クリエイティブな労働が「リアルな労働」と見なされない理由

・・・そしてそれはアーティストやデザイナーにとって何を意味するのか?

人類学者でイラストレーターのジュリアン・ポスチュールさんが、ルネッサンス時代のアートから今日のAIによるデザインまでの歴史を俯瞰して、その理由を解き明かして可能性のある解決策を提示しています。

いくつか抜粋です。

「芸術の歴史は労働の消去の歴史である」

「19世紀は、ロマン派の芸術家たちが自然や情緒の混沌に関心を寄せる一方で、産業革命によって肉体労働者たちがますます搾取的な労働を強いられていた時代である。かつてないほど、芸術家は生産的な労働者とは正反対の非生産的な存在として位置づけられた。産業界のアーティストが労働について批判的に考えることができなくなったことに加え、この歴史はアーティストと労働者階級の間に誤った二分法を生み出した。」

「創造性は劣悪な労働条件を正当化し、劣悪な労働条件は創造性を抑圧する。」

「デザイナーは、制作した作品が実際に良いポートフォリオ作品になるように、それに比例して報酬がどんどん下がっていくサイクルの中で一生懸命働くことになる。結局のところ、その作品が優れているかどうかは、労働者に労働に費やす時間を増やすことを強いるという点以外では、重要ではない。」

「クリエイティビティと労働をひとつのまとまりとして考えることができないために、クリエイターは他の産業で働く労働者のように組織化する能力を失ってしまう。」

「1980年代以降、アメリカでは労働組合の力と社会的認知が劇的に低下し、クリエイティブ産業(成功のモデルとして例外的な個人を称えることが大好き)もまた、クリエイターの現実の集団性を消し去ることに加担している。」

「配管工に常に残業や露出労働を求める人はいない」

「協同組合モデルでは全員がスタジオを成功させるための共通の理解やインセンティブを持っている。と同時に、時間外に仕事をする必要があると私たちに言う力を持つ人はいない。」

「クライアントは通常、労働者が自分の賃金に関する情報を共有することを抑制する。それは、クライアントが個人に対して低賃金を支払ったり、デザイナー同士を底辺への競争で対立させたりすることを可能にするからだ。これは、若手デザイナーや、社会から疎外された労働者階級出身の労働者を最も苦しめる。・・・クライアントが同じような仕事に対して他の人にいくら支払ったのかを知ることは、競争や低入札の文化をなくすための重要なステップである。」

「クリエイターたちは、ロマンティックな自己表現のために、多くの労働の危険信号を無視したままになっている」

「公正な報酬や健全な労働条件なしに好きなことをすることは、私たちをますます疎外し、個人生活と職業生活の区別を曖昧にし、多くの犠牲を正当化する一方で、物事を変えることができないままにする。」

「私たちは「良い仕事」をすることが経済的成功につながると言われてきたが、本当はその逆なのかもしれない。大規模な集団組織化、労働者主導の構造、知識の共有の助けによって、私たちはより良い労働条件と、より美しく充実した創造的な仕事を達成することができる。」

社会全体としてガバナンスが重視されるなかで、クリエイターだけが野蛮な業界の孤立した存在にならないように願いたいです。
クライアントとクリエイターの取引にも、サステナビリティや透明性のチェックが働くようになって欲しいです。
そうしないと、誰もいなくなりそうな気がしてます。

Why creative labour isn’t always seen as “real work” – and what that means for artists and designers >>

インスタグラムはもうダメ...クリエイターは次にどうする?

インスタグラムはリーチとエンゲージメントにおいて、もうビジネスの役に立たないそうです。
そこで、注目を集めるための代替戦略についての記事です。
ますます信頼できなくなるソーシャルメディア・プラットフォームに頼るのではなく、クライアントとつながり、ビジネスを成長させるための戦略について、時間をかけて見直すことがお勧めされています。
アプローチを多様化し、より直接的で人間関係を構築する戦術に集中することで、ソーシャルメディアの状況が進化し続けても、より成功しやすくなるとのことです。

以下のような7つのアプローチが紹介されています。
部分的な抄訳です。

1. ニッチを絞り込む
自分のサービスを売り込む場所を厳選することで、自分の専門知識にぴったり合う適切な顧客に確実にアプローチできます。つまり、「人数の多さ」よりも、適切なコネクションを作ることの方が重要です。

2. ポートフォリオを充実させる
あなたの仕事がクライアントのニーズにどのように応えているかを示す、詳細で最新のケーススタディを含めることです。
そのためには時間がかかる……と多くの人は思っています。しかし実際は、インスタグラムに投稿し続けなければ、突然、多くの時間が出現するのです。

3. 出掛ける
興味のある地元のクラブやグループに参加して、普通に人と話すこと。自分を売り込んだり、自分のサービスを押し付けたりせず、ただ人脈を作ること。
「友達を作るためにクリエイティブな集まりに行く」とアドバイスするのはそのためです。あなたのネットワークは、あなたのために何かをしてくれる人だけではありません。
「人は知っている人にお金を使います。あなたが有名人でない限り、DMで100万の取引を成立させることは事実上不可能です。だから、外に出て人に会うべきです。ワークショップのファシリテーターをしたり、講演をしたり、イベントに参加したり。私の最高の顧客はすべて、実際に会った人か、個人的に知っている人から勧められた人です。」

4. ローカルにフォーカスする
インスタグラムが素晴らしいのは、世界中の人々とつながることができることです。
しかし実際には、ビジネスに関しては、もっと身近なところに目を向けたほうがいい。
(ここで言う「身近」は親密さや地理的な近さに限らないようです。)

5. 他のクリエイターとパートナーシップを築く
補完的なサービスを提供する他のフリーランサーとのコラボレーションは、単に楽しいだけでなく、賢いビジネスの動きにもなり得ます。
このように戦略的パートナーシップを築くことで、新たなオーディエンスを開拓し、双方に利益をもたらす相乗効果を生み出すことができます。

6. 人々に直接連絡する
あるグラフィックデザイナーは「新しい個人プロジェクト(印刷物?)ができあがったら、みんなにEメールで知らせるつもりです。」と言います。
「現在のクライアントや代理店、LinkedInで見つけた面白い人たちなど、さまざまな人に送ってみます。デジタルファイルよりも簡単に削除されないし、iPhoneの画面ではなく、意図したサイズで見てもらえます。」

7. 紹介を促す
単純に以前のクライアントに紹介を依頼するのはどうでしょう?
「Xのお仕事は素晴らしいですね。もしYやZを探している人脈をご存知でしたら、ぜひお手伝いさせてください。」
最初はぎこちなく感じるかもしれません。しかし、うまくやれば、褒め言葉として受け取られ、新しい人脈を作る方法になるかもしれません。

「あなたの業界の人々のために顔を出しなさい。・・・自分がコントロールできないアプリのために素早くコンテンツを作るのではなく、時間をかけて開発する仕事を作りなさい。」

個人的な印象ですが・・・
昭和っぽくて古臭く、非効率に感じるかもしれませんが、こういうことが自然にできるクリエイターは仕事上で信頼されると思います。
AI後の世界でも「人がデザインする」ことを仕事にするなら、こういうことはさらに大切になるかも。
このアプローチがそうであるように、多くの企業やブランドにとっても「より多く」というコンセプトは終わりつつある気がします。
クライアントとしても、有名だったりキラキラしていることよりも「適切なユーザー」と「永く良好な関係」を作るセンスを望んでいるかも。

Instagram is dead to us… so what’s next for creatives? >>

Billion Dollar Boyによる架空のキャラクター

実際にAIツールをどのように利用しているのか、大小さまざまな25以上のクリエイティブエージェンシーにヒアリングしたそうです。
カンプやイメージボードの作成「だけじゃない」という感じです。
AIの利用について学ぶ点が多いですが、AIの利用の全てに著作権問題があることを認識する必要がありそうです。
あなたが気づいていなくても、クライアントにパクリを提案することになるかもしれません。

以下は部分引用です。

「私たちはちょうど1年前、『DALL-E』でAIを使い始めました。それは私たちの度肝を抜きました。それ以来、AIを使うことが多くなり、AIなしで仕事をすることは考えられません。」
エージェンシーの大半から同じような話を聞きました。しかし、エージェンシーは一般的にフィニッシュワークにはAIを使っていません。

「MidJourneyのようなAIツールは、このアイデア発想のプロセスを合理化し、クリエイティブなアイデアに命を吹き込んでくれます。例えば、私たちはこの架空のキャラクター(このページのトップに掲載)を、実在のインフルエンサーと融合させて視覚化することで、ブランドの担当者がコンセプトを理解しやすいようにしました。」

「プロジェクトをスタートさせるために、クライアントとのコミュニケーションがスピードアップします。私たちの想像では簡単にイメージできることでも、コンセプト・アートを作るために手助けが必要なこともあるのです。例えば、中東の銀行のプロジェクトでは、AIイメージジェネレーターをツールとして使い、商品の個性を捉えたアートの方向性を明確にしました。生成された画像は、商品の写真撮影を行う際のブリーフとなりました。」

絵コンテは、AIのもうひとつの一般的な用途です。
「絵コンテにAIを使うことで、プロジェクトの脚本段階で、カメラアングルやフレームコンテンツを比較的簡単に探索することができます。絵コンテ・アーティストに依頼しなくても、コンセプトやアイデアを試すことができます。」

AIは通常クリエイティブなプロセスの一部として使われるものであって、最終的な結果を生み出すものではないことを強調してきました。しかし、例外もあります。今現在は、主にキャンペーンがユーモアに基づいたものである場合です。
「ポリー・マーズというバーチャルなインフルエンサーを作りました。ポリー・マーズは、彼女が住む世界における使い捨てプラスチックの破壊的な存在に気づいていません。彼女の冒険をインスタグラム で追うことができます。」
https://www.instagram.com/polly.mers/

「複数の人が共同作業をしている場合、それぞれ異なる文章やコピーのトーンを持っています。このコピーを次のようなプロンプトでChatGPTに渡すだけで、統一されたアウトプットを作成できます。『このコピーを簡潔に、パンチを効かせ、トニー・スタークのようなエネルギーとトーンで』大幅な時間節約です。」

「After Effectsのコンテンツ管理とファイル構造を支援するプラグインを開発しました。このプラグインの80%はChatGPTで作成して、残り20%はチームで専門的に作成しました。このプラグインは、モーションチームのワークフローにおいて極めて重要なコンポーネントとなり、大幅な時間短縮をもたらし、プロジェクトマネージャーや他のチームメンバーのフラストレーションを著しく軽減しました。」

「AIツールを積極的に活用することは、デジタルデザイナーに新たな機会をもたらす。かつては手間と時間のかかる作業だったものが、今ではRelume.ioのようなツールによって加速されている。Relume.ioはワイヤーフレームとサイトマップを生成するツールで、代替物ではなくデザインの「味方」として販売されている。このような生成的なサポートが、AIプラットフォーム、プラグイン、ツールの最良の使用例である理由は明らかだ。」
https://www.relume.io/

「AIを使いこなす上で重要なことは、AIはアイデアを生み出すためのツールであって、アイデアを生み出してはくれないということです。若いデザイナーだけでなく、デザイナーにとって、PinterestやGoogleでアイデアを探すのと同じように、AIを使ってアイデアを出してもらうことは、誘惑の罠です。この誘惑を避け、代わりにAIを活用して独創的なアイデアを強力な方法で実現することが、私たちの目標であり、すでにその効果を目の当たりにしている。」

「AIは制作をスピードアップさせるが、それに取って代わるのではなく、創造性を高めるツールとして認識することが不可欠だ。アウトプットが均質化し、似たようなソースから引き出されることで、クリエイティブが融合し、停滞する危険性が懸念される。しかし、怠惰なデザインはこれまでも存在したし、これからも存在するだろう。私は、AIが私たちクリエイターをさらに知的で、共感的で、自由な存在へと押し上げてくれると信じています。一言で言えば、人間的だ。」

「AIは素晴らしい協力者ですが、AIがあなたの課題を解決し、美しく完成されたデザインを提供してくれるとは期待しないでください。ブリーフにぴったり合った真にユニークな結果を得るためには、人間の介入が必要です。クリエイティブ・ディレクターの視点から見たAIの主な利点は、新しい可能性、アイデア、スタイルに心を開くことができ、同時に膨大な時間を節約できることです。」

Special report: how design agencies are actually using AI in 2024

twitterで見かけるループアニメーションの作者ルーカス・ザノットさんのインタビュー。
NFTで作品を売って1万ドルの収益があったそうで、その経験について話しています。
うらやましいだけの話ではなく、アーティスト活動と作品とマーケットについての話でもあります。

イタリア出身のザノットさんは、子供向けアプリブランド「Yatatoy」の共同設立者であり多方面で活躍するクリエイターです。
4年ほど前、ザノットさんは自分のアニメーションをツイッターなどのソーシャルメディアに投稿し始めました。自分が好きで作っていたものの、他に行き場のない短いループアニメーションの作品でした。

「その結果、多くの人に見てもらえるようになり、それがやりがいになって、多くの仕事を得ることができました。しかし、私はいつも ”これをどうにかして収益化できないだろうか ”という疑問に悩まされていました。私はたくさんの時間をループアニメーション注ぎ込んでいるので、それだけで生きていきたいと思っています。」

「ポスターを売ろうとしましたが、正直なところ、ポスターを数枚売るのはあまりにも面倒です。印刷代を払うと2〜3ドルにしかならない。長期的な収入にはなりません。」

2020年の9月頃、ザノットの友人がNFTの話をしてきました。NFTで作品を販売すれば、「クリエイター・シェア」と呼ばれるオプションで自分の名前を署名することができ、最初の販売だけでなく、作品の価値が高まったときには、その後のすべての販売額の一部を収益とすることができると知って、やってみることにしたそうです。ちょうどNFTがブームになりかけた頃だそうです。
ザノットさんが最初のループアニメーションの作品集をNifty Gatewayに出品したところ、10分で約1万ドルで売れたそうです。

売れたのは喜ばしいですが「NFTとの関連性がアーティストとしての評価を下げるのではないか」「デジタルアート売れたことで、他の媒体での作品が真剣に受け止めてもらえなくなるのではないか」と考えたそうですが、1ヶ月間考えてNFTを復活させ、その後も安定したペースで作品を発表し続けているそうです。
彼は戦略的に作品をリリースし、オークションサイトでのNFT市場の動きを研究しているそうです。

「正直に言うと、これはゲームです。アート自体はそれほど大きな役割を果たしていません。人脈と名前で勝負するのです。・・・インスピレーションを感じたコレクターを見つけて、最初の作品を安く買い、2作目を(もっと)高く買う。その大きな買い物で、突然、他のコレクターが興味を持ち、次の作品を買うのです。」

これは伝統的なアートの世界のそれと「まったく同じゲーム」だと、ザノットさんは指摘しています。
アートの価格を上げるのは大富豪や億万長者であって、それ以外の人たちではない。ダミアン・ハーストがブレイクしたのは、広告代理店「サーチ・アンド・サーチ」創業者のひとりのチャールズ・サーチが彼の最初のホルマリン漬けの彫刻作品の制作に興味を持ち、資金を提供したときでした。

ザノットさんはNFT市場の構造について深く理解しようとしているようです。
初期のNFTの多くはひどい作品が多かったと思うかもしれませんが、ザノットさんによるとそれらは市場の需要に応えていただけだそうです。
初期のNFTの多くは、インターネットの美学や掲示板で見られるミームアートをハイアートと同じように評価する人たちの作品でしたが、最近では、無数の新しいアーティストが参入して多様な美学が反映されてレベルが上がっているそうです。

経済的な恩恵があってもNFTだけに時間を費やすことはしないことにしたそうです。
今年の12月には、上海の大聖堂で個展もやるそうです。

「デジタルとフィジカルのアートを分けて考えたくありません。一緒になって一つのメディアになる。デジタルアートと伝統的なアートを区別するのは奇妙なことだと思います。」

How one artist used NFTs to do what he loved—and made a six-figure salary in the process >>

frog design New Yorkの組織活性化を専門とするストラテジストYukari Yamahiro さんの記事です。
リモート会議の問題点と心構えを紹介しています。
現在の状況下でこれは見過ごせない問題かもしれません。たいした問題と感じていないのならば、その人は問題を引き起こしてる側になってるかも。
お互いに疲弊しない/させないようにしたいものです。

以下は抜粋です。

インクルージョンとは、すべての人の考え、アイデア、視点が受け入れられ、尊重されることを意味します。しかし、多くの場合、会議は声の大きい人たちに支配され、重要な決定や機会が最も声の大きい人やグループに委ねられています。対面会議であれバーチャル会議であれ、このような会議は、参加者の参加意欲の低下や満足度の低下を招き、組織の文化や収益に悪影響を及ぼす可能性があります。

私たちはバーチャルな世界でのインクルージョンとエンゲージメントをより効果的に促進する方法を学んでいます。リモート環境での参加を促進するために、以下の4つの推奨事項を検討してみてください。

1. 非同期で進められることは会議にしない
グローバルな企業の大規模なリモート会議の場合は、会議の時間を配慮すべきだそうです。
さらに事前に情報共有を済ませておくべきです。
また、通常の会議と同じ形態にするのではなく、会議の形態を再検討しても良いかもしれません。

2. アイスブレイカー
参加者が会議に参加しやすくするために、共通の話題でウォーミングアップするのが良いそうです。
また、使い慣れないツール操作で会議が台無しにならないようにファシリテーターを用意することも検討しましょう。
参加者が誰も取り残されないようにするべきです。

3. 選択と自発性
参加者が自発性を持てるようにしましょう。
バーチャルチャットや投票機能を利用するのも良いそうです。
サイドトークのためのバーチャル会議室や非公式なネットワークを設けたりして、自然発生的な相互作用を促します。

4. 誠実さ
リモートミーティングでは、効率性にばかり目が行きがちで、画面の向こう側にいる人間のことを忘れがちです。
参加者が、感じていることについてオープンな対話ができるようにしましょう。
参加者全員がお互いを尊重すること。正直であり、脆弱であることを排除しないこと。
ファシリテーターはこれらのことを説明することで、会議のトーンを設定します。

インクルーシブなリモート会議の鍵は、参加者全員が自分の時間と方法で自分の意見や感情を表現できるような、柔軟で魅力的な体験をデザインすることです。

【元記事はこちら】
What Does ‘Inclusion’ Mean in Remote Gatherings? >>

Microsoft社員のためのeラーング「無意識のバイアス」

無意識のバイアスについて、それらが行動にどう影響するのか、職場でどう影響するのかについて理解するeラーニング。
社内向けのようですが、外部から閲覧できるようになってるようです。
すばらしい内容です。途中で流れるビデオもよく作ってあります。
Microsoftで働いてみたくなります。

MicrosoftのOSは世界中の言語をサポートしようとしていると聞いた記憶があります。
だれも平等にPCを利用できるようにするという使命を持って、もうすぐ失われであろう少数派の言語も含まれているとか。
そういうところは素晴らしいと思っているのですが、正直なところ、Microsoftの製品は積極的に好きにはなれません。

eLesson:無意識のバイアス | Microsoft >>

ヨーロッパ(たぶん英国)のいくつかのクリエイティブ・エージェンシーへのインタビューだそうです。
コロナ禍でクリエイティブの仕事にどんな変化が起こって、いままでとこれからはどう変わっていくのかを答えてくれています。
インタビューの内容からすると、よい変化が起こっている気がします。

1. お互いに気を配る
「私が気付いたことの一つは、人々がお互いに共感し合っているということです。離れていることで、ある意味では、社交的になったとも言えます。チームがお互いを気遣っているという実感があります」
「そのおかげで、クライアントとの距離も縮まりました。みんな一緒にこの状況に置かれています。会話には以前はなかったような温かみがあり、多くの人がこれを仕事との関係を変える機会と捉えているように感じます」

2. 企業文化
「ロンドンとリーズのスタジオスペースに戻り、それらを最大限に活用することを楽しみにしています」
「毎日のスタジオにアクセスできないということは、生産的なオフィスを作るための本質が問われます」
「クリエイティブな雰囲気の中で一緒に仕事ができることは、素晴らしいことでしょう」
「戻りたいのは場所だけではありません。自分たちの企業文化に戻るのが待ちきれないです」

3. 出張が減る
「この経験には確かにネガティブな面がありました」
「しかし、私たちは在宅勤務が完全に可能であることを証明しました」
「私が期待しているのは、業界がビデオ通話で簡単にできた会議のために長距離便を利用する必要性を再考することです。これは、危機からもたらされる可能性のある、地球にとっての利益の一つです」

4. オフィスでの誕生日ケーキ
「スタジオとして、私たちはより直感的かつ柔軟に仕事をしなければなりませんでした。同じ部屋で仕事をしていないと、共同作業をするのは非常に難しいと思っていましたが、私たちはそれに適応しています。」
「とはいえ、物理的なオフィスに戻ることをとても楽しみにしています」
「ズーム通話ではまだ世間話をすることはできますが、それは確かに同じではありません。残念ながら、Zoomはチームの誕生日を手作りのケーキで祝う代わりにはなりません」

5. より良いメンタルヘルス
「間違いなく、対面での交流を切望していますが、リモートで仕事をすることで、より柔軟なエージェンシーとなり、生産性も向上しています」
「このような状況になったことで、自然とウェルビーイングが重視されるようになり、全員のメンタルヘルスに配慮するようになりましたが、これは良いことです。私たちはより健康的なランチを食べ、机から離れて昼間の散歩をするようにしています」

6. 新しいマインドセット
「エージェンシー全体のコミュニケーション、サポート、共感のレベルは、信じられないほど強力でした」
「人間関係が深まり、社員の連帯感が強まっているのを見ました」
「リモートワークによって、喧噪を離れて、熟考する時間が得られました。それは自分のためだけでなく、お互いのための時間です」
「我々はこのマインドセットを携えてスタジオに戻るようにします」

What to expect from post-pandemic work culture in the creative industries | CREATIVE BOOM >>

むずかしいですが、いろいろ考えさせられる記事でした。欧米のデザイン理論が世界に広まっていった過程で形成された「権威」「支配」「認識」「差別」などについての記事です。現在の私たちのデザインにおける価値観の多くは欧米のデザインの価値観の影響を受けていて、欧米のデザイン理論の教育を受けて、それを規範としたデザインをしています。

「“植民地化”とは、先住民族の抑圧体験に根ざしたものであり、具体的には、先住民族の資源を奪われること、西洋のイデオロギーが社会に埋め込まれていくことなどです。」

「“脱植民地化”という言葉は、もともとは、かつての植民地から宗主国が撤退することを意味する言葉として使われていました。今では、「脱植民地化」は様々な思想を表すようになりました。
欧米では、社会は他国の植民地化の上に成り立っており、欧米社会は特権と抑圧のシステムの中に存在しており、欧米人が自分たちのものと見なしてきた文化の多くは、実際に流用されたり盗まれたりしてきたことを欧米人自身が認めています。」

1. デザインの歴史を脱植民地化する。
「デザインの価値観や歴史は「カノン(規範)」を通して教えられています。・・・規範の権威は、西洋以外の文化やより貧しい背景を持つ人々の作品を貶め、例えばガーナのテキスタイルはデザインではなく工芸品として扱われるようになっています。」

2. デザインの価値観を脱植民地化する。
「異なる民族の人々が自分のデザインしたものにどのように共感してくれるかを考えたことはありますか?脱植民地主義の一つの側面は、解決策がどのように体験されるのかを相手の身になって考えることです。」

3. デザインワークを脱植民地化する。
「脱植民地化のプロセスを日常の実践に組み込む方法がある。例えば、マイノリティが経営する印刷会社と仕事をすることは、デザイン労働を脱植民地化する一つの方法である。」

日本で働く者なので、正直なところ、うまく理解できていない部分があります。
身近な感覚としては、“植民地化”がデザイン業界の構造として組み込まれていることに問題がある気がします。
“植民地化”のルールで搾取されたり排斥されたり差別されたりせず、そういう業界構造に加担しないようにしたいです。

What Does It Mean to Decolonize Design? >>

コロナウイルスで封鎖が続く英国の映画業界やエンタテイメント業界。
そこで働くフリーランスの人たちの窮状を訴えるプロモーションムービーだそうです。

「私たちは、この危機にてあなたとあなたの愛する人に情報提供したり楽しませたたりするスクリーンの後ろにいます。しかし、私たちの仕事や生活は不安定です。私たちはスターではありません。高給はありません。そして今、私たちのすべての仕事が停止しました。私たちは政府の支援の対象になりません。収入がありません。緊急の政府の支援がなければ、これで終わりです。」

彼らが救済されて、彼らの仕事が続けられますように。

くわしくはこちら >>
‘Forgotten Freelancers’ Highlighted in U.K. Campaign for Coronavirus Financial Support

HAWRAF

2016年にニューヨークで開業したデザインスタジオ「Hawraf」は、スタジを閉鎖することになったそうです。
ブルックリン交響楽団やGoogleなどのクライアントの仕事を手掛けていたそうです。

彼らはGoogle Design Labの出身で、デザインスタジオの仕事の透明性を高めることをポリシーとしていたので、閉鎖にあたっていままでの仕事のドキュメントをGoogleドライブで公開しました。

そのGoogleドライブには
Hawrafのすべての利益と損失。
取り組んだプロジェクトにかかった費用。
取引先がクライアントとして有望かを判断する基準。
などがあるそうです。

デザインとその仕事についてオープンにすることで、人々がデザインとデザインの目的について多くのことを話すようになり、創造的な仕事で生活の糧を得る方法を身につける手助けになれば・・・とのことだそうです。

Hawraf の Google ドライブ はこちら >>

元記事はこちら
How to design the end of a studio’s life >>

Hawraf >>

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