今日、デザイナーであることの意味について

Tom Lloyd

ロンドンのデザインオフィス『Pearson Lloyd』の共同創業者のトム・ロイドのエッセイです。
これからのデザインの課題について秋岡芳夫に通ずるような明快さでわかりやすいメッセージです。
このような意見をいくつか見かけるようになりました。そういうトレンドが始まっているということなのでしょうか。

いくつか抜粋です。

「コロナ禍は私たちの生活のすべてを根底から覆し、その過程で変容の引き金として作用しているのです。都市は再形成され、コミュニケーションは再定義され、仕事は再構築され、そしておそらくパンデミックは、より根本的なシステムの変化のための触媒となることでしょう。」

「これらのデザインを取り巻くプロセスやシステムは、過去25年間に私たちが経験した驚くべき変化を反映しており、これ以上ないほど異なっています。私たちがなぜ、そしてどのように物事を適切に作るかについて議論することは、今や毎日の仕事の一部となっています。生産、流通、所有、消費のモデルはすべて流動的です。」

「デザインの歴史において、『付加価値』というテーマには共通の物語が存在します。おそらく、20世紀半ばのレイモンド・ローウィのようなデザイナーに最もよく関連しているのは、デザインが製品にもたらす価値で、製造されたものをより好ましく、より効率的に、より売りやすく、そしてもちろん、より収益性の高いものにすることに関係しているということでしょう。今日、デザインの役割は価値を付加することに変わりはありませんが、その価値提案は再定義され、再整理される必要があるのではないでしょうか?」

「製造と私たちの関係の構成要素やデザインの語彙は、再定義されつつあります。
新しさから長寿命へ
直線から循環へ
抽出型から再生型へ
排他的なものから包括的なものへ
所有から共有へ
デザインからコ・デザインへ
人間中心から自然中心へ」

「デザインは柔軟な技術なのです。私たちは研究者であり、日和見主義者であり、楽観主義者であり、起業家であり、メーカーであり、思想家であり、いじくりまわす人であり、コミュニケーターであり、そして何よりも総合的な人なのです。私たちは複雑性を管理することが得意です。私は、私たちがデザインの力を反映し、称え続け、その関連性と私たちの集合的な未来へのポジティブな貢献を主張し続けられることを望んでいます。ブリーフは書き直されます。それに応えるのは私たち全員なのです。」

元記事はこちら
Tom Lloyd: “What does it mean to be a designer today?”

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2021年12月27日 デザイナー