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自分の無知が恥ずかしくなる展示でした。おもしろかったです。
メディアアートのキュレーターのヤシャ・ライハートのテキストを見たいと思って行ったのですが、1987年のO美術館に見にいった「ARTS ON COMPUTER」展のことが紹介されていたり、資料の中に学生の時の草深先生のお名前を見つけたり、個人的に懐かしい断片がありました。
まずは、展示のコンセプトになっていた川野洋について、もっと勉強しないといけない気がしました。
ヤシャ・ライハートのテキストには、1967年の瀧口修造の言葉が紹介されていました。
「重要なのは実験だ。科学と同じように芸術においても、実験が成功するかどうかは問題ではない。それが何かに繋がるかもしれないし、繋がらないかもしれないが、扉を開くことになるのだ。」
コンピュータアートの黎明期とは違って、ハードとコードが一般化して、「実験」が続いていくようです。
展示されていた「20世紀コンピュータ・アートの軌跡と展望 − 現代アルゴリズム・アートの先駆者・現代作家の作品・思想 −」の本がおもしろそうでした。
サグマイスターと他の登壇者がイノベーション・プロセスにとって美がいかに価値あるものかが議論された講演だそうです。
サグマイスターらしく天邪鬼ですが、統計的な「美しさ」と「ビジネス」や「ユーザー体験」について考えさせてくれる記事でした。
人々がどの形と色を好むかについて聴衆に挙手を求めなると、丸と青には多くの挙手が集まったが、長方形と茶色には少なかった。
人々が票を投じた後、サグマイスターはこれまでの自身の調査による上のグラフを公開したそうです。
「美にとって最悪なことは、(それについての)愚かな判決です。」
「私は世界中で何百回と、直接、展示物やインスタグラムに設置された定点観測としてこの実験を行いましたが、いつも同じ結果でした。円は最も美しく、長方形は最も美しくない。」
美は与えられるものではなく「選択されるもの」であり「モノはひとりでに美しくはならない。」ということだそうです。
おもしろいです。そして納得させられるものがあります。
アップルのマーケティングを担当している他の登壇者は、以前に製品のビジュアル・ランゲージに関してリスクを嫌うことが多い消費者向けパッケージ商品の企業で働いていたそうです。
「彼らは何カ月もかけてテストし、消費者調査をしていました。多くの旧態依然とした消費者向けパッケージ商品の企業にとって、美は指針となる価値観ではなかった。実際、それは勢いの足かせになることもあった。」
最後に、Amazonの醜いインターフェイスについての苦言になっています。
そして、それが優位性を発揮した戦略になっていることも示唆されています。
手掛けたのはPentagramのアンドレア・トラブッコ=カンポスとそのチーム。
ほんの少し手を入れることで、今っぽくアップデートしていて上手いです。
カラーリングの変更は適切だと思います。
以下はPentagramのサイトから引用です。
説明も上手いです。
PayPalのアイコンであるモノグラムは、よりシャープでモダンに描き直されました。更新されたマークでは、重なり合う文字の角度は変わりませんが、字形の角のカーブが取り除かれ、よりシャープな外観になっています。色彩は連続的なコントラストに調整され、ロゴのレイヤーに以前にはなかった奥行きと立体感を生み出している。ブライトブルーとディープブルーが重なり、PayPalが所有する成長中のモバイルアプリにちなんだVenmoブルーが浮かび上がる。
モノグラムの構造は劇的に変化していないが、付随するロゴタイプとの関係は変化している。アイデンティティの外観を高め、より柔軟にするために、シンボルはもはやワードマークと固定されていない。この2つの要素は互いに独立して機能するようになり、要素をシンプルにすることでより多くの可能性をもたらしている。
新しいPayPalのワードマークは、アイデンティティの基礎となる要素であり、大胆さ、自信、明快さというブランド特性を体現する新しいカスタム書体、PayPal Proに設定されている。PayPal Proは、Lineto Type FoundryがFuturaを現代的に描き直したLL Supremeをカスタマイズしたものである。1927年にポール・レナーによってデザインされたFuturaは、2,000年以上前の文字のプロポーションにインスパイアされた幾何学的なサンセリフである。時代を超越した普遍的なフォルムを持つこの書体は、メッセージに焦点を当てることを可能にしている。PayPal Proも同様に、純粋に直線と円曲線だけで構成されることを目指している。PentagramはLinetoとPayPalと密接に協力し、読みやすさと実用性のために小さなサイズで最適化された第二の書体、PayPal Pro Textを開発している。
時代を超越した活字は、ニュートラルな黒と白のパレットによって新しいロゴにマッチし、フィンテックの代名詞となっている青とは一線を画している。代わりに、ブルーはブランドのアクセントとエネルギーとして使われている。また、他の小売ブランドと重複していた以前のパレットから黄色を排除している。この変更はUIにも及び、時代遅れの黄色い支払いボタンは黒になった。
PayPalの使いやすさを強調するアイデンティティのモーション・ランゲージは、デジタルでも物理的でも、決済を行う際の日常的なジェスチャーや行動を利用している。ブランド・アニメーションは、タップ、クリック、フリップ、スワイプでワードマークとタイポグラフィを活性化し、製品体験の動きをアイデンティティそのものに取り込んでいる。
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さらにシンプルになったPayPalの新しいロゴ
KENZOについて詳しく知らないまま見に行きました。
繰り返される花柄は生々しくて70年代の少女漫画のような印象でした。
野暮ったさと洗練が高度に同居している感じでした。
四谷シモンのマネキンも見どころだと思います。
間違ってるかもしれませんが「フォークロア」というコンセプトは当時の時代を射抜いたような気がしました。
ブランディングとしての成功も素晴らしいです。
展示のライティングはもう少し演出があってもいいかも
集中力を阻害するスマホやネットは創造性にとって害悪なのか? というテーマについて3人のアーティストの意見をもとにした記事です。
創造性と習慣についてのおもしろい記事です。
現代の環境で創造性を維持するための自覚的な対処方法のようにも思います。
気が散ることを肯定的に捉えることも新鮮でした。
以下は抜粋です。
「特に興奮していないことに取り組んでいるときは、気が散りやすく、スマホをスクロールして時間を浪費することもある。でも、いい気分で取り組んでいて、フロー状態にあるときは、それほど携帯に手を伸ばしたりしないんです。」
「ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、アシャンテ・キンドルは、携帯電話が時間を飲み込むこともあるが、より集中した創作活動の合間に、建設的な白昼夢、あるいは彼女が「メンタル・リセット」と呼ぶものをもたらしてくれることを認識している。」
「オンライン・ピンボードの黎明期の頃はアルゴリズムがそれほど進んでいなかったから、もう少し面白かった。今はとても効率的で、得られるものが少し同質的に感じることもある。」
「ある意味、気が散ることはクリエイティブなプロセスの一部ではあるが、インスピレーションを見つけることと、絶え間ない不要なノイズを除去することの境界線を確立することが難しくなることもある。」
「インターネットは、不安で、熱狂的で、不穏な場所かもしれない。ネット上での共有は創造的な表現であり、探求し楽しむ遊びのようなものであって、強制されるものではない。」
「テクノロジーを放棄することは、個人的にも、仕事上でも、クリエイティブな目的でも、まったく現実的なことではありません。だからこそ、情報との関わり方を意図的に考え、自分自身の境界線を確立することで、テクノロジーが提供するツールをうまく使いこなすことができるようになった。集中して創造的な仕事をする期間と、デジタルのピンボードをスクロールしたり物語を読んだりして集中しない ”活動的な”休息に身を傾けることは、どちらも重要だ。オフラインで”集中しない”時間を過ごす方法を書き留め、自分の弱点を記録し、必要なアプリをダウンロードし、新しいルーチンを確立して計画を立てることができる。人生のあらゆる側面と同じように「中道」を見つけることが大切です。しかし、それにはまず意図性が必要です。」
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Crucible(クルーシブル)は、バーやレストランのコンサルティングや、ドリンクやフレーバーの開発を手掛けるユニークな会社です。
Madalena Studio はクルーシブルのブランドアイデンティティとして、シャーレの上で培養されるバクテリアを利用しました。
その手法はCrucibleを的確に表現していて、ユニークで美しいです。
広告会社「AMV BBDO」の最高戦略責任者のマーティン・ウェイゲルさんのブログ記事です。
1940年のゼネラルモータースのフューチャーラマのような楽天的な未来像から始まって、現在まで続く未来像についての考察です。
数多くの引用や統計を駆使した長大なブログ記事ですが、とてもおもしろいです。
最後の方には、未来を想像するイマジネーションの重要性についての考察があります。
いくつか抜粋です。
「億万長者が火星での生命活動を計画。科学者は地球のテラフォーミングを考える。技術者たちはシンギュラリティに思いを馳せる。私たちが抱く未来像は、ポスト・ヒューマンであり、ポスト・ネイチャーである。悲観的でもあり楽観的でもあり、運命的でもあり空想的でもある。明らかに未来的ではあるが、そのような未来像は生存主義的な戦略であり、推定的な予測である。それらは、昨日までの邪悪な問題に対する今日の思弁的な解決策を装った未来なのだ。・・・・・未来に何かが起こったのだろうか?」
「若者たちは100年ぶりに親より貧しい世代になろうとしている。」
「個人的なレベルでも組織的なレベルでも、未来に対する恐怖心はリスクに対する嫌悪感を高め、新しいことに挑戦する意欲を減退させ、計画を立てる視野を狭め、短期的な生存の必要性を過度に優先させ、未来への投資を少なくし、新たな問題や予期せぬ問題に対処するための資源を減らし、無謀な自傷行為に過ぎないことが判明するような選択を促す。」
「未来が目的地であるという話の問題点は、単にそれが全くのでたらめであるということだけでなく、私たちから主体性や選択肢を奪ってしまうということだ。自分たちの考える未来が必然的なものであることを伝えようとする人は、あなたに賢くなることを望んでいない。」
「私たちは、明日のハードウェアとテクノロジーの創造者たちが、実際に現実の人間を見ていて、彼らの生きた現実に関心を寄せていると確信させることができるようなイメージを、もっと必要としているのだ。」
「伝統的な意味での広告は、その役割を果たすことができるし、果たすべきである。しかし、それはあまりに修辞的で、説得力のある真実味の帯域が(もし存在するとしても)狭すぎるし、そのアジェンダは(当然のことながら)制約が多すぎて、より広い社会的意味合いや二次的結果を探求することができない。・・・ポピュラーカルチャーの革新性をもっと直接的に、皮肉でなく賞賛することを求めるべきだ。」
「未来が想像力を必要とするのは、それが未来と関わる唯一の方法だからだ。なぜなら、過去は分析によって理解することができるが(そして繰り返し、適応させ、反復することができる)、未来は分析することができないからである。 未来は、想像力によってのみ関わることができる。想像力とは、確率や可能性を超えて、存在しないものを見るために推測する精神的プロセスである。・・・私たちは今、「経験主義とデータ収集への新たな愛に溺れ」、想像力を否定し、疎外する文化に身を置いている。」
「想像力の公正な使用は、単なる概念的なものではない。それは実行されなければならない。この実行がなければ、再想定はフィクションや未来の領域に追いやられてしまう。想像力の公正な使用は、適用可能であり(適用されなければならないという意味で)、正義と平等のために、後ではなく、今現在の現実に用いられる。・・・それは意思決定の木や道徳的な推論ではなく、善悪の区別がつかないふりをすることでもない。このように、想像力の公正な使用は、積極的な関与を必要とするため、イデオロギー的なスタンスではなく、ツールである。」
「解決策としての過去は有効な選択肢ではない。新しいツールセットが必要なのだ。明日の問題を解決するために、過去に期待することはできない。」
「問題や機会が常に変化するコンテクストによって左右され、複雑な問題が他の複雑な問題によって左右され、機会が他の機会によって左右される、根本的に偶発的な世界において、私たちは想像力を必要としている。」
Dare we imagine a better future? >>
詩を読むレイ・ブラッドベリ泣ける(動画):Ray Bradbury reads his poem ”If Only We Had Taller Been” >>
圧倒的でした。
1990年代から現在までの日本現代美術の個人コレクション。
展覧会のタイトルにあるようにコレクターの「私観」として紹介されていますが、
個人的な当時の記憶と重なって、ベスト盤のレコードを聴いてるような、懐かしいバンドの再結成のような、そんな感じでした。
90年代の作品は当時の匂いが蘇るような感覚があって懐かしかったです。
展示の各章ごとのコレクターの「私観」が語られる解説がよかったです。
高度成長期、バブル崩壊、低成長、震災、などの時代背景の中で、日本のアートが何を描き出そうとしたのかが少し判った気がしました。
パート1があったことも知りませんでしたが良い広告です。おもしろいです。
この広告制作のクライアントは、teamwork.comということになりますが、CMに登場するデイヴがそうであるようにteamwork.comはいいサービスな感じがします。
パート2では、teamwork.comの導入によってクライアントは刑務所のような場所に閉じ込められているかのような始まり方です。
「あなたはクライアントになりました。あなたの返信が遅れ、不可解になり、ベンダーが利益を得られないほど混乱しますように・・・・変更があります・・・変更があります。」というセリフがいいです。
「クライアンティ」という言葉は知りませんでしたが、いい言葉だと思います。
このCMの制作はきっと楽しかったはずです。
手掛けた会社はこちら
Umault
スーパーボウルのCMも手掛けたSquarespaceのCCOのDavid Leeさんのインタビューです。
AIツールで制作される時代の「クリエイティビティ」について話してます。
「クリエイティビティは、未来に残された唯一の仕事かもしれない」と話しています。
Squarespaceではスタートアップ向けの無料のウェブサイトテンプレートも提供しています。
よく言われている話ですが・・・
「AIはアイデアの代用品ではない」という前提で、AIの特性を理解して有効利用して、人間らしい仕事をしようというメッセージになっています。
以下はいくつか抜粋です。
「ある日目が覚めたとき、自分が同じ作業の繰り返しをしていることに気づいたら、私はとても心配になるだろう。データ分析や研究ベースのものはすべて、機械がよりうまくやるようになるだろう」
「私たちを私たちたらしめているもの、つまり、私たちの創造性、独創的なアイデアを思いつく能力、ストーリーを語る能力を受け入れることだ。そうすれば、AIは人類にとって次の黄金時代をもたらすことができる」
「今のところ、AIツールはクリエイティブなプロセスの両端、つまりアイデア出しの段階と最終的なプロダクションの段階ではあまり役に立ちません。・・・空白のテキストフィールドがあり、何でも作れるからといって、良いものができるわけではありません。より良いアウトプットをするためには、より多くのインプットが必要なのです」
「自分の世界から飛び出さなければならない。すべてのソーシャル・プラットフォームは、あなたを自分たちの壁に囲まれた庭に閉じ込め、あなたが最後に見た投稿よりも1.5秒長く見るコンテンツを提供しようとしている。同じようなものの海に簡単に入り込んでしまうのです」
「AIが生成するコンテンツよりも人間の職人技や創造性が評価される未来を予測している。私は、これらのAIツールはすべて大衆のためのものになると考えています。未来の人々は、手作りの工芸品や創造性にプレミアムを支払うでしょう。自分の手でモノを作れる人が作った物こそがこれからの新しい贅沢品になるのです」
「より安価で大量生産された製品が市場に氾濫する中、高級ファッションブランドは、製品の製造に関わる技術や、それを所有することで得られる文化的価値の両方を軸としたストーリーテリングに目を向けてきた」
「あらゆるデザイナーやクリエーターは、自分の作品の背景にあるストーリーをもっと上手に語る必要があるのだろう」
実際のクリエイティブの仕事で、自分の世界から飛び出すことも、新たな能力が肯定されて、発揮されて、成果をもたらすことも、とてもとても難しいことだと思います。
デザイナーやクリエイターが生き残りを賭けた戦いがあり、多くの敗北や犠牲がありそうなことも書かれています。
POV: In a “sea of sameness”, taste and storytelling will become vital creative skills >>
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