凝りに凝った展示機器によるシンプルなインスタレーション。
フィールドレコーディングの音も良かったです。
19世紀の時代の世界観とインターネット後の世界観が静謐に詩的に展示されていて、とても美しかったです。

少しだけ懐古的に感じがありました。
その一方で、この半年くらいのインターネットで起こってることの激しさがわかる気がしました。

ダムタイプ|2022: remap >>

スウェーデンのオーディオビジュアルアーティストで木工作家のLove Hulténさんの作品。

カスタムシンセサイザーは幅広い機能を備えた電子楽器で、リアルタイムで反応するユニークなMIDIビジュアライザーが搭載されているそうです。

素敵なガジェットです。

Extravagant Sound Installations by Love Hultén Use Custom Synthesizers and Visualizers to Create Elaborate Audiovisual Mashups >>

ロンドンで始まったこのブリックアートインスタレーションは、ミラノ、メルボルン、ニューヨーク、ソウルなどで、2022年3月の毎晩20:22に上映されます。

日本では東京新宿大ガード近くのユニカビジョンで上映されてるようです。

「想像することは、そこに到達する方法について異なる意見がある場合でも、私たち全員ができること。」だそうです。

CIRCA >>

Yoko Ono interrupts the world’s biggest screens to share a message of peace >>

使い捨てスプーンのインスタレーション『Spoon Archaeology』展示風景

使い捨てスプーンのインスタレーション『Spoon Archaeology』展示

ロンドン・デザイン・ビエンナーレでは、何百本もの使い捨てのスプーンが展示されたそうです。
良いデザインであっても悪い結果をもたらすことがあること、そして必要なシステムの変化についての会話を促すためのインスタレーションです。

この展示を手がけたピーター・エッカートとカイ・リンケは、自分たちのコレクションの何百本ものスプーンを自然史博物館で化石や蝶の種類を展示するようなガラスケースに展示しました。
この展示は使い捨てスプーンのデザインの素晴らしさを紹介しながら、同時に、革新的なデザインであっても、デザイナーが安易で短期的な解決策を重視すると、破壊的な結果を招くことがあるというメッセージでもあります。

ロンドン・デザイン・ビエンナーレのドイツ館をキュレーションし『Spoon Archeology』を選出したトーマス・ガイスラーによると、「私たちは、誰もが単純な答えを求めている時代に生きています。しかし、私たちが直面している問題は複雑で多面的なものであり、複雑な解決策が必要です。即効性のある解決策ではなく、体系的で構造的な変化を推し進める必要があるのです」。

The secrets behind the plastic spoon: a ‘perfect’ design with terrible consequences >>

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ライプニッツとか読んだことないので作品の本当の真意が把握できている確信がありませんが、おもしろかったです。なぜか遠い昔の学生時代の友人の部屋を思い出しました。

メッセージではなく思索をその軌跡とともにそのまま提示する作品のようで、哲学や文学をテーマにして参照したテキストや画像の洪水のようでした。雑多で豊かな物語に囲まれる感じ。

こういう雑多で魅力的な情報が溢れかえるおもしろさは、雑誌や書籍からインターネットに移行していった気がします。そしていまインターネットもまた様子が変わってきている感じがしています。

カミーユ・アンロ | 蛇を踏む >>

ロンドンのバービカン・センターの「AI: More than Human」という展覧会の入口に設けられたインスタレーション。
訪問者の動きを学習して形態を進化させるようです。最終的には47000のバリエーションになったとか。

手掛けたのは、Universal Everything というメディアアート・デザイン・スタジオ。

他の作品も素晴らしいです。

元記事はこちら
Universal Everything Creates Interactive Digital Installation for Barbican >>

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若い作家さんかと誤解していましたが、大阪万博のパビリオンも手掛けた50年近いキャリアのある方でした。
ロマンチックなモチーフの霧ではなくてノズルの技術開発などテクノロジーのチャレンジを伴う作品でした。ビデオ・アートやメディア・アートの先駆けの作家さんでした。
霧の風景を観賞するというよりも、霧に包まれる体験の楽しいインスタレーションでした。

最初の展示室では世界各地でのインスタレーションの美しい霧の映像が大きなスクリーンに映し出されていました。
おもしろかったのは設置されたスピーカーから「シュー」という噴霧ノズルの音が流されていて、たしかに、この音がないとこの展示の意味は違ってくると思われます。

後半の展示の《ユートピア Q & A 1981》(1971) では、1971年の10年後の未来がどうなっているのかを世界4都市をテレックス通信で繋いで討論した記録が展示されていました。そこには現代社会に繋がるビジョンがある気がしました。

別の機会があるなら、ぜひ夏の季節に自然のなかで見たいです。

水戸芸術館 『霧の抵抗 中谷芙二子』 >>

美術手帳 | いつでも変わることができる。霧のアーティスト・中谷芙二子が「霧の抵抗」で伝えたいこと >>

水戸芸術館での展示、もう終了なので見てきました。
繊細で密やかで、思ってたより来場者が多かったです。

自然光の移り変わりによる作品の見え方の変化を観察して体験するような居心地よい展示でした。

できれば来乗客がほとんどいないガラガラの会場で、ひとりで2時間ほど見ていたい感じでした。

内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える|水戸芸術館 >>
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=501

メディア・アーティスト Refik Anadol さんの作品
ARで「データ・スカルプチャ」っていいコンセプト。
どうやってるのかよく解りませんが、なんかスゴいです。実物見てみたい。

被験者に特定の思い出を思い出してもらって、そのときの脳波を計測したデータからビジュアライズしているようです。
解説があるのですが、難しいことが英語で書いてあるのでよく解らないです。

日本でも展示してほしい。

Melting_Memories

くわしくはこちら
Behance >>

Refik Anadol >>

ポーランドとドイツのアーティスト、カリーナ・スミグラ・ボビンスキーさんの『ADA』という作品。
心地よさそうです。

居合わせた人たちの体験をともなう作品だけど、まったくのアナログで成り立ってるのがいいです。
色がないのも好み。

日本でも展示すればいいのに。

KARINA SMIGLA-BOBINSKI >>

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