにも同じようなサービスがあるようです。
元記事はこちら
Facebook Debuts ‘Campaign Ideas Generator’ With Free Assets To Get You In Flow >>
人口の2%から5%と推定されるアファンタジアは、精神的なイメージを生み出すことができない病気だそうです。
アファンタジア(Aphantasia)とは心的イメージを思い浮かべることができず、頭の中でイメージを視覚化することのできない状態を指す言葉です。
イメージ、ドローイング、認知・・・などが連携することで起こるフィードバックと創造性についての紹介です。
「手で考える」プロセスを思い出させてくれます。
以下は抜粋です。
「この病気の名前が公表されたとき、多くのアーティストやデザイナー、建築家などから、『自分にも心の目がない』という連絡があったそうです。
リトルマーメイド』(1989年)などのディズニー作品でアカデミー賞を受賞したグレン・キーン氏もそのひとりでした。
アリエルや、『美女と野獣』(1991年)の野獣をデザインするとき、はじめにイメージを思い浮かべることはなかったそうです。」
「まず、『知っている』『覚えている』ということと『イメージする』ということは違います。描くためには、それがどのようなものか知っていればいいのです。」
「アファンタジアは、物の形に関する知識に基づいた心象風景の生成を妨げるが、その知識が鉛筆と紙を使ったイメージの基礎となることは妨げない。キーンがアリエルの絵を描くことができるのは、人間や魚がどんな形をしているかを知っているからであり、その情報と勉強や練習で身につけた技術が、彼の手を動かしているからである。」
「もうひとつ重要なポイントは、精神的な視覚化が完全に脳内で行われるのに対し、ドローイングは、アーティストの目の前で行われる、部分的に外部の行為であるということです。
ドローイングでは、自分が描いた「マーク(徴/しるし)」を知覚します。認識されたそれぞれの変化は、次の変化を示唆し、フィードバック・ループを形成します。頭の中だけでイメージする必要はありません。
キーンがアリエルを描くときは、彼が言うところの「爆発するような落書き」から始めて、自分が望む形になるまで線を強調したり引いたりします。」
「ビーストのデザインも同様に、試行錯誤を繰り返しました。スタジオに飾ってあるバッファローの頭を真似ることから始めて、ゴリラの眉毛、ライオンのたてがみ、牛の少し垂れた耳など、さまざまな動物の特徴を試してみた。牛の耳が少し垂れていると、ビーストの威圧感が薄れることに気づきました。そして、人間の目を加えたときに、発見がありました。キーンにとって、それは『知っている誰かを認識するようなもの』だったそうです。知っているけどイメージできなかった誰かです。」
ここからの抜粋は、記事や文学やアーティスト自身によって描かれてきたステレオタイプなアーティスト像が登場した理由を紹介しています。
「ルネッサンス期の伝記作家ジョルジョ・ヴァザーリが『偉大な天才たちは・・・頭の中で発明を模索し、完璧なアイデアを形成し、それを手で表現する』と宣言して以来、何世紀にもわたって西洋文化を支配してきた創造的な芸術家の固定観念に、キーンのようなアフォーダンス(行為)が挑戦しているのです。」
「このヴァザーリの言葉は、レオナルド・ダ・ヴィンチのことを指していますが、彼の発言は、芸術的な創造性を内的な能力と考え、その成果を外の世界で再現するだけだと考えるようになったことを示しています。天才的な芸術家は、作品もさることながら、精神的な発想の豊かさで勝負する。・・・しかし、このような固定観念には歴史的な理由があります。ルネッサンス期の出世欲の強い芸術家は、規則に従った肉体労働をする職人に対抗して自分を定義したかったのです。」
「また、鮮明なイメージを体験することで、精神的に作品を先取りする人もいますが、キーン氏と彼の仲間のアファンタジアの人々は、創造的なプロセスは、周囲の物質的な世界から始まり、それに依存することを示しています。」
アイデアを考えるにも、頭よりも「手で考えろ」とか「手の方が早い」と言わることがあります。
なにも思い浮かばなくても、まずは紙と鉛筆を持って手を動かしてフィードバックを起こすのが大切なようです。
ドローイングを体験として理解しているデザイナーであれば、容易にこの感覚を想像できると思います。
The unusual creative process of the artist behind ‘The Little Mermaid’ and ‘Beauty and the Beast’ >>
「アイデアをケアする」という話が出てきます。解決策ではなく、信じて守って育てるもののようです。
ジョニー・アイヴのデザイン哲学や「アイデア」についての考え方は、崇高と言っていいと思います。
スピーチの抜粋です。
「専門技術は繰り返し行うことで成長しますが、私たちの創造性は、深い関心と注意によって育まれます。私は、アイデアの本質を深く理解しようと努めています。アイデアの本質を理解すると、より多くのアイデアが得られて、アイデアをケアし、守り、発展させて良い仕事ができます。アイデアとは、常に壊れやすいものです。何かを解決できるなら、それはアイデアではなく、出荷準備の整った製品になっています。
私は、どんなに新しいアイデアの場合でも、そのアイデアにまつわる問題に目を向けないよう、並々ならぬ努力をしなければならないことを学びました。これらの問題は既知のものです。数値化できて、理解もできます。しかし、あなたはアイデアそのものに注目しなければなりません。部分的で、暫定的で、証明されていない状態のアイデアです。湧いてくる懐疑心を抑え込んで、問題を解決する方法があると信じなければ、当然ながら自分のアイデアを信じることはできなくなります。
だからこそ、批判や問題点の指摘は、特に建設的なアイデアがない場合にはダメージが大きいのです。忘れてはならないのは、意見はアイデアではないということです。意見はアイデアほど重要ではありません。意見はただの意見です。」
下記リンクの記事からの抜粋です。アイヴのスピーチを適切に補足してると思います。
「アイブの言葉は、”良いデザイン ”の定義がますます主観的になってきている今だからこそ言えるものです。美しさは世界各地で千差万別であり、複雑な問題を抱えた世界では、シンプルであること自体が過剰な「解決主義」である可能性があることを、業界は認識しています。そんな時代だからこそ、自信を持って常識に挑戦し、新しい地平を切り拓くデザイナーが必要なのです。しかし、アイブの言葉にはもうひとつの警告があります。自信と思い上がりの境界線は曖昧であるということです。だからこそ、アイブはデザインプロセスにおける批評の必要性を否定しながらも、すべてのデザイナーに「他の人のアイデアにも耳を傾ける」という重要な実践を勧めているのです。」
How a college sculpture class shaped Jony Ive’s creative vision >>
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