『Walls and Bridges 世界にふれる、世界を生きる』ジョナス・メカス

『Walls and Bridges 世界にふれる、世界を生きる』増山たづ子

『Walls and Bridges 世界にふれる、世界を生きる』東勝吉

『Walls and Bridges 世界にふれる、世界を生きる』ズビニェク・セカル

東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカス の4人の作品の展示。正直なところ、ジョナス・メカス以外は知らない作家でした。

展覧会の紹介文には「生きるよすがとしてのアートの魅力」とあり、4人の生涯と創作活動とモチベーションを背景にして作品を見ることができました。
どういう状況であれ、創作を続けることの豊かさを実感できる、いい展示でした。

作品に拙さがあっても、現在のようにデジタル化された創作環境のなかで過剰に「いい仕上がり」になって均質化する以前の時代の豊かさがあります。

自分の理由を持って、創作を自分のものとして、生活のなかで続けていくのは良いです。

Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる >>

2021年9月27日 アート

在宅勤務が終わってオフィスに行く日常に戻るとき、お家のペットもストレス晒される・・・という、ペットショップのCM。
最初は人間のことかと思って、途中から犬のことだとわかって、犬の気持ちを理解する。うまい演出。

同じタイプの演出で、他にもこんなキャンペーン映像もありました。

気づかせて、共感させて、メッセージを伝える。いいCM。

As People Return to the Office, Petco Explores Pets’ Mental Health >>

ユーザーフレンドリー:デザインの隠れたルールが、私たちの生活、仕事、遊び方を変える

1979年のスリーマイル島の事故があった2号炉の制御室と、その事故を教訓に改善された1号炉の制御室を比較検証しています。著書では他の事例も紹介しながら、ガジェットとUXとメンタルモデルのありかたを紹介してるようです。

以下はリンク先の記事のさらに抜粋・翻訳・追補ですが、日本語版を出版してほしいです。

「1979年の事故を受けて、スリーマイル島の2号炉は封鎖されました。しかし、1号炉は2019年までひっそりと稼働し続けました。『誰のためのデザイン?』で有名な認知科学者のドン・ノーマンの意見を取り入れて改装されました。」

「私が行ったときには、1号機から蒸気が綿のように立ち上っていてた。その隣には、30年間封鎖されてきた2号炉の塔が錆びついて静かに立っていた。この光景は、不気味で奇妙な美しさを醸し出していた。壊すのに莫大な費用がかかる2号炉は、ポストモダンの記念碑的な彫刻のようにそびえ立っていた。それは、文字通りの「警告」としてそこにあった。」

「1979年、スリーマイル島の制御室に集まった人々にとって、フィードバックの異常、制御の一貫性のなさ、操作の難しさなど、これらの問題はさらに大きな問題となった。・・・彼らには、異質で奇妙な出来事がどのように結びついているのかを示すメンタルモデルがなく、何が起こっているのかを推測することができませんでした。」

「ユーザーエクスペリエンスとは、新しい製品を私たちのメンタルモデルに当てはめることだと言えるでしょう。簡単な例を挙げれば、私たちは本がどのように機能するかを想定しています。例えば、本にはページがあり、情報が順番に並んでいて、情報を得るためにはページをめくる必要があります。タッチスクリーンのAmazon Kindleが成功し続けている理由のひとつは、このメンタルモデルをいかにして再構築したかにあります。本のページをめくるように、電子書籍ではスワイプしてページをめくります。」

「ガジェットがどのように動作するか想定できないとき、私たちはフィードバックを利用して、そのロジックについての漠然としたメンタルモデルを形成します。しかし、メンタルモデルを構築する最も直接的な方法は、絵を描くことです。今、1号機の制御室を見渡してみると、原子炉全体のメンタルモデルを作るために作り変えられているのが分かります。私のような素人が見ても、システムの主要部分は容易に想像できます。」

「世の中に影響を与えるためには、フィードバックが必要です。デザインとは共通認識を備えた人工物を作ることであり、それはフィードバックによって可能になります。」

この記事にもありますが、スリーマイル島事故の原因がUX/UIによるものかはハッキリしないものがあります。
たぶん一因ではあるのでしょうが、UX/UIの改善によって事故を防げたのかもハッキリしません。
著書はUX/UIについての本なのでそういう結論になるのだと思いますが、UX業界(そういう業界があれば)のマッチポンプのようなストーリーになっていないことを願います。

Lessons from the Scariest Design Disaster in American History >>

User Friendly: How the Hidden Rules of Design Are Changing the Way We Live, Work, and Play >>

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UXデザインの先駆者が語る「UXデザインはどこで間違ったのか?」

ユーザーフレンドリーなデザインは終わった

2021年9月20日 UX / UI

新旧のabc(アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー)のロゴ

ポール・ランドが1962年に制作したロゴ

シンプルなベタ塗りのベースして、アキを増やして、認識しやすくなったようです。
文字のシルエットは、より真円になってシンプルに。

ポール・ランドのオリジナルをちゃんと継承したうえで現代的にして、
でも「余計なことはしてない」という感じがいいです。

手掛けたのは Trollbäck+Company
メディア系の会社の文ランディングを多く手掛けてるみたい。

ポール・ランドのロゴをリニューアルする仕事って、どんな気持ちだろ。

Trollbäck+Company >>

abcのロゴの変遷はこちら
ABC Reimagines a Simpler Logo for a More Complex Era >>

元記事はこちら
ABC Retreats To Simpler Days With Modern Remake Of Designer Paul Rand’s Logo

一貫性を持たせながら幅広い展開を提供する「エクスプレッション・ジェネレーター」のようなシステムは、必須になってるのかな。

「ロールス・ロイスの伝統を尊重しつつ、増加する若年層や多様な顧客層にさらにアピールすることを望んでいました。ペンタグラムは、ロールス・ロイスのチームが策定した戦略に基づき、既存のブランドの各要素を慎重に見直し、デザインの理念、ブランドにとっての神聖なアイテム、顧客とのユニークな関係などについて検討しました。」

アールデコ調のロゴは古くささを払拭して上手く現代的にしてるようです。
「ダブル R バッジ」は使わなくしていく方向のようですが、ちょっともったいない感じもします。

ペンタグラム >>

ロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」の歴史についてはこちら >>

【関連記事】
ペンタグラムによる、AI企業 GRAPHCORE社 のビジュアルアイデンティティ。>>

「醜いデザイン」のすすめ

「デザインが整然と美しいのは陳腐である」という言説は、若者向けのブランディングに限ったことではないかもしれません。
クリーンでフラットでミニマルなデザインがすでに飽きられているという理由だけでなく、デザインの美の多様化についての言説のようです。

とても考えさせられる記事でした。以下は抜粋です。

「フォーマルなタイポグラフィを避け、コラージュを駆使して身代金請求書のようなものを作るパンクデザインは、パンクミュージックと同様に、既成概念への直感的な反発でした。モダニズムやスイス・インターナショナル・スタイル(ヘルベチカ、ユニバース、グリッドなど)のような、センスの良いデザインの形式的な制約はなくなっていました。」

「今日の美の基準を否定し、ある程度の派手さや「フィルターを通さない」美学を受け入れるブランドは、その真正性と大胆さで称賛されています。過去10年間を象徴するようなミニマリズムを否定し、リアルさを重視し、欠点を称賛するような、より親密な雰囲気を追求する人々が増えています。」

「ブランドが、違い、奇抜さ、不完全さ、弱さに根ざした方法で自らを表現するとき、「憧れ」のルートを歩んでいるブランドにはできない、親密さと包容力の感覚が生まれます。」

「美しさや伝統を排除したタイポグラフィは、より実験的なデザインへの移行を促し、ブランドがより大胆で新鮮な不完全さを感じさせる美学を創造する助けとなるのです。」

「・・・これらのMTVのデザインは、スローガンが ”I want my MTV ”から ”I am my MTV ”に変わったことを告げるものであるということです。それは、ユーザーを中心に据えたものです。ルールを遵守したセンスの良いデザインが、これほどまでに素直にユーザーを中心に据えられるとは考えにくいでしょう。」

The case for ugly design >>

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2021年9月10日 デザイン

「サステイナビリティとラグジュアリーを融合させる」というコンセプトがいいです。
新しいBNMWロゴが控えめなエンボスになってるのは、このコンセプトを体現してる感じ。

現在のクルマも90%以上はリサイクル可能らしいので、無理に100%にして別の環境負荷を引き起こさなければいいとも思いますが、「サステイナビリティとラグジュアリーの両立」というのは、いろいろな分野のデザイナーに課された課題なのかも。

BMW i vision circular debuts as 100% recyclable electric car at IAA 2021

ひとりの食事が多くなって、いつもポテトをつまみ食いする友達とマクドナルドで会うこともなくなって、迷惑だったつまみ食いも戻って来てほしい日常のひとつ・・・というメッセージ。

ミュージカル風に歌い上げてるのがいいです。コロナ禍のいい広告。

Quirky McDonald’s Canada ad celebrates the joy of friendship (and fries) >>

誇張されているとはいえ、私たち自身についてのドキュメンタリーだというのが面白そうです。無料にする姿勢もいいです。見たみたいです。
日本語字幕版のタイトルは『監視資本主義:デジタル社会がもたらす光と影』・・・ちょっと内容と違うような気もします。

Netflix Releases Full ‘The Social Dilemma’ Docudrama Online For Free

2021年8月30日 映像・映画

Google Design Lab

Googleの約150人のハードウェアデザインチームは新しい極秘のデザインラボで、次期Pixel PhoneやGoogle Homeアシスタントなどの新しい製品のデザインに取り組んでるそうです。

このデザインラボの開設にあたりグーグルの副社長兼ハードウェアデザイン担当のアイビー・ロスは、デザイナーが実際に手に取って読める紙の本を置いた図書館を設けたそうです。

各デザイナーは、自分の人生に最も影響を与えた6冊の本を持ち寄り、表紙の内側にその本についての一行を書き添えたそうです。
アートやデザインに関するレアな本もあれば、子供向けの絵本や文学作品もありました。

下記のURLでその一部が紹介されています。
デザイナーが書き添えた一文も一緒に紹介されていて、おもしろいです。
Google has a secret design library. Here are 35 of its best books >>

安藤忠雄、深澤直人、「タンタンの冒険」や「チーズはどこへ消えた」とかも入ってます。
オトル・アイヒャーの「アナログとデジタル 」
「デザイン・ノワール:エレクトロニック・オブジェクトの秘密の生活」
「I Miss My Pencil: A Design Exploration」
「The Senses: Design Beyond Vision (design book exploring inclusive and multisensory design practices across disciplines)」
は読んでみたい気がしました。

Google Design Lab ってこんなところのようです。うらやましい環境です。
Ivy Ross creates Google Design Lab at company’s Silicon Valley headquarters >>

2021年8月26日