とても相応しいアイデンティティ。
Cohere は企業向けに言語AI開発支援をする会社。

「言語AI(自然言語処理、NLPとして知られる)を最先端の実験技術の領域から、今日のビジネスニーズにもたらすことができるビジュアル・アイデンティティ。」という課題に、「新しい自然」というコンセプトで、ボロノイ図を利用してアイデンティティを確立しています。

使いやすそうなCohereの書体はヘッドライン版、アウトライン版、テキスト版、モノラル版があって、ヘッドライン版は、ボロノイ図の分裂線が入ったフォルムになってます。
ワードマークもCohereの書体を使って作られて、細胞分裂のようイメージになってます。
カラーパレットは、自然を感じさせるナチュラルな色調と、コンピューティングにつながる合成色調。

コンセプトが明確でありながら柔軟なアイデンティティ。こういうことができるのがいい。

Pentagram >>

cohere >>

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議員の活動で動きつづけるドイツの自由民主党議員の新しいアイデンティティ『The Moving Parliament』>>

ペンタグラムによる、AI企業 GRAPHCORE社 のビジュアルアイデンティティ>>

バーバリーの新しいビジュアル・アイデンティティ

ピーター・サヴィルのミニマルなアイデンティティも良かったのですが、この5年から10年のファッション業界のブランディングはミニマル志向になりすぎていたかもしれません。
いいタイミングでのリブランディングで、装飾的な騎士のシンボルとセリフのロゴは、安心感と親しみを持って受け入れられたようです。

ブランド・キャンペーンの写真には、英国らしいロケーションとモチーフが登場しますが、ユニオンジャックのような政治的なイメージは避けているそうです。
一人の人物をスナップショット風に写した写真は、SNSで映えるし、ブランドが個人の価値観に根ざしていることをうまく表現してるような気がします。

Does Burberry’s redesign signal a new chapter for ‘British’ symbolism? >>

残念なポルシェのNFTデビュー

まず価格が高すぎて批判されていますが、ラグジュアリーなイメージにしているのも失敗かもしれません。

ブランドがWeb2からweb3への転換してコミュニティを構築することの難しさ・・・
なにか少しだけわかったような気がします。

よくわからないので、詳しくは記事の末尾のリンクでどうぞ。
ブランドとしては酷い結果になった印象ですが、糧になる失敗であり、学ぶことが多いケースな気がします。いまはまだ、誰もこういうことのコンサルティングはできないかも。

批判だけでなく好評もあるようです。
NFTを購入した911(実車)オーナーのブログ記事からはポルシェ愛が感じられます。

ポルシェ、NFT発行を停止──価格設定などに批判 >>

ポルシェNFT、フロア価格が上昇──発行停止による供給減が後押し >>

残念なポルシェのNFTデビュー:Web3参入を目論む大手企業への教訓【コラム】 >>

ポルシェ911(992)増車 >>

続PORSCHE NFTの件 >>

Join Porsche’s journey into Web3. >>

Web3、NFT、メタバースへの正しいブランド戦略についてfrog designからのアドバイス

frog designのスペンサー・スコットさんによる記事です。
Web3は企業やブランドが率先して取り組むべきことなのか?・・・という気もしますが、こういう記事が少しリアルに感じられるようになりました。
スペンサー・スコットさんは、Web3、NFT、およびメタバース領域における、frog designの視点、能力、および提供メニューの構築に取り組んでるそうです。

以下は抜粋です。

「Web3 とメタバースの出現は、すでにあらゆる分野の企業に対して、オムニチャネルからメタチャネルへの進化を求めるプレッシャーを与えています。この急成長する領域で最高のエンゲージメントと価値を創造するためには、ビジネスとブランドの正しいメタ戦略の必要性が今、必須となっているのです。」

「オムニチャネルとは、一般的に、デスクトップ・ブラウザー、モバイル・デバイス、実店舗の間でシームレスな顧客体験を提供することに焦点を当てた、エンゲージメントとセールスに対するマルチチャネル・アプローチです。」

「世界は今、私たちが「バーチャルライフ」と呼ぶものの出現により、新たな破壊的変化を体験しています。私たちは、没入感のあるオンラインの世界は、物理的な世界と同等かそれ以上の価値を提供する態勢にあると信じています。このトレンドは、最近の多くの技術革新によって可能になり、推進されています。」

「それは、新しい消費者のニーズ、行動、資産、コミュニティ、製品、チャネルを生み出すでしょう。このような環境の中で、いかにして顧客とつながり、関わり、販売する新しい方法を生み出すかが、未来に向けて競争しようとする企業に今求められているのです。」

小売としてのNIKE、ソーシャルとしてのMeta、テクノロジーとしてマイクロソフト の事例をあげています。
そのうえで、ブランドがWeb3 やメタバースに取り組むには、以下の原則を考慮する必要があるとしています。

■人間との関連性を高める
顧客のニーズやライフスタイルを核として、人間中心のレンズで戦略的に実験するのが大切だそうです。

■ デザインで普及を促進する
メタバース固有のビジュアル言語、インタラクション、カルチャーを取り入れることが大切だそうです。

■コミュニティを形成するエンジニアリング
Web3関連のテクノロジーとそれを取り巻くカルチャーは、コミュニティ指向です。
この分野で新製品やサービスを展開するには、コミュニティ創出のためのプランが必要になるそうです。

■柔軟に学習する
継続的な意思決定のためのデータ収集が必要です。
現状は硬直した永久的なものではなく、実験場として扱われるべきです。
よりよい明日を築くために今日学ぶことが重要だそうです。

手探りで混沌とした感じですが、未来に少しだけ希望が見えるような記事だと思います。

From Omni to Meta: Are you ready for virtual life? >>

20世紀カウンターカルチャーのアイコンだった「ワーゲン・バス」がカーボンニュートラルになって登場。2022年5月にヨーロッパから発売開始だそうです。販売面では商用の『ID.BUZZ Cargo』が主力になりそう。

サイズはかなり大きそうですが安全装備満載で、シルエットや着座位置はワーゲン・バスのイメージを色濃く残してます。

電気自動車としてのプラットフォームは他車種と共用。
ワーゲンバスもビートルと共有されていたので、そこは変わってないようです。

ワーゲンバスは1950年から2013年まで生産され、生産終了時にはトリビュート・ショートフィルムも制作されました。
おばあちゃんの声で思い出を語るのは、世界中で愛されたこのクルマのキャラクターに相応しくていいです。

【関連記事】

フォルクスワーゲンによる『Kombi』のためのトリビュート・ショートフィルム >>6

伝説的なフォルクス ワーゲンビートルの広告のドキュメンタリー『Remember Those Great Volkswagen Ads?』

httpsDer neue ID. Buzz >>

元記事はこちら
nostalgia meets the electric era — volkswagen debuts the ID. BUZZ microbus >>

OpenWebはパブリッシャー(出版社)向けのプラットフォームだそうです。
出版社のサイトのコメント欄は、かつては共通の興味や関心に基づいた議論がされてコミュニティが形成されていましたが、その舞台はソーシャルメディアに移り、横行する「荒らし」によって機能しなくなりました。
これは出版社のビジネスだけの問題ではなく、教育や認識を歪める有害なコミュニケーションとして社会的/文化的な問題となっています。

そこでOpenWebは、オンライン上での「会話」を健全なものにするためのプラットフォームを提供するそうです。
出版社のウェブサイトの「コメント」セクションを再構築することで、ユーザーをソーシャルメディアプラットフォームに奪われることなく、出版社が会話をホストすることを可能にする。
ユーザーを登録ユーザーに変え、出版社に持続的な収益をもたらし、重要な広告収入がソーシャルメディアの独占企業に流れるのを防ぐ。
という狙いのプラットフォームになってるそうです。

ネット上のポジティブな会話がもたらす波及効果によって、社会全体に利益をもたらすかもしれません。
すばらしいチャレンジだと思います。

このOpenWebのアイデンティティを、ブランディング会社のCOLLINSが手掛けているそうです。
このブランディングに必要なことは・・・
「OpenWebは信頼できる価値あるパートナーとして理解される必要がある」
「OpenWebは出版社の成功に深く関わる企業として認識される必要がある」
と定義して、そのアイデンティティは「重厚さ」「緊急性」「理想主義」を込めてデザインされているそうです。(なるほど、上手いです。)

シンボルはOpenWebの象徴であり、オンラインでの会話の質を向上させるという使命を表しています。
異なる見解の中に存在しうる交流、啓発、調和をイメージさせるデザインになっています。

文字によるコミュニケーションを中核とする企業であり出版社のパートナーとしてのイメージを持たせるために、20世紀初頭の新聞見出しのタイポグラフィのスタイルを借用しているそうです。
そのタイポグラフィで届けられるメッセージも、信頼感を持ちながらも挑発的な、20世紀の新聞記事のイメージになってるようです。

COLINSはOpenWebのUIやダッシュボードのデザインも手掛けているようです。
(ブランディング会社って、そういうデザインも手掛けるようになったんですね。)

OpenWebのブランディングについてくわしくはこちら >>

OpenWeb >>

COLLINS >>

Collins looks to eliminate online trolls with a new identity for OpenWeb >>

関連記事
広告会社「オグルヴィ&メイサー」が「オグルヴィ」に社名変更して新しいアイデンティティとロゴを発表 >>

ホルベインの新旧ロゴ

懐かしいロゴが新しくなるそうです。なんかちょっと残念な気もします。

コーポレートブランドマーク・ロゴタイプリニューアルのお知らせ >>

Metaのロゴ

以下は抜粋ですが、ブランディングとデザインの専門家の意見だそうです。
Facebookは嫌いだけど、新しいアイデンティティは嫌いになれない・・・という感じのようです。

「すべてのリブランドに言えることですが、新しいアイデンティティは、ビジョンと価値観の進化を表すものでなければなりません。彼らのビジョンは明確ですが、素晴らしい名前と実に魅力的なロゴ以外にも、もっと見るべきものがあればと思います。」

「漠然としていて広大なアンブレラネームで、彼らが参入しようとしている分野を網羅しています。その点ではスマートな戦略だと思います。持ち株会社がFacebookという名前を持つことは、限定的すぎて十分な効果が得られませんでしたし、Facebookという名前にはすべてのお荷物がついています。」

「長期的には何の意味もありません。とはいえ、このロゴはとてもクールです。メタバースのイメージを表現しています。」

「道徳的には、FacebookはやはりFacebookです。」

「名前として、そして戦略的なアイデンティティとして、それはシンプルで素晴らしい解決策です。GoogleがAlphaとBetaを合わせてAlphabetという社名を選んだように、MetaはFacebookが未来に向けて定義した野心的な計画にぴったりです。」

「Facebookは企業イメージの問題を抱えています。心の底では、これはリポジショニングの努力だと思っています。若いオーディエンスとの関係を取り戻す必要があるのです。」

Metaのロゴタイプは良いと思えないけど、シンボルマークは良いと思います。
Facebookのイメージカラーを引き継ぎながら、「無限」のイメージと「M」の字形を連想させる形態は適切だと思います。

また、別のtwitterで、下記の投稿を見かけました
「これに文句を言うのが流行ってますが…、私はスティーブンソンやギブソンなどを読んで育ちました。そしてメタバースのアイデアは何十年も私の心に残っています。この計画が合法的な行動を考えられない人の手に渡ってほしくないと思っています。・・・・申し訳ありませんが、 私が知りたいのは、最も影響力のあるインフルエンサーの意見ではなく、その話題で最も賢い人の意見です。」
メタバースのアイデアが正しく運用されてほしいと思います。

元記事はこちら
You might hate Facebook’s new name, but branding experts (mostly) love it. Here’s why >>

新旧のabc(アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー)のロゴ

ポール・ランドが1962年に制作したロゴ

シンプルなベタ塗りのベースして、アキを増やして、認識しやすくなったようです。
文字のシルエットは、より真円になってシンプルに。

ポール・ランドのオリジナルをちゃんと継承したうえで現代的にして、
でも「余計なことはしてない」という感じがいいです。

手掛けたのは Trollbäck+Company
メディア系の会社の文ランディングを多く手掛けてるみたい。

ポール・ランドのロゴをリニューアルする仕事って、どんな気持ちだろ。

Trollbäck+Company >>

abcのロゴの変遷はこちら
ABC Reimagines a Simpler Logo for a More Complex Era >>

元記事はこちら
ABC Retreats To Simpler Days With Modern Remake Of Designer Paul Rand’s Logo

一貫性を持たせながら幅広い展開を提供する「エクスプレッション・ジェネレーター」のようなシステムは、必須になってるのかな。

「ロールス・ロイスの伝統を尊重しつつ、増加する若年層や多様な顧客層にさらにアピールすることを望んでいました。ペンタグラムは、ロールス・ロイスのチームが策定した戦略に基づき、既存のブランドの各要素を慎重に見直し、デザインの理念、ブランドにとっての神聖なアイテム、顧客とのユニークな関係などについて検討しました。」

アールデコ調のロゴは古くささを払拭して上手く現代的にしてるようです。
「ダブル R バッジ」は使わなくしていく方向のようですが、ちょっともったいない感じもします。

ペンタグラム >>

ロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」の歴史についてはこちら >>

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ペンタグラムによる、AI企業 GRAPHCORE社 のビジュアルアイデンティティ。>>