上の画像はMacのGUIをデザインしたスーザン・ケアによる General Magicのグラフィックユーザーインターフェイスのスケッチだそうです。
これが描かれたのは1992年ですが、すでに今日のスマホとかアプリやSNSの原型が見てとれます。
AppleのAI部門の責任者
IoT技術会社Nestの創業者
Googleの音声認識のリーダー
TwitterのCTO
LinkedInのCTOと共同設立者
Appleの技術担当副社長
といったスゴいメンバーは90年代にシリコンバレーのスタートアップ General Magic で働いていたそうです。
彼らはもともとMacintoshの開発チームでAppleからスピンオフして General Magic を設立したそうです。
General Magic は誰もが使えるモバイルコンピューティングデバイスの開発を目的としていました。
当時はインターネット前夜という時代でこのコンセプトの重要性が開花するのは10数年後でした。
当時 General Magic に在籍していた6人のインタビュー記事で、今日の デザイナー、エンジニア、起業家に向けたアドバイスだそうです。
「新しいパラダイムを創り出すことを怖がらないでください。」
ユーザーのニーズに基づいて、もっとも根本的な問題を解決すること。
そのためには既存のものの組み合わせではなく、存在しないモノやコトを開発することも厭わない姿勢が大切なようです。
John Giannandrea
GENERAL MAGIC のエンジニアで、AppleのAI部門の責任者
「ひとつづつ取り組むことを忘れないでください。」
野心的なプロジェクトほど多くのことに取り組む必要があります。でも、いちどにすべてを解決することはできないので実装は段階的に行う必要があります。
そのためには現実的な見通しに基づいたマネージメントが必要だというアドバイスのようです。
General Magicのマーケティング責任者で元Macintoshチーム
Joanna Hoffman
「最重要人物はユーザーであることを忘れないでください。」
収益性とか戦略とかのまえにユーザーのことを考えること。また開発者自身もユーザーであるべきだそうです。
Andy Hertzfeld
Macintoshのソフトウェア・アーキテクト
General Magicの共同設立者
ユーザーを理解して、同じくユーザーである私たち自身のためにデザインした。
そうやって望んでいた素晴らしいユーザーインターフェイスがデザインできたそうです。
でも当時はまだそのデザインを社会に浸透させるには至らなかったようです。
Tony Fadell
General Magic のエンジニア
iPodとiPhoneの発案者
Nestの創業者
「批判を取り込むことでアイデアは鮮明になります。」
先見の明のあるスマートな人からの鋭く厳しい批評を受けて自己疑惑に陥るような体験を通して、アイデアやビジョンを強固に明確にしていくことができるそうです。落胆して拒否するのでなく無料のコンサルティングとして受け止めて利用するのがよいそうです。
Marc Porat
General Magic のCEOで共同創業者
「マスターから学ぶ。」
General Magic には多くの製品を手掛けた経験豊富な先輩たちがいて、若い人は彼らから多くを学び、共に働く機会を得られたようです。
Megan Smith
General Magic のメカニカルエンジニア
米国の最初の女性CTO
元Googleの副社長
「悲観的な楽天家であり、決して希望を失わないこと。」
慎重な楽天主義者でいつも希望を持っていなくてはなりません。
Tony Fadell
「テクノロジーの失敗とそれを解決するための闘い。」
現在のテクノロジーは人々の自由や民主主義を貶めるようになったと指摘しています。
テクノロジーは素晴らしいが、あるグループにとってのデフォルトが設定されていて、他のグループはそのデフォルトに追従するしかない状態は間違っています。これはすぐにでも変更されるべきです。
Megan Smith
何かを変えるときにはリスクが伴います。
エンジニア、デザイナー、起業家は何かが間違ってるとわかったらリスクを負って素早く動かなくてはなりません。
あなたが間違いを犯すことがあります。そのときは素早く修正してデザインしてください。
リスクがわからないときもあるでしょう。そのときは私たちを参考にしてください。
他人を責めず、自身で負い、変化を
Tony Fadell
元記事はこちら
7 design lessons from Silicon Valley’s most important failure >>
【関連記事】
90年代のシリコンバレーで現在のスマーフォンの基礎を創った会社のドキュメンタリー映画『GENERAL MAGIC』>>
今年はじめにニューヨークでデザイン会社をやってる Philip VanDusen さんが予想していた15のデザイントレンド。
さあ、半年が過ぎてこの予想は当たってるでしょうか。
紹介されてるトレンドはやや子供っぽい感じもしますが、いまどきの80年代っぽい雰囲気をうまく説明してくれてるようで勉強になります。
詩的な内容の色彩研究のようですが、色彩の前進/後退など現在の美術教育の色彩理論の先駆けとなった研究と言えそうです。
よく似ているように見えますが、ヨゼフ・アルバースよりも時代的には前になります。
当時は女性の社会的立場が弱い時代だったため重要視されなかったのか、あるいは、時代に先行しすぎたのか・・・。長い間忘れ去られていたそうです。
再出版に向けてKICKSTARTERで出資を募って、すでに充分な資金が集まったようです。
Color Problems – A Book by Emily Noyes Vanderpoel | KICKSTARTER >>
アップルの『ニュートン』は覚えてますが、GENERAL MAGIC 社のことは知りませんでした。
この映画はぜひ見たいです。
現代のスマホに繋がるコンセプトがちゃんと揃っていたように思えます。
GENERAL MAGIC はパソコンにおけるパロアルト研究所のようだったのかも。
いまもどこかにこういう会社があって、今日も秘密裡に20年後の未来の基礎を創ってるのでしょうか。
アマゾンの昨年の収益は56億ドルだそうです。スゴいです。
アマゾンのWebストアはシンプルでも美しくもありませんが、これが機能しているということを認めざるを得ないでしょう。
なぜ、AmazonのWebストアはあんなに機能しているのか?
そこにはショッピング体験のための4つの原則があるそうです。
1. 透明性(TRANSPARENT)
2. 具体性(TANGIBLE)
3. 信頼性(TRUSTWORTHY)
4. 有用性(HELPFUL)
なるほど、成功するわけだと思えます。
「成功したデザインは必ずしも美しくはない。」
「よく考えられたデザインだけど美しくない。」
そういうこともありますが、表層としてのビジュアルデザインよりもそのシステムとそこに至る判断基準に競争力があるということかもしれません。
Amazonのスゴさを理解するには、そういう掘り下げが必要なのかも。
何かをデザインをするまえに、いままでよりもさらに深く理解する必要があるのかも。
元記事はこちら
おもしろい記事でした。
The Design Theory Behind Amazon’s $5.6 Billion Success >>
インドの労働者の短い憩いのチャイの時間。
そのチャイを湧かすやかんの熱で発電してWi-Fiを提供してネットを使えるようにしたそうです。
インドで有名なチャイの会社のキャンペーンのようで「Chai-Fiは労働者の暮らしにひとときの悦びをもたらしました」と締めくくられています。
とても素敵なIoTと思ったら、インドの労働者は1日16時間〜17時間(!!)も働くと紹介されていて、ディストピアの日常風景のように見えてきます。
テクノロジーと人の幸せについて、考えさせられます。
元記事はこちら
チャイと共に無料Wi-Fiで楽しい一時を。インドのチャイブランドによる「Chai–Fi: A tea kettle that generates Wi-Fi」 >>
ニューヨークの地下鉄マップで有名なマッシモ・ヴィネッリは、同時期にワシントンD.C.の地下鉄のサインシステムも依頼されていたようで、そのときのマッシモ・ヴィネッリのデザインスケッチが新たに発見されたそうです。
最終的にはランス・ワイマンがデザインすることになったそうです。とても豪華なコンペ。
ヴィネッリのデザインは複雑な地下鉄をシンプルに理解できるように配慮していることがうかがえます。
でも、ランス・ワイマンのデザインも素晴らしいです。
Lance Wyman | Washington Metro Map >>
ヴィネッリの新たに発見さらたデザインについて詳しくはこちら >>
The Long-Lost Vignelli Maps for D.C.’s Metro System – CityLab
「ユーザーのためのデザイン」ってどいうことなのか、考えさせられます。
いつまでも続くスクロールのアクションとスロットマシンのレバーを引くアクションは同じようなものだという話は納得です。日本ではパチンコでしょうね。
エンゲージって必ずしもいい意味ではないのかも。
ずっと前に展覧会に行ったらご本人が作品を説明していました。
1970年代の実物の印刷物のポスターを自分でパネルに貼ったと言っていたのを覚えています。
展示されていた作品は詩的で、必然性があって、扱っている内容(コンテンツ)への熱意を感じました。
「デザインは姿勢(アティテュード)である」という理念のとおりの作品で、グラフィックデザイナーのポリシーとしてお手本のように思えました。
ヨーロッパのミニマルでオシャレなSF映画みたいです。
2018秋冬コレクションだそうです。
そのロゴが持つイメージをちゃんと解釈して再構成して提示してる感じ。
実際に着ることはないかもですが、カッコイイです。
手掛けたデザイナーはこちら
heron preston
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