マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

1990年代に描かれたディストピアっぽくて、架空で未完の歴史物語のような感じでした。
ギラギラしたビジュアルが投影されたモニターを通り抜けた後の、最後のインフォグラフィックのパネル展示が圧巻でした。

2025年の私たちはデジタルな媒体とコードに囲まれて暮らしています。それでもデジタルなアート作品にはバーチャルな世界が前提になるのか?
プレイヤーとして何かに変身してダンジョンを歩き回る没入感が必要なのか?ゲームにしなくちゃダメなのか?
なぜ現実に根差すことができないのか?共有できる現実はもうないのか?
などなど、いろいろ考えさせられる展示でした。

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2025年4月19日 アート

という質問に、OpenAIのサム・アルトマンが答えています。
以下は抜粋した日本語訳です。

仕事によって違うと思います。AIによって完全に消え去ってしまう仕事もあるでしょう。しかし、ほとんどの仕事は新しいツールの登場で生産性が格段に上がり、より質の高い仕事ができるようになると思います。ウェブサイトの見栄えをよくする仕事はこれからも存在するでしょう。しかし、ウェブサイトの見栄えに対しての期待は格段に高くなるでしょう。
より良いウェブサイトが望まれて、より多くのウェブサイトが望まれて、より多くの需要があるかもしれません。また(制作上の無駄を?)削減できることもあると思います。

今までにない仕事も登場するでしょう。カスタマーサポートのような仕事はAIが最初から最後までやってくれるようになると思います。

グラフィックデザインにもそうような例があります。(グラフィックデザインにおける)「テイスト」は依然として非常に重要です。
グラフィックデザインは、紙とペンの時代からコンピューターのツールが登場して、より多くのことがより良くできるようになりましたが、それでも世界には優れたグラフィックデザイナーがまだたくさん必要でした。
(AIによる)新しいツールが登場したことでグラフィックデザイナーのワークフローが変わることは間違いありません。一部の人が報酬を得ていた仕事も、今後は支払われなくなるでしょう。
しかし、私の考えでは、これからもウェブサイトを(グラフィックデザインとして)美しく見せるような仕事は存在するでしょう。
これまでも、そういう仕事をしている人たちの中には大きな報酬を得ている人もいます。爆発的にウェブサイトが増えたことはグラフィックデザインの需要を高めたのかもしれません。

新しく登場した仕事としては「プロンプトエンジニア」があります。そんな仕事を想像することも難しかったでしょう。

(新しい仕事が生まれると最初は嘲笑されます。プロンプトエンジニアを多くの人は真剣に受け止めていません。これからプロンプトエンジニアを仕事にすることでステイタスを失うことはないと感じさせる方法はありますか?・・・という質問に対して)

私は若い頃にコンピュータープログラミングを学びたいと思っていましたが、周囲の大人からは”ホビージョブ”ではなく医者か弁護士のように本物の仕事に就くように言われました。
彼らが理解していない何かを、私は理解していると思っていました。
そして、物事がどうなるかについて、自分自身の信念を持つように強く勧めています。
歴史的に価値があったり、高い地位の仕事でなかったりするからといっても、将来もそうだというわけではありません。これは技術進歩のようなものです。

仕事と技術進歩についての、バランスの取れたいい話のように思います。
個人的にも90年代に、グラフィックデザインのワークフローがアナログからデジタルに変わる過程を体験しましたが、アナログな仕事がデジタルに置き換わったときに、新しいツールができたと認識したデザイナーよりも、新しいメディアが登場したと捉えたデザイナーの方が機会と報酬に恵まれたような気がします。
また、技術進歩で仕事が変化していくときには、新しい分野の人たちと出会う機会を大切にするのが良いかもしれません。

The Strength of Being Misunderstood >>

ニューヨークのメトロポリタン交通局(MTA)によると、視覚的に大胆でユーザーセンタード・デザインになっているそうです。
マッシモ・ヴィネッリの1972年の路線図に近いアプローチになっています。

ヴィネッリの1972年のミニマルなデザインの路線図には不満も寄せられ、物議を醸したそうです。
1978年には、MTAの地下鉄路線図委員会の委員長だったジョン・タウラナクやヴィネッリ本人が登壇した公開討論が行われ、ここでタウラナクのアプローチが勝利し、曲がりくねった路線と地理的に正確な描写のスパゲッティ版の路線図になりました。

新しい路線図は、ヴィネッリのミニマルなシンプルさと、タウラナクの地理的アプローチをミックスさせたそうです。
MTA会長兼CEOのヤンノ・リーバーは「デザイン志向の乗客はこの新しい地図でヴィネッリをより多く目にするかもしれないが、本当のスーパーファンはタウラナクの地図で確立された色を認識するでしょう。」と言っています。

詳しくは下記のリンク先の記事でどうぞ

New York City’s new subway map is designed to help you not get lost >>
https://www.fastcompany.com/91310736/new-york-city-new-subway-map-vignelli

【関連記事】
1978年、ニューヨークの地下鉄路線図をめぐる討論会。
https://designers-union.com/blog/archives/10191

GPT-4oモデルがリリースされた直後から爆発的にSNSにアップされました。
サム・アルトマンが「GPUが溶けている」というくらいです。

とても楽しい画像ツールですが、基になったデータに対しての許可、クレジット、報酬なしにスタイルを模倣するサービスで収益を得ることに疑問もあるようです。

いろいろAIツールがあっても、その生成物は個人のSNS以外には使いどころがないような気もします。一方で、AIツールとしては個人のSNSで広く使われれば大成功かも。

OpenAI’s ChatGPT sparks viral Studio Ghibli-style art craze as copyright storm looms >>

2025年3月29日 ツール

クリエイターがキャリアの早い段階で知っておきたかった13の教訓

デザイナー、イラストレーター、映画制作者、作家、写真家など、その道で経験豊富なクリエーターに、キャリアのもっと早い時期に知っておきたかったことを語ってもらったそうです。

どのようなアドバイスがあるのかは文末のリンクでどうぞ。
いくつか抜粋です。

「特に、自分のビジョンやアイデアが同僚やクライアントに否定された時、あなたはそれにひどく影響される。だから、クリエイティブと自尊心を切り離すことを学ぶのが重要だ。」

「特に若くて野心的なときには、学ぶのがもどかしいものだが、結局のところ、一夜にして成功することなどありえない。」

「誰かがあなたより声が大きくて自信があるからといって、その人が正しいわけでも、あなたより優れているわけでもありません。だから自信を保ち、自分の意見を大切にすること。」

「信頼を築き、自分のビジョンを売り込む方法を学ぶ必要がある。」

「デザインとは関係のない趣味や興味、経験は、実践の幅を広げる上で非常に重要です。クリエイティブとは何かという型にはまる必要はないのです。」

真摯な態度で同僚やクライアントと信頼を築くことは大切なようです。
どのアドバイスも「裏技」のようなものではなくて良いアドバイスのように思えます。
4月からデザイナーになる人にもおすすめです。

13 lessons creatives wished they’d known earlier in their career >>

井上嗣也『Tsuguya Inoue Graphics +81展』01

井上嗣也『Tsuguya Inoue Graphics +81展』02

井上嗣也『Tsuguya Inoue Graphics +81展』03

かっこいいです。
発売予定の作品集から本人のセレクションによる展示だそうです。
ファッション写真とグラフィックの黄金時代だと思います。

不可解さや哲学や態度のようなものがあるビジュアルデザインは反抗的で魅力的です。
理解できない範囲に魅力を感じさせるのはブランディングとしても正しい気がします。

とにかくかっこいいです。
わかりやすく視覚化するだけがデザインではなさそう。

Tsuguya Inoue Graphics +81 Exhibition >>

Midjourneyで作られたそうです。酷評されているようです。

長年サウジアラビアでのビジネスを縮小してきたVOLVOのカムバックを紹介する広告。
手掛けたのはドバイのクリエイティブ・エージェンシーのLion。
Lionの創設者でクリエイティブ・ディレクターのインタビューが紹介されています。
「サウジアラビアに文化的に共鳴するレンダリングを集めました。・・・ほとんどの広告は戦術的で、ブランドのストーリーテリングにはほとんど焦点が当てられていません。私たちのアプローチは違います。私たちはまず、この地域におけるVOLVOのカムバックに戦略的に沿った物語を作ることから始めました。」

なるほど、企画としては正しい感じがしますが、以下は記事からの抜粋です。

「広告に車を登場させなかったのはVOLVOのミスだと言う人もいるが、現在のところ、物体を確実に再現できる映像ジェネレーターが存在しなかったためだろう。もしこの広告の制作者が実車を作ろうとしていたら、モーフィングするプロポーションとショットごとに変化する特徴を持つ車になっていただろう。」

「現在の制作業務にAIの場所はあるが、広告全体を制作することは、少なくともまだない。・・・新たなテクノロジーを創造的革新の略語として使うブランドは、たいてい後悔することになる。」

「そこで、広告クリエイターへのアドバイスだ: AIのことは数年間忘れておくことだ。」

この広告に実車を登場させなかったVOLVOの判断は正しいと思います。
広告が話題を集めるだけのものであるなら「AIで作ったんだ」というだけで広告の役割は果たせているでしょう。
このようなAIの使い方が現在の広告におけるAIの最も有効な使い方になっているようですが、どうやら、AIがもたらす創造性や革新は、そういう次元ではなさそうです。
一方で広告デザインは、嫌われても人目を引こうとする惨めなものに見えてしまいそうです。

Volvo’s strange new ad is proof that it’s time to hit pause on AI commercials >>

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Project 2025 Tracker

「プロジェクト2025」というドキュメントがあるそうです。
これは、ヘリテージ財団と第1期トランプ政権のメンバー数名によって書かれたもので、2024年の大統領選挙で保守派の候補が当選したの、政府の再編と行政権の強化を目指す政策提言です。
政府の官僚制度を解体し、保守的な価値観を政府と社会に浸透させることを目指していますが、一方では、法の支配や権力分立、市民の自由が弱体化する可能性も指摘されています。
このドキュメントは大統領選挙での公約だったのではありませんが、多くの部分に同意していると公言していたようです。

このサイトは二人のRedditユーザーから始まったもので、はじめはスプレッドシートだったものを視覚的なウェブサイトにしたそうです。
Google Search ConsoleやPageSpeed Insightsのようです。

「プロジェクト2025は、私たちが直面している民主主義や公益に対する最大の脅威のひとつです。それが何なのか、自分たちの生活にどのような影響を及ぼすのかをアメリカ人が理解することが重要です。しかし、ほとんどの人は900ページもある文書を読む時間がない。そこで、私は自分自身でこの文書を読み、誰もが消化しやすいように目的を抽出することにしました。」

このサイトはプロジェクト2025の目標がすでにどれだけ進展しているかをわかりやすくするために、トップセクションで「全体的な進捗」のプログレスバーと、トランプ大統領の2期目の残り時間のカウントダウンが表示されています。

プロジェクト2025の進捗状況を、機関、テーマ(DEIAやエネルギーなど)、ステータスでフィルタリングすることもできる。すでに実行された目標は、緑色の「COMPLETED」でハイライトされ、プロジェクト2025の該当箇所とニュース記事へのリンクが表示されます。

よく調べて、よくできたサイトです。
混沌とした情報を秩序立てて関連づけて、わかりやすく視覚化しています。素晴らしいです。
この平易なフラットさが、逆に恐怖や不安を感じさせるような気もしてきます。

These Redditors made a super simple website to track Trump’s Project 2025 progress >

Project 2025 Tracker >>

鎖に繋がれた犬のダイナミクス

鎖に繋がれた犬のダイナミクス

東京駅近に新しく建ったビルの会場は素晴らしかったです。
展示の最後の「鎖に繋がれた犬のダイナミクス」が「オーバーヒートによりダウン中」となっていたところが見れらのはラッキーでした。
その姿こそが、作品コンセプトにあった「ロボットが<生きた他者>に見える」に相応しい感じでした。

どの作品も技術的なクオリティが高くて楽しいものでしたが、作品のコンセプトとしては玉石混合な印象でした。

それぞれの作品の横に「選んでやった」「支援してやった」といった印象のコメントに各作家がお礼を書き添えたようなパネルがあるのは、来場者から見ると作家が惨めに見えるかも。

ENCOUNTERS | 文化庁メディア芸術クリエイター育成事業 >>

2025年2月23日 アート

網点の抽象的なイメージで人類の進歩の歴史の最先端にAIを位置付けるメッセージになっています。
AIの社会への影響やAGIについての言及を意図的に避けているそうです。
プロトタイピングではSoraを利用したそうですが、最終的なアウトプットは人間によって制作されたアニメーションだそうです。

リンク先の記事では、ChatGPTの新しいマーケティング責任者のケイト・ルーシュさんのコメントが紹介されています。

AIを使って心のこもった手紙を書くという内容のCMをオリンピックで出稿したGoogleは反発を受けてCMを撤回しました。

これについてケイト・ルーシュは「真正性(authenticity)が本当に重要だ。」とコメントしたそうです。

Googleも今回のスーパーボウルでGeminiの広告を出稿しています。
これもオリンピックでの広告と同じように、家族をテーマにして心情に訴えかけるメッセージになっています。

スーパーボウルを見ている視聴者(AIに馴染みのない何千万人もの人々を含む)に、AIをどのように受け入れてもらおうとしているのか、
また、ケイト・ルーシュさんの言うAIについての「真正性」がどういう意味なのか、おもしろい示唆のある記事でした。

Inside OpenAI’s $14 million Super Bowl debut >>