経済産業省によるデザイン経営の事例集

経営者の理解も大切ですが、デザイナーが自分の得意分野に逃げ込むことなく、企業活動に対してデザイナーとしての職能を拡張させていく必要もありそうです。

経営者向けとしてはいい内容だった気がします。
デザインにおける倫理観のようなことについても触れておくべきだった気もします。

下記のリンクに2つの公表資料がpdfで用意されています。

ビジネスパーソンに向けた、デザイン経営の事例集を取りまとめました | 経済産業省 >>

2020年3月27日 デザイン

コクヨ デザイン アワード 2020受賞作品決定

テーマは「♡」 1,377点の応募からグランプリ1点と優秀賞3点が決まったそうです。
テーマのとおり素敵な感じのデザインが受賞してます。
時代を反映して、サステイナブルに配慮したコンセプトが選ばれています。

ユーザーと物語を共有して、ユーザーのファンタジーを満たすような・・・そういう要素が盛り込まれているのが人気のようで、文具やプロダクトだけでなく、いろいろな分野の「デザイン」がそういう方向に向かってる気がしています。

それは時代に則したデザインの方向なのですが、例えば、それは「文具のデザイン」なのか? という気もしてます。

KOKUYO DESIGN AWARD 2020 受賞作>>

2020年3月17日 デザイン

New York City Criminal Justice Agency

より公平なシステムのために、デザインが果たせる役割についての記事です。
米国では裁判が始まるまで容疑者が拘留されるできかかどうかを「釈放査定」というアルゴリズムで裁判官が決定するそうです。この決定過程はわかりにくく、不透明で、公平さを欠いていたそうです。

そこで、「法廷とニューヨーク市が不必要な公判前拘留を減らすよう支援する」するために、ウェブサイトのインターフェイスをデザインし直したそうです。逮捕されたとき拘留されるかどうかの「釈放査定」の過程をシミュレートするコンテンツも提供されているようです。

このリデザインには、4つの原則を用いたそうです。

(1)言語を簡素化し専門用語を最小限にします。

(2)明確な情報階層とインタラクションにより、シンプルさと効率性を強調します。

(3)情報を適切に分割して、ユーザーエクスペリエンスの工程を構築します。

(4)明確な”サインポスト”でユーザーをガイドします。

どれも情報アーキテクチャの基本のようにも思えますが、それによって「公平」「公正」「透明性」がもたらされるのですから、すばらしいことです。

New York City Criminal Justice Agency >>

手掛けたのは Hyperakt というデザイン・エージェンシーだそうです。
いい仕事してる感じがします。

Hyperakt | Design to shape our future >>

元記事はこちら。リデザインの過程が紹介されています。
The justice system is a black box. Can this redesign make it more transparent? >>

2020年3月2日 デザイン

フロッグ・デザインとチューズデイ・キャピタル

「デザイン・ビジネスは、デザインがビジネスもらすほどの利益を得たたことがありませんでした。 ベンチャーキャピタルののチューズデイ・キャピタルと提携することで、フロッグはそれを変えたいと考えています。」
フロッグ・デザイン社長 Andrew Zimmerman のインタビューです。

かつてフロッグ・デザインは、Oculusという会社のVRヘッドセットに関する知的財産権を放棄するように求められたことがあったそうです。
フロッグ・デザインはOculus社のVRヘッドセットのデザイン・コンサルティングをしていました。
フロッグ・デザインの優れたデザインのもたらした価値によって、Oculus社はfacebookに20億ドル(!)で買収されましたが、フロッグ・デザインが受け取ったのはデザインコンサルティング料の20万ドルだけだったそうです。

Andrew Zimmerman 社長はこういうビジネスを問題があると考えているそうです。立派な社長だと思います。

そこで、フロッグ・デザインは、チューズデイ・キャピタル社と提携して、ベンチャー企業への投資ビジネスに参入することにしたようです。

フロッグ・デザインはチューズデイ・キャピタルによるベンチャー投資の利益の一部を受け取り、チューズデイ・キャピタルはベンチャー企業にフロッグ・デザインによるコンサルティングを無料で提供できるようになるそうです。
ベンチャー企業からすれば、チューズデイ・キャピタルからの出資を得られれば、フロッグ・デザインによるコンサルティングも受けられるということのようです。
(※ここまでのなかに、いくつか英文からの読み間違いがあるかも・・・)
とてもいいことのように思えますが、ベンチャー企業がこれから取り組む自分たちのビジネスにコンサルタントを受け入れるかどうかは、微妙な気もします。

フロッグ・デザインというブランドがあるからこそできるビジネスモデルではありますが、世界中の有名なデザイン会社がAccentureなどに買収されていることを考えると、これからデザイン会社が独立してビジネスを続けていくためのビジネスモデルのようです。

元記事はこちら

Exclusive: Frog and Tuesday Capital unveil new partnership >>

【関連記事】Frog Design の創設者 Hartmut Esslinger のデザイナーへの5つのアドバイス

【関連記事】『未来のデザインの3つの波と、それにどう乗ってくか』というfrog design の Mark Rolston による記事

【関連記事】IBMのデザイン顧問だった リヒャルト・ザッパーがスティーヴ・ジョブズからのオファーを受けていたら・・・

2020年2月17日 デザイン

社会・経済・テクノロジー・デザインを俯瞰していて説得力あります。
悲観的だったり教訓的だったりすることなく、現状を観察して、捉え直して、再考して、よりよい状況へ向かうための予測になっていると思います。
知りませんでしたが、2019年には日本にもFjordのスタジオができたそうです。

以下は気なった箇所を抜粋した意訳です。間違っているかもしれません。

■Many faces of growth(多面的な成長)
企業の「成長」を定義し直す傾向を予測しています。
「顧客価値」「従業員への投資」「株主価値の提供」よりも「多様性と包括性」の育成が第一義になりつつあるそうです。
それは顧客にも従業員にも株主にも適用されるテーマであり、多様なステークホルダーとのさまざまな価値の「成長」を測るための指標が必要になるそうです。

■Money changers(お金が変わる)
お金の体験が変化しています。ここには多くの新製品と新サービスの機会が生み出されます。
指紋や顔認証の支払い、レジのない小売店、Apple Card などの環境で新しいユーザーエクスペリエンスが提供されつつあるそうです。

■Walking barcodes(5Gの普及と身体による認証)
顔、指紋、網膜などがデジタルで読み取られるようになって、私たちの身体は私たちのシグネチャー(認証)になりつつあります。
ここにはプライバシーやセキュリティの問題もあります。
2020年以降の5Gの普及を背景にして、これらを利用したインターフェイスを再考する必要があるそうです。

■Liquid people(流動的な人々)
消費者や従業員の要望やニーズは流動的になるそうです。
健康、精神衛生、ウェルビーイング、気候変動などへの関心の高まりを背景にした彼らの文脈を理解して、彼らの価値観をサポートする消費体験が望まれているそうです。
さらには、「顧客」「従業員」の枠を超えて製品・サービスを再考することが提案されています。

■Designing intelligence(AIとのコラボレーション)
企業のAI導入が自動化のステージから人間とのコラボレーションへ進むそうです。
AIはシミュレーションや意思決定支援などのより複雑な活動に適用されるようになりイノベーションを加速します。
AIを戦略的な意思決定プロセスにどのように組み込むことができるか。
AIと人間はどのように分担できるのか。
AIと人間のインターフェイスはどのようにデザインされるのか・・・。

■Digital doubles(データ上の人格)
新しい「エージェント・サービス」としてのデジタル上の別人格を、ユーザー自身が管理するようになるそうです。
(これについては、意味するところがよくわかりませんでした。)

■Life-centered design(すべての生物の デザイン)
ユーザー センタード デザインは利己的になりすぎていて、デザインの重点を切り替える必要があるそうです。
すべてが何らかの形で他のすべてに影響します。デザインはその影響を考慮する必要があります。
口先だけでなく、すべての分野で「害を及ぼさない」ようにしてください。

昨年と同様に、デザインの取り扱うテーマの領域拡大と、デザインの及ぼす影響範囲の認識についてのメッセージが見てとれます。
昨年に比べると、企業寄りで現実的な予測になった気がします。Fjordというよりもアクセンチュアの色合いが濃くなった感じ。

Fjord Trends 2020 >>

【関連記事】より良い未来のためのデザイントレンド予測『Fjord Trends 2019』

2020年1月8日 デザイン

OplusA

Studio O+A は有名テック企業のオフィスを手掛けてきたインテリアデザイン会社。その共同創業者Verda Alexanderの記事です。
この記事はオフィス・デザインだけでなく、SNS後のあらゆる分野のデザインについての課題のように思います。
Studio O+Aではプロジェクトを始めるときに、最初にPinterrestやInstagramのような画像サイトを参照しないようにデザイナーに通達されるそうです。
「他人のデザインを参照し続けていると、変化が少なくなります。少しでも新しいものを探し求めるべきです。」とのことです。

インターネットによってデザインは洗練されたと O+Aの共同創業者Verda Alexanderは語ってます。

「インスタ映え」するオフィスは、その企業とそこで働く人を魅力的に見せます。
そういうオフィスをデザインすることはクライアントの賛同を得やすくして予算を最大化させる健全な戦略だそうです。
その一方で、インスタ映えのような「一瞬の魅力」のデザインがエスカレートすることを危惧しているようです。

「私たちがデザインしている空間は「瞬間」ではありません。そこは従業員が日々を過ごす場所です。デザイナーとして、私たちは次のことを自問しなければなりません。私たちは美しく機能的な空間を作り出していますか?それとも単にインスタ映えする「瞬間」を作り出していますか?」

「2013年に私たちが取り組んだプロジェクトにおいて、いくつかの見落としていたことがありました。ベルベットやゴールドミラーなどの魅惑的なデザインのエリアがありましたが、労働者が実際に日々を過ごす職場の大部分は灰色で無地でした。これは、設計者が重要な領域、つまりエントランスや目に見える共有スペースに努力を集中することで予算を最大化させる戦略です。それは健全な戦略であり、長年にわたって私たちにとってうまく機能しました。また、クライアントの賛同を得やすくなります。クライアントは、これらの瞬間の1つに興奮し、プロジェクト全体を青信号にします。」

「環境に配慮したオフィスを志向する企業は、デザインの瞬間は最優先事項ではないと判断しています。」

「SNSやブログを見るのはデザイナーだけではありません。クライアントとその従業員も見ています。・・・私たちのクライアントは時々既存の期待を持っています。時には彼らはすでに自分の頭の中にオフィスをデザインしています。彼らは他のどこかで見たものを好むかもしれません。それは、そのクライアントの問題解決と、ユニークな文化を伝えることを目的としたデザインプロセスを混乱させます。」

「Studio O + Aに最初に真剣な注目を集めたプロジェクトを覚えています。これはパロアルトにあるFacebookの最初の本社であり、2010年に完成しました。・・・(Facebookオフィスをデザインしたおもしろい紆余曲折のエピソードがあって)・・・同じ年に立ち上げられたInstagramで他のデザイナーがデザインしているものをキャッチ・アップすることがなかったので、私たちはクライアントと一緒にその旅をすることができました。写真を作成するつもりはありませんでした。」

この儚い「一瞬」のための要望に答えることが、デザイナーを追い込んでいるような気がしています。
デザインのプロセスをショートカットして作られた一瞬の「映え」がのために、デザインの価値やモラルが低下していないか検証する方法があるといいかも。

元記事はこちら
Is designing for Instagram hurting design? | FastCo >>

Studio O+A >>

2019年10月15日 デザイン

Web Design_The Evolution of the Digital World 1990 – Today_001

Web Design_The Evolution of the Digital World 1990 – Today_001

30年間のビジュアルの旅の記録。ユーザーエクスペリエンス、ユーザビリティ、技術的なマイルストーンなどが、現在のインターネットにどのようにつながるのかを年ごとに紹介してるようです。

最初のドラッグ&ドロップナビゲーション。
最初のページめくりインターフェイス。
最初にシームレスに動画利用。
最初のバイラル。
最初のパララックス。
最初のYouTubeっぽいサイト。
・・・・など。

長くウェブの仕事をしてるのでノスタルジーとして楽しめますが、未知の領域でデザインしようとしたデザイナーたちの創造性を見ることもできるかも。

ここ数年のインターンシップや新人研修の話を聞くと、今の大学生はWEBやITをおもしろい仕事だとは思っていないようで「そうかもな・・・」と思うところがあります。

元記事はこちら
Looking back to the history of the web, Rob Ford selects five landmark sites from the last 30 years | It’s Nice That >>

Web Design. The Evolution of the Digital World 1990–Today >>

2019年9月12日 デザイン

イケてる企業のオフィス空間では、まずはフリーの食事があるダイニングルームを設けるようになったそうです。つづいて、遊び道具を置いたリビングルームを設けた。ランドリーを設けて、自分の自転車をメンテナンスするスペースも設けた。自分のスペースを自分で自由に設置できるようにもした。

本当にそんな設備が必要なのか?
自宅に帰って寛ぐこと、オフィスから離れることのほうが創造性と生産性に寄与するのでは?

そこで考えられたのが、適切な摩擦(フリクション)が設計されたオフィス空間だそうです。
その摩擦は強すぎても弱すぎてもダメで、適度であることが大切だそうです。

その摩擦は、下記の3つに分類されるそうです。

たたみこみ(Convolution)」これは数学用語で、一定の負荷といった意味のようです。
物事をスローダウンさせるための制御のようなもののようです。
「たたみこみ」は、私たちがしていることに気付くように働きます。それは私たちを遅くします。

「革命(Revolution)」は私たちにスピードアップさせるようなもののようです。
「革命」は私たちに自信を持たせること。「たたみこみ」とは異なり、それは物事をスピードアップします。

「進化(Evolution)」は私たちを拡張するものようです。
「進化」はオフィス機能の次のステップだそうです。

24h/7daysのオフィスから 8h/5days のオフィスへの転換だそうです。
まったく賛成です。

提唱しているデザイン会社はこちら
Studio O+A >><

元記事はこちら
Masha Manapov’s thoughtful illustrations deal with life’s delicate subjects >>

2019年7月18日 デザイン

Morrama Design によるユーザーの幸福を考えたスマホのコンセプトモデル

画面操作ではなくスマホ本体に対しての身体的なUIが特徴のようです。
このコンセプトはユーザーの身体的な方法でのスマホ操作によりスマホの機能やモードを簡単かつ意識的に切り替えることができるようになってるそうです。
それは「ユーザー自身のモード」がスマホ操作のために強制されることを防ぐことのようです。

Flip、Seesaw、Taper という3つのインタラクションが紹介されています。

■Flip
通話、チャット、撮影の最中に他のアプリに移動しなくてはならないときは、スマホを反転させるだけです。
ユーザーがいま行っていることをスマホの操作に邪魔されても、すぐに対応できるようにしているようです。

■Seesaw
スマホの背面が非平面になっています。
スマホを机上に置いたときには画面が傾いていて通知が非表示になっているが、スマホの片側を抑えて傾きを変えることで通知が表示されます。
ユーザーがPCで作業しているときにスマホに邪魔されないこと。ユーザーがスマホの通知を確認するときにもスマホ画面を操作しなくて済むようにしているようです。

■Taper
スマホ背面に通知と音声操作のためのサブスクリーンがあるようです。
メインスクリーンを見ないで操作できることはこのサブスクリーンで済ませるようにすることで「ユーザー自身のモード」を維持できるようです。

アップル、グーグル、サムソンで飽和状態の市場では、デザインの方向性も独占されています。
何か新しいことをするのは不可能です。
あえて、ローテクな要素を持ち込むことで機能満載のスマホに対応するコンセプトだそうです。

くわしくはこちら
Morrama Unveils Smarter Phone Concepts Developed for Wellbeing of Users >>

Morrama Design >>

2019年5月27日 デザイン

PseudoDesignTitles

他のデザイナーとは違ったデザイン職の名前がほしいデザイナーのための職種名ジェネレーターです。
職名だけでなくデザイントレンドの呼称でもあるようですが、まったくわかりません。

もちろん風刺です。どの職名にもまったく意味はありません。
デザイナーの Xtian Miller さん、 Boris Crowther さんが作ったそうです。

「完璧な幸福のための方法論デザイナー」
「一般タイポグラフィデザイナー」
「ビジュアル戦略のためイライラするデザイナー」
「インクルーシブ・キュレーター」
「思索ジェダイ」
「複合現実デザイン監視員」
「ブレインインターフェイス素人」

おもしろいです。
もう「デザイナー」ですらなかったりします。

デザインの過程が細分化されて、何をするのかわからないような職名も増えた気がしてます。

デザインのデジタル化が進むと、デザインプロセスはデザイナーが一貫してコントロールできるようになることが恩恵だったと思うのですが、デザインが産業として成長するにはプロセスが細分化されて雇用が増えることも必要だということでしょうか。

Pseudo Design Titles >>

Let this creative industry title generator choose your next job >>

2019年4月26日 デザイン