2019年のララ・トランプ氏の投稿のtwitter投稿を見たベルギー人デザイナーのKarim Douïebさんは・・・アメリカ大統領選挙で見られる多くの選挙地図は、実際に住んでいる人々の数を表しておらず、何千マイルもの空地がトランプ氏に投票しているように見える。これはデータの可視化という点で間違っている・・・と感じて自ら修正したインフォグラフィックを投稿しました。

このインフォグラフィックでは、各州を政党別に塗り分けただけではなく、有権者の数を地理的に視覚化しています。
共和党が優勢に見えるのは、地図上の誤解であることがわかります。

このインフォグラフィックは多くのバージョンが制作されたそうです。

秀逸なのは、各州の塗り分けの地図と有権者の数をアニメーションさせたことだと思います。
有権者の数のビジュアルだけでは形が歪んでいてアメリカの国土の形との関連性をうまく認識できませんが、各州の塗り分け地図とのアニメーションにすることで関連性を理解して、状況を把握できます。

Karim Douïebさんのインフォグラフィックはこちら
Try to impeach this? Challenge accepted! >>

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U.S. election maps are wildly misleading, so this designer fixed them >>

ペンギンブックスの「GREAT IDEAS」シリーズ

ペンギンブックスの「GREAT IDEAS」シリーズ

ペンギンブックスの「GREAT IDEAS」シリーズ

ペンギンブックスの「GREAT IDEAS」シリーズ

ペンギンブックスの「GREAT IDEAS」シリーズ

いつもかっこいいカバーデザイン。

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Penguin’s Great Ideas series is back >>

Penguin Great Ideas >>

アメリカの活版印刷の伝統と遺産を受け付いたメモ帳シリーズ「United States of Letterpress 」

アメリカの活版印刷の伝統と遺産を受け付いたメモ帳シリーズ「United States of Letterpress 」

アメリカの活版印刷の伝統と遺産を受け付いたメモ帳シリーズ「United States of Letterpress 」

アメリカの活版印刷の伝統と遺産を受け付いたメモ帳シリーズ「United States of Letterpress 」

アメリカの活版印刷の伝統と遺産を受け付いたメモ帳シリーズ「United States of Letterpress 」

アメリカの活版印刷会社9社によるメモ帳のカバー。
ドキュメンタリー映像も味があります。
その手触りから伝統技術への愛情が伝わってきそうです。

「アメリカの活版印刷の歴史に浮き彫りにされた伝統を継承しながら、レイアウト、テーマ、メッセージは、遺産、地理、伝統、社会問題に関する個人的な表現であり、今日の活版印刷コミュニティの多様性と強さを示しています。」

アメリカのグラフィックデザインや印刷業に草の根で受け継がれていそうな、こういう伝統やコミュニティは素晴らしいと思います。

httpsUnited States of Letterpress | Field Notes >>

太田幸夫先生のグラフィック言語『LoCoS』

太田幸夫先生のグラフィック言語『LoCoS』

太田幸夫先生は国際非常口シンボルのデザインで有名です。
1960年代のプロジェクトだそうです。
文字を使わない言語であり、図形は概念を抽象化しています。
基本的には純粋に視覚的なエスペラント語の一種・・・だそうです。

たぶん学生の頃にこれを見せられたけど、当時はまったく理解できなかったのだと思います。
いまなら、このコンセプトがユートピア的で野心的なことが理解できます。
パソコンやインターネット後の世界にも引き継がれたデザイン手法。

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LOGO DESIGN LOVE >>

アメリカで最も権威のあるデザイン組織 タイプディレクターズクラブ が閉鎖

コロナ禍での財政難もあったようですが、白人中心で閉鎖的な組織運営は非難されてもいたようです。
下記のリンクのインタビューを見ると、すでに存続させる意思も薄くなっていたような印象です。

こういうデザイン組織はこれから難しくなりそう。

One of America’s most prestigious design organizations shuts down amid allegations of racism >>

チャマイエフ&ガイスマー&ハヴィヴ がデザインした 米国オリンピックパラリンピック博物館のアイデンティティ

米国オリンピックパラリンピック博物館のムービーの一部

米国オリンピックパラリンピック博物館

米国オリンピックパラリンピック博物館のポスターグラフィック

米国オリンピックパラリンピック博物館のパンフレット

米国オリンピックパラリンピック博物館のグッズ

難しい仕事だったと想像できます。
アスリートの躍動感、オリンピックの精神、五輪イメージとの連動、など多くの要件が盛り込まれているそうです。
そのうえで、政治キャンペーンのように見えないこと、アメリカの応援団のようにならないこと、という課題もあったようです。

デザインされたアイデンティティは要件を完璧に満たしたうえで、その精神を反映させていると思います。
簡潔なシルエットは風になびく聖火を連想させます。すばらしい仕事です。

社会常識や良識とともに造形力を発揮できるデザイン会社は、いつの時代も変わらず、適切で永続的に良い仕事ができるのでしょう。

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New Logo and Identity for USOPM by Chermayeff & Geismar & Haviv | Brand New >>

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ニューヨークタイムズの新型コロナを報道するためのレイアウトラフ

ニューヨークタイムズの新型コロナを報道するためのレイアウトラフ

ニューヨークタイムズ紙のクリエイティブディレクター兼チーフクリエイティブオフィサーのTom Bodkin さんのインタビュー記事です。
前例のない状況を伝えるために、自社の紙面レイアウトの規定を破ることにしたそうです。

「このアプローチはニュースのためです。クレイジーでドラマチックなことをするためではありません。型破りなことをするのはニュース・バリューが破格だからです。」

ページ全段を突き抜ける失業者のチャート。
新聞題字の上まで伸びる死者数のグラフ。
の紙面のレイアウトラフのようです。
新聞題字の上のスペースには印刷できないので、題字を少しだけ下に下げたそうです。
前例のない状況のなかで適切なレイアウトを毎日考えるのはスゴい仕事だと思います。

元記事はこちら
How the ‘New York Times’ is capturing the unprecedented impact of COVID-19 >>

タイムズスクエアに掲げられた、著名グラフィックデザイナーによるコロナ対策キャンペーンビジュアル

著名グラフィックデザイナーによるコロナ対策キャンペーンポスター

マイラ・カルマン、ポーラ・シェア など有名グラフィックデザイナーが参加してます。

先日観た ディーター・ラムズのドキュメンタリーのなかに出てきた「セレブ・デザイナー」という言葉も思い浮かびますが、いまできることをやるのは善いことのようにも思えます。

それぞれのグラフィックは下記のリンクで見ることができます。
21 #CombatCovid Posters From Paula Scher, Maira Kalman & More >>

the_new_yrok_times_fronr_page_chart

2000年からの週ごとの米国の失業手当の請求件数のチャートだそうです。%ではなく実件数での推移のチャートです。
チャートを正しいスケールのまま表示させるために、新聞紙面のレイアウトを変更しています。
結果として、非常時であることを力強く伝える紙面になってます。

リーマンショックが比較にならないことがよくわかります。

The most powerful single image of the COVID-19 crisis yet >>

コロナウイルスのインフォグラフィックのためのガイド CHARTABLE

コロナウイルスのインフォグラフィックのためのガイド informationisbeautiful

データの視覚化は複雑な情報を理解しやすくすることですが、視覚化のためのデザインがユーザーの解釈と結論に影響を及ぼさないように、そのデザインに至った文脈がわかるデータソースを提示すべきだそうです。
また、データの不確実性も考慮すべきとしています。

「事実をフィクションから分類し、過剰な不安を避けて、そして何よりも情報過多のこの時代に正確に通知され続けるように願っています。」

【1】
元データの収集方法が変更されることがあります。これがチャートのスパイクとして現れます。
チャートに使用されるデータの定義は一貫している必要があります。

【2】
データは毎日増えています。新たな知識も増えています。過去に作成したチャートが正しくなくなることがあります。
参照元を明らかにして、不確実性について注記をつけておく必要があります。

【3】
国や地域で人口規模、政治環境、保健システムは異なります。
コロナウイルスの死亡率などの数値を世界全体で平均したり一般化することはできません。
視覚化から導かれる結論に注意してください。

【4】
感染のリスクを伝えるためには、よりローカルな地図にマッピングすべきです。
また、世界地図には緯度による面積差があるので、地図の塗りつぶしよりもバブルの大きさで視覚化したほうが適切です。

【参考】Mapping coronavirus, responsibly >>

【5】
デザイナーはチャートの見やすさシンプルさを大切にしますが、それよりも、パンデミックの状況で情報を伝えていることに配慮すべきです。
センセーショナルに恐怖を煽るようなデザインをせず、適切な注釈で必要なコンテクストを提供すべきです。

【参考】17 (or so) responsible live visualizations about the coronavirus, for you to use >>

【6】
パンデミック初期のデータは不確実性が高いことに留意する必要があります。
たとえば、致死率のデータが時間とともに大きく変化することも有り得ます。

【7】
コロナウイルスを他の病気と比較することは困難です。コロナウイルスについてのデータはまだ不確実です。
過去の他の病気との不正確な比較をすることで、コロナウイルスを過小評価したり、対策やアドバイスを無視することに繋がらないようにすべきです。

【8】
いくつものデータソースが公共資産として提供されています。それらのデータソースは人によるもので、それを元にしたチャートも人によるもので、そのチャートを見るのも人だということを忘れないでください。
情報を拡散させる前に、データソースを確認してください。

【参考】What if Data Wasn’t Data? Spoiler Alert, it isn’t.

パンデミック状況下のインフォグラフィックのガイドとしてだけでなく、現代のグラフィックデザイナーの課題でもあると思います。社会状況を理解して適切に配慮したデザインができることが求められている気がします。
そういうセンスを持ち合わせていないと、クライアントにもダメージを与えかねないし、世の中に害を及ぼすことになる時代かも。

元記事はこちら
A complete guide to coronavirus charts: Be informed, not terrified | Fast.Co DESIGN >>