iOSのマルチタッチ・インターフェイスのアイデアについて、その発端から広がりについて話しています。
”アイデア” は脆弱で壊れやすく、その ”アイデア” をどのように扱うかが重要だという話のようです。
「初期のアイデアは暫定的な仮のものでした。これらは、工業デザイナーとインターフェースデザイナーの間の特別な非公式会合の結果でした。興味深いことに、これらの初期のアイデアの性質と概念は、過去数十年にわたる他のプロジェクトのアイデアと多くの特徴を共有していました。」
「アイデアは、既存の問題に対応するものではありませんでした。誰も私たちに問題の解決を依頼したことはありません。」
「アイデアが問題を提起し、挑戦を定義しました。」
「(プロトタイプを作って)私たちはアイデアを探求しましたが、私たちのアイデアを正当化することはしませんでした。」 この姿勢はとても大切でしょう。
「このアイデアは何年もの間とても壊れやすく傷つきやすいものでした。私たちは創造的なカルチャーに妥協を強いることや壊れやすいアイデアを損なう物事に敏感になりました。」
「大きなグループで仕事をすると、意見はしばしばアイデアと混同されます。評価して共有しやすくて測定可能で具体的なものに焦点を当てる傾向にあます。そのためサイズ、重量、価格、スケジュールなどの属性に取りつかれます。」
「私は予測不能が大好きで、私は驚きが大好きです。プロセス全体は恐ろしいほど不確かです。」
スピーチの最後にはアイデアと問題解決のあいだの矛盾についても話しているようです。
これはなにかとても大切な話のような気がします。
「アイデアが大切だ」という教訓は時代を越えて繰り返されてますが、”アイデア”とはどういったものでどのように扱ったらいいのか、正しく理解できているでしょうか? 本当にアイデアを大切に扱ってきたでしょうか?
元記事はこちら。
”On Monday There Is Nothing”: Apple’s Jony Ive On Design And Conflicts In Creativity | Forbes >>
上の画像はMacのGUIをデザインしたスーザン・ケアによる General Magicのグラフィックユーザーインターフェイスのスケッチだそうです。
これが描かれたのは1992年ですが、すでに今日のスマホとかアプリやSNSの原型が見てとれます。
AppleのAI部門の責任者
IoT技術会社Nestの創業者
Googleの音声認識のリーダー
TwitterのCTO
LinkedInのCTOと共同設立者
Appleの技術担当副社長
といったスゴいメンバーは90年代にシリコンバレーのスタートアップ General Magic で働いていたそうです。
彼らはもともとMacintoshの開発チームでAppleからスピンオフして General Magic を設立したそうです。
General Magic は誰もが使えるモバイルコンピューティングデバイスの開発を目的としていました。
当時はインターネット前夜という時代でこのコンセプトの重要性が開花するのは10数年後でした。
当時 General Magic に在籍していた6人のインタビュー記事で、今日の デザイナー、エンジニア、起業家に向けたアドバイスだそうです。
「新しいパラダイムを創り出すことを怖がらないでください。」
ユーザーのニーズに基づいて、もっとも根本的な問題を解決すること。
そのためには既存のものの組み合わせではなく、存在しないモノやコトを開発することも厭わない姿勢が大切なようです。
John Giannandrea
GENERAL MAGIC のエンジニアで、AppleのAI部門の責任者
「ひとつづつ取り組むことを忘れないでください。」
野心的なプロジェクトほど多くのことに取り組む必要があります。でも、いちどにすべてを解決することはできないので実装は段階的に行う必要があります。
そのためには現実的な見通しに基づいたマネージメントが必要だというアドバイスのようです。
General Magicのマーケティング責任者で元Macintoshチーム
Joanna Hoffman
「最重要人物はユーザーであることを忘れないでください。」
収益性とか戦略とかのまえにユーザーのことを考えること。また開発者自身もユーザーであるべきだそうです。
Andy Hertzfeld
Macintoshのソフトウェア・アーキテクト
General Magicの共同設立者
ユーザーを理解して、同じくユーザーである私たち自身のためにデザインした。
そうやって望んでいた素晴らしいユーザーインターフェイスがデザインできたそうです。
でも当時はまだそのデザインを社会に浸透させるには至らなかったようです。
Tony Fadell
General Magic のエンジニア
iPodとiPhoneの発案者
Nestの創業者
「批判を取り込むことでアイデアは鮮明になります。」
先見の明のあるスマートな人からの鋭く厳しい批評を受けて自己疑惑に陥るような体験を通して、アイデアやビジョンを強固に明確にしていくことができるそうです。落胆して拒否するのでなく無料のコンサルティングとして受け止めて利用するのがよいそうです。
Marc Porat
General Magic のCEOで共同創業者
「マスターから学ぶ。」
General Magic には多くの製品を手掛けた経験豊富な先輩たちがいて、若い人は彼らから多くを学び、共に働く機会を得られたようです。
Megan Smith
General Magic のメカニカルエンジニア
米国の最初の女性CTO
元Googleの副社長
「悲観的な楽天家であり、決して希望を失わないこと。」
慎重な楽天主義者でいつも希望を持っていなくてはなりません。
Tony Fadell
「テクノロジーの失敗とそれを解決するための闘い。」
現在のテクノロジーは人々の自由や民主主義を貶めるようになったと指摘しています。
テクノロジーは素晴らしいが、あるグループにとってのデフォルトが設定されていて、他のグループはそのデフォルトに追従するしかない状態は間違っています。これはすぐにでも変更されるべきです。
Megan Smith
何かを変えるときにはリスクが伴います。
エンジニア、デザイナー、起業家は何かが間違ってるとわかったらリスクを負って素早く動かなくてはなりません。
あなたが間違いを犯すことがあります。そのときは素早く修正してデザインしてください。
リスクがわからないときもあるでしょう。そのときは私たちを参考にしてください。
他人を責めず、自身で負い、変化を
Tony Fadell
元記事はこちら
7 design lessons from Silicon Valley’s most important failure >>
【関連記事】
90年代のシリコンバレーで現在のスマーフォンの基礎を創った会社のドキュメンタリー映画『GENERAL MAGIC』>>
ブロックチェーンを使用して画像を登録すると、所有権証明が得られて、KodakOneプラットフォーム上の著作権管理と収益化のサービスを利用できるようです。
詳しく理解できないのですが、ブロックチェーン技術の使い方として、とても良いことな気がします。
くわしくはこちら
KODAKOne >>
コミュニティを経済的に支援するシステムを企業自ら提供するのは、これからのブランディングにもなりそう。
いろんな分野でこういうことが増えるのかも。
JASRAQとかもいらなくなるのかな。
Audiの安全運転キャンペーンとしてフリーで提供されてるjsファイル。
htmlに読み込ませておくと、時速20km以上で移動している場合には「あなた、運転中ですか?」のアラートが表示されて「違います」をタップしないとそのページが表示されないそうです。
jsファイルとその働きをキャンペーンとして成立させてるのがいいです。しかも世の中の役に立ってる。
下記のサイトでは、Audiの安全技術もちゃんとアピールしてます。抜かりないです。
元記事はこちら。
これは斬新!運転中の“ながらスマホ”を強制的にやめさせるHTMLコード >>
もっと勉強しないと・・・。
月1度の頻度で執筆を続けている宮坂です。前回前々回と、外に視点を向けて執筆しているということもあるため、時間が許す限り今日は少し自分の事についても触れてみたいと思います。
大学では油彩を専攻していた事もあって、数年前から現在に至るまで、
(1)嗜好色の実践的研究
(2)クローム顔料による特殊メディウムの制作
(3)光、水面のゆらぎ、温度、湿度、香り、音が画面から沸き立つような
現象に感化される知覚を頼りにした「新感覚の油彩」を手探りで研究しています。
最近のモチーフはシャボン玉などの干渉膜や油膜、ミルククラウン等が挙げられますが、
その裏付けには幼児のような視点で日頃から制作していることが大きく関与しています。
女性は質感や色彩を好み、男性は空間認知に長けているという事を1986年の皆本二三江さんの文献や私の周りの研究者も述べており、性差があるようで、とくにモチーフに人を描く事は女性が男性の2.5倍、この傾向は美術制作を日頃からしている専門家から幼児まで、あまり変わらないという事が皆本氏によって研究されていました。[1]
現在私が気になっていることの一つに、「夢」の色彩があります。
ここでの「夢」とは人が眠っている時によくみる夢のことで、「モノクロ」という方も、「記憶していない」という方もおられるでしょうが、
私はカラーで夢を見ることが多く、そのため心地の良い夢も悪い夢も
いつにもましてリアリティが高く、起きると明確なストーリーの記憶は残っていないのに、色彩があったことだけは覚えていて、それだけでも何やら疲弊しているという状態に陥ります。
音においても幼少期に絶対音感の訓練を受けたことがありますが、ごく自然に鳴っている音が何の音階か判別がついてしまうことが、精神的な疲弊に繋がる感覚とよく似ています。
-虹は15分したらもう見向きもしない-
Einen Regenbogen, der eine Viertelstunde steht, sieht man nicht mehr an.
[2]という有名な言葉が物語るのは、その特質が第三者にとって響く事がほんの一瞬でしかないという事なのかもしれませんが、裏を返せば、虹や音、香り、風景、色彩等の
特質は一瞬だけ輝くという部分に魅力を見いだすことができるという事かもしれません。
それと同時に作り手が色彩的な作品を持続できても、そしてどんなに美しい作品の色彩構成であっても、色彩が響く、光る、活かされるということには持続性が期待できない事でもあるのでしょう。
参考文献・情報等
[1]絵が語る男女の性差-幼児から源氏物語絵巻まで-、1986年皆本二三江著
[2]「格言と反省」303番ヨハン・ゲーテ
[3]筆者による作品(ご参考まで)https://emimiyasaka27.wordpress.com/
大英図書館のサイトで無料で公開中。
芸術と科学の話題から個人的なメモまで。
活き活きとしてます。
以前に東京で展示された実物を見たことがありますが、そのときも500年前のものとは思えない感じでした。
1. AI(機械学習)がなんでも解決すると期待してはいけない。
AIについては、いまのところ誇大広告も多いそうです。
必要とされていないことにAIを利用するのは、ほとんど存在しない問題に対処するための非常に強力なシステムを構築することなります。
まずはニーズがあるかを判断すること。
通常のプロジェクトと同様に調査して、ニーズを掴んで、問題を特定して、その解決方法を考える・・・といったプロセスは必要なようです。
2. AI(機械学習)が役に立つのかを評価する。
ニーズがあると判断した場合でも、そこに機械学習のソリューションが必要ない場合もある。
(どういった課題が機械学習で解決すべきで、どのくらいユーザーの役に立つのかを調べるエクセサイズの説明がありますが、「混同行列」とか難しくて解りませんでした。)
どうやら、改善を重ねながら予測と実際の差異を縮めてゆくようなプロジェクトがAIに向いてるようです。
他にも、プロトタイピング、精度と間違い、ユーザーのメンタルモデル、進化、などについて7つの項目で説明されてます。難しくて理解しきれないですが、ボンヤリとわかった気がしてきます。
くわしくはこちら >>
Human-Centered Machine Learning
Googleのプロジェクト People + AI Research Initiative (PAIR) では人とAIの関わり方についての研究に取り組むと発表がありました。
くわしくはこちら >>
https://www.blog.google/topics/machine-learning/pair-people-ai-research-initiative/
スマホに連動したスマートペンでスケッチを描いて、AIに画像認識させて、getty Images の画像検索で探して表示してくれるようです。おもしろそう。
既存のデータベースを利用した、ちょっとしたAIの上手な活用法という感じ。
スマートペンではなくてもいいような気もしますが・・・何か理由がありそう。
サイトはこちら >>
http://gettyimagespen.com/en/home
興味深いテーマに、おもしろい回答です。
ちょっとメディアアートっぽくて楽しそう。
ほかの作品も、すばらしいです。
解説もおもしろいです。
くわしくはこちら >>
http://www.yuichirock.com/bj/index.html
勝本 雄一朗さんの作品
http://www.yuichirock.com
「『そのデータは自分のものだ』と人々が気づく転換点が、いずれやってくるでしょう」
ウェブがオープンであり、かつ個人のものであることは素晴らしいことで、フェイクニュースや巨大ネット企業の影響力に対してどれほど大切なことなのか、あらためて気づかされます。
これからも性善説にもとづいた寛容なものであってほしいです。
いい記事。
http://wired.jp/2017/05/27/tim-berners-lee-inventor-web/
© 2023 DESIGNERS UNION | ご自由に投稿できます。 お気軽にご利用ください。