リオ、ロンドン、北京のような文化的なキャラクターは感じられず特徴に乏しい感じもしますが、わかりやすいデザイン。

無難であってもそれが正解ということでしょう。
アニメや絵文字をモチーフにしたピクトグラムだったらガッカリだったかも。

個人的にはもう少しディテールが省略されてるのが好み。

円のなかにおさめる「フレームタイプ」は海外の人には日本的イメージに見えるのかな。

東京オリンピック スポーツピクトグラム発表。全33競技50種類 – Impress Watch>>

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どれも力強いグラフィックで見応えありました。
大日本印刷のギャラリーなのでポスターが中心の展示でしたが、CIやVIの仕事をもっと見たいところでした。

実物のポスターは初めて見ましたが、ズッシリとした黒が印象的。
それでいてマッチョな汗臭さではなく、優しくおおらかな80年代な雰囲気。

展示のテーマになってる「SERIOUS PLAY」については、下記の関連記事のTED動画を見るとよくわかるかもです。

【関連記事】ポーラ・シェア 『本気(serious)のグラフィックデザイン、真面目(solemn)のグラフィックデザイン

【関連記事】ニューヨークのアトランティック・シアター・カンパニーの新しいアイデンティティ

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エレベーター会社のイメージを「設備ベンダー」から「サービス提供」に転換させようというブランディングだそうです。ユーモアと普遍性があって、信頼性のイメージも確保しているのが好印象です。

ありふれた製品の退屈な業種(失礼!)のブランディング課題に真摯に取り組んで、シンプルで相応しい、賢明な回答を提示してる感じです。いい仕事。

Mitsulift Elevators – An ode to the art of vertical living — Base Design >>

「博士の異常な愛情」「時計仕掛けのオレンジ」で予告編、タイトルバック、本編で登場するタイポグラフィの一部を手掛けていたそうです。

あの手描き文字のタイトルバックについても語っています。
パブロ・フェロとスタンリー・キューブリックのお互いに敬意を払う超一流のコラボレーションが見てとれます。
「博士の異常な愛情」でのストック動画と音楽の使い方はパブロ・フェロのセンスだったのかも。

他にも有名映画のタイトルバックを数多く手掛けていたようで「メン・イン・ブラック」もそのひとつ。
パブロ・フェロは2018年11月16日に他界されたそうです。

元記事にはていねいな解説もあってありがたいです。

元記事はこちら
キューブリック作品におけるパブロ・フェロの仕事 : KUBRICK.blog.jp|スタンリー・キューブリック >>

今年はじめにニューヨークでデザイン会社をやってる Philip VanDusen さんが予想していた15のデザイントレンド。
さあ、半年が過ぎてこの予想は当たってるでしょうか。

紹介されてるトレンドはやや子供っぽい感じもしますが、いまどきの80年代っぽい雰囲気をうまく説明してくれてるようで勉強になります。

【関連記事】2018年には消えてほしい10のデザイントレンド >>

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ニューヨークの地下鉄マップで有名なマッシモ・ヴィネッリは、同時期にワシントンD.C.の地下鉄のサインシステムも依頼されていたようで、そのときのマッシモ・ヴィネッリのデザインスケッチが新たに発見されたそうです。

最終的にはランス・ワイマンがデザインすることになったそうです。とても豪華なコンペ。

ヴィネッリのデザインは複雑な地下鉄をシンプルに理解できるように配慮していることがうかがえます。

でも、ランス・ワイマンのデザインも素晴らしいです。
Lance Wyman | Washington Metro Map >>

ヴィネッリの新たに発見さらたデザインについて詳しくはこちら >>
The Long-Lost Vignelli Maps for D.C.’s Metro System – CityLab

マッシモ・ヴィネッリ のアーカイヴはこちら >>

【関連記事】マッシモ・ヴィネッリの5つの言葉をヘルベチカで組み上げた5点のポスター

【関連記事】マッシモ・ヴィネッリのブックデザインのプロセスを紹介してる動画

NSA_posters

機密管理についての啓蒙ポスターですが、おもしろいです。

「セキュリティに休日はない」
「セキュリティはみんなの責任だ」
「あなたの捨てたゴミも、だれかの宝になる」
などなど、機密漏洩の防止を執拗に徹底的に呼びかけてます。

でも、どこかユーモアがある感じ。
グラフィックもその時代らしい味わいです。
「signed, sealed, secured.」ってコピーもありましたが、当時のスティービー・ワンダーの曲からとってるのかな。

PDFファイルはこちら(重い)
National Security Agency (NSA) security/motivational posters from the 1950s and 1960s >>

元記事はこちら
The NSA’s newly declassified propaganda posters are wild >>

会場にほとんどお客がいませんでした。

会場の入り口付近に上のインタビュー動画の日本語字幕付きが展示されていました。
このインタビューのなかでヴィム・クロウェルは、 グラフィックデザインの役割は視覚的な「規律」をもたらすことで、それは人々の生活に役立つことであり、贅沢ではなく必要なことだ・・・・といったようなことを語ってました。この考え方は、現代の企業サイトやウェブコンテンツをデザインをする人たちによく当てはまるでしょう。

彼が共同創業したトータルデザインが60年代〜70年代に取り組んだことは、21世紀のいまでも重要性は減じていないと思っています。

展示はとても見応えあって楽しかったですが、ヴィム・クロウェルの業績を「グリッド」でまとめるのは、ちょっとどうかな・・・という気もしました。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー『ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて』 >>

bill_gold

カサブランカ、時計仕掛けのオレンジ、スティング、エクソシスト、ダーティハリー・・・
あの有名な映画ポスターをデザインしたグラフィックデザイナーだそうです。
97歳だったそうです。

それはきっと幸せな仕事だったことと思います。

Iconic film poster designer and illustrator Bill Gold has died aged 97 >>

Bill Gold >>

ニューヨーク育ちのミルトン・グレイサーが自らの生い立ちとニューヨークへの愛着、誰もが知るあのロゴの誕生について語っています。

あのロゴはタクシーの中で考えついたようです。

英語なのでちゃんと理解できてないかもですが・・・
「だれもが『ニューヨークを愛してる』『ここが故郷だ』『私はここに残る』と言いたい気持ちだったんだ。」と話していて、それがこのロゴが成功した理由だったようです。

とてもいい話をしているようで、日本語字幕がほしいです。