デザインツールとしてのプログラミングの可能性についての記事です。
とてもいい記事です。考えさせられるし、いろいろ思い出します。
Stig Møller Hansen氏のインタビュー記事で、クリエイティブコーディング、グラフィックデザインとコード、アルゴリズム、など、コードをデザインツールとして「使う」ことの可能性について話しています。
個人的には、デザイナーがコードついてプログラマーと同じレベルまで学ぶ必要はないと感じています。
ただし、コードについて正しく理解し学ぶことは、デザイナーの前提条件になっているとも感じます。
Stig Møller Hansen氏の記事では、コードをデザインの「ツール」として話していますが、デザイナーにとってコードは、学ぶべき「思考方法」でもあると思います。
コードがどのように実装されているのか、プログラミングがどのように設計されているのかは、この社会に役に立つデザインをするためにデザイナーが理解すべきことかも。
デザイナーはコーダーに「指示をする」「依頼する」ための知識が必要・・・という考えは、たぶん間違ってるでしょう。
デザインとプログラミングの融合がもたらす可能性とは >>
https://spctrm.design/jp/demagsign/where-graphic-design-and-programming-meet/
E.T.、スターウォーズ、バットマン、レザボア・ドッグス などの映画の、ビジュアル、タイトル、プロットなどをAIに学習させて、出来上がった画像で映画のポスターを制作してます。
Vincenzi というアーティストによる「ROBOMOJO」というプロジェクトの作品。
AIの限界と可能性、そして芸術、文化、未来との関係を探求するプロジェクトだそうです。
この作品では「AIを使って映画のポップカルチャーを再構築」しているそうです。
「人工知能は、私たちが知っているようなアートの終わりなのでしょうか? AIは人類の文化的過去をどのように解読するでしょうか? ましてや我々の文化的未来を構築するのでしょうか? このプロジェクトはAIを使った新しいテクノロジーの到来する波と、その結果人類の創造的なアウトプットがどのように進化していくのかについて、対話を開くものです。」とのことです。
おもしろいです。
映画タイトルのロゴやフォントが映画のポスターであることを成立させてくれてるのがわかります。
それにしても、この不気味さはどこから来るんだろう。
弾頭のような形の黒いスノーボールの中に白い鳩というアイデア。
大貫卓也のアートディレクションの批判的な視点は憧れで、懐かしい印象でした。
30年くらい前に学校の特別講義で、表現のアウトプットにおける「ぬるさ」について話していたのを思い出しました。
わざと高解像度ではないかのように見えるビジュアルにすることは、広告というジャンルに相応しく、また、広告に対しての批判も含まれているようでした。当時は衝撃的でした。
今回の展示のモノクロ写真のフィルム粒子の質感も、懐かしいです。
アナログからデジタルの制作環境に変わってから、過剰に高精細でデザインし過ぎる傾向にあるようです。明確なアイデアと「ぬるさ」のあるビジュアルは、シンプルに良いことなのかも。
下記のカレル・マルテンスのインタビューでも、
「色が多すぎる、形が多すぎる、アイデアが多すぎる。デザインの一部分をある種の躊躇や仄めかしとしておくのは難しいけど重要なことです。」
という話があります。
【関連記事】
カレル・マルテンスのインタビュー記事
1923年からAIGAが毎年発表している「50 Books|50 Covers」だそうです。
今年はタイポグラフィが豊作の年のようです。タイポグラフィしか使われていない本が多くあります。
画像とタイトルの両方を掲載するのが一般的だった10年前の書籍のトレンドとはまったく違っているそうです。
以下は抜粋です。
「今は書体デザインの黄金時代です。有色人種や女性など、より多様な書体デザイナーが活躍しています。グラフィックデザイン以上に、書体デザインは歴史的に白人男性だけのものでしたから。」
「顕著な例として、ブライアント・テリーによる料理本『Black Food』があります。表紙には料理の写真がなく、大胆で楽しい色とりどりのタイポグラフィが使われている珍しい料理本です。「食欲をそそると同時に、ブラックカルチャーを感じさせるものを作るために、活字を使っているのです」
「表紙は、本の中のストーリーや情報の土台となるような雰囲気を醸し出さなければなりません。デザインは感情的な行為です。表紙を作るには、多くの直感が必要なのです」
「『アフロサーフ』は、アフリカ大陸のサーフィン文化をテーマにしており、読者を直接見つめる黒人サーファーの写真と、アフリカの視覚文化を連想させる緑、黄色、赤のグラフィックで囲まれているのが特徴です。これは、喜びをもたらす娯楽についての本書の内容を反映していますが、歴史的に白人のスポーツであったサーフィンを黒人サーファーがどのように再定義しているかを論じることで、制度的抑圧に関する現在の会話にも関わっています。誰が見えるか、誰が含まれるかということです。」
1972年6月12日に設立されて、ちょうど50周年だそうです。
ペンタグラムは、建築家のテオ・クロスビー、グラフィックデザイナーのアラン・フレッチャー、コリン・フォーブス、マーヴィン・カーランスキー、工業デザイナーのケネス・グランジ の5人のパートナーによってロンドンで設立されました。
このパートナーという制度がよくわからないですが、大きな組織になってもうまく機能しているようです。
それにしても、素晴らしい作品群です。
わかりやすいイラストです。さすがワシントンポストです。
このイラストは戦車や車両を下向きに描くことで、ロシアが侵攻する側であり、こちら側にいる読者が侵攻される側にある認識を促しているようです。
ひとつの大隊は700〜900人の兵士と様々な種類の車両で構成されます。
戦車10両、装甲兵員輸送車6両、装甲歩兵戦闘車40両、砲兵車20両、などなど。
そして、食料、水、医療品を運ぶ車両は12台ほど。
そのうちの3台のトラックで10日分の食料が運べますが、12台の燃料輸送車は2日分の燃料しか運べないようです。
アナリストによれば、ロシア軍の補給には多くの問題がみられるそうです。
ウクライナの春は泥に覆われる季節で、車両による輸送はさらに困難になるそうです。
Why the Russian military is bogged down by logistics in Ukraine >>
How Russia botched the invasion of northern Ukraine, in one simple chart >>
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ウクライナ戦争に反対を表明するために世界のクリエイティブ・コミュニティに写真、画像、イラスト、アートを共有することを奨励する新しいオープン・プラットフォームが開設されました。
このプラットフォームは3つのリトアニアの企業によって運営が始まったそうです。
そのひとつリトアニアのデザインエージェンシーFolkのJustina Muralytė-Kozlovėのコメントです。
「多くのことが言われていますが、私たちが持つ力、ツール、影響力を使って行動することがとても重要だと感じています。フェイクニュースと戦うために有意義な方法で貢献し、事態の深刻さを理解させる視覚的な何かを提供することができるのです。私たちは、深刻で困難な題材に注目させることができるデジタルアートやイラストに焦点を当て、ウクライナの人々に対するこの戦争の本当の姿を世界に示し、苦しんでいる国民との連帯を表明したいのです。」
読んだことがないのですが『グラフィックデザインについて学んだルールはすべて忘れなさい -この本に書かれていることも含めて-』というボブ・ギルの著者があるそうです。
デザイン上の問題点を再定義し、独自の主張をすることが、独自の解決策につながるというのが彼の考え方だったそうです。
そういう彼のフィロソフィーについて紹介されています。
現代においても重要な考え方のように思えます。
「彼にとっては、アイデア(ソリューション)こそがデザインであり、常に第一の王者であった。・・・スタイルやテクニック、美的センスなどというものは、単に邪魔なもの、あるいは関係ないものだったのです。彼の第一の目標は、常にコミュニケーションの完全な明瞭性でした。」
「ギルにとって、どんなソリューションも、クライアントがそのアイデアを見ることなく、電話で説明できる能力があるかどうかが決定的なテストでした。」
「ギルの作品は、デザイナーには2種類あることを教えてくれました。美的感覚、つまりデザインはこうあるべきという考えに基づいてデザインするデザイナーと、視覚的なアイデアの独創性によって人々を立ち止まらせ、考えさせるデザイナーです。」
「彼のソリューションには、売り込みも説明も必要ない。彼の名前と同じように、彼の創造的な解決策は短く、簡潔で明快であった。若い美大生は、彼のそばにいて、彼がどんなデザイナーとどんなテーマで話しているのかを聞くだけで、多くのことを学ぶことができた。問題解決に対する冷酷なまでの評価で、彼はパンチを惜しまず、決して世間話をするような人ではなかった」
「デザインの流行や大衆文化の影響を嫌い、それを独創的な発想の障害とみなすギルは、反骨精神にあふれ、妥協を許さないデザイン革命家であった。デザイン思考を「皇帝の新しい服」のような装飾的なものにすることは、彼にとっては思考ですらないのだ。」
「2014年にBBCラジオのインタビューのためにギルと連絡を取ったが、彼の礼儀正しくも厳格に正確な物腰は、高齢になってもまったく衰えていない高度に調整された客観的な思考を映し出していた。数十年経った今でも、彼は相変わらず、自分のデザインに対する特異なビジョンを毅然とした態度で提唱していることがよくわかった。」
インターネット後のコミュニケーションに関するデザインの分野においては、こういう考え方が影を潜めつつあり、同じプラットフォームを利用したアレンジ違いでデザインするようになっているかもしれません。
ぜんぜん知らない本でしたが、ぜひとも読んでみたくなりました。
資本主義(キャピタリズム)に囚われたグラフィックデザインとデザイナーについての本のようです。
「○○としてのデザイナー」と題された4つの章で構成されているようです。
書評としてとてもいいと思います。
現代のグラフィックデザインを考えるうえで重要な本のようです。
日本語版の出版をお願いしたいです。
アルバムアートを手がけたアーティストのスタンリー・ドンウッドは、トム・ヨークの学生時代からの友人だそうです。トム・ヨークが楽しそうに紹介してます。
『Kid A』のレコーディング中とその直後に制作されたドンウッドのキャンバス作品6点が出品されるそうです。
アルバムのコンセプトとその世界観を担うアートワークを重視して、『Kid A』のレコーディング時にドンウッドがスタジオに招かれ、アルバムの雰囲気に合わせて絵を描くことになったそうです。
サウンドとその時代の不穏な雰囲気を反映した素晴らしいアートワーク。
The story behind Radiohead’s cover art: meet Thom Yorke and Stanley Donwood >>
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