81歳になるカレル・マルテンスが失敗を重ねながらデジタルなデザインプロセスに挑戦した様子をインタビューで答えてます。
「わからない」という状況で、創造的に失敗を重ねることの大切さが伝わってきます。
うまくできることを繰り返すのではなく、失敗のプロセスにこそインスピレーションがあるようです。
また、現在のデザインは「完成しすぎ」で、デザインには「不在(欠けていること)」が大切だとも話しています。
若い頃にこういう先生に教わりたかったです。
以下は抜粋・・・
カレルが1961年にアーネム・アカデミー・オブ・アート・アンド・インダストリアル・アーツでファインアートを学んだ後にキャリアをスタートさせたとき、業界は今日のようなスクリーンベースの分野とは全く異なっていた。当時、彼は8~9ポイントサイズの小さな活字を手描きで描いていました。ボタンを押すと目の前に文字が現れるという今日の技術的なシンプルさとはかけ離れたものでした。
・・・現在のテクノロジーは、Adobeデザイン以前の時代に存在していた制限の多くを消し去ってくれます。しかし、カレル氏にとって、グラフィックデザインは制限から生まれたものであることを忘れてはならない。だから、この新しい時代になっても、アートの基本はほとんど変わっていないのです。
「好奇心は人間にとって非常に重要なものです。棚の上の本を見れば、好奇心が湧いてくるはずです。デザインにおいては、目に見えないもの、不在がとても重要です。でも、デザイナーは、ある食材をセットで提供したり、あるものを暗示したりすることができます。」
ボタンをクリックするだけで簡単に使えるようになった現代では、デザインが「完成しすぎ」と感じることもあるとカレル氏は言います。結局のところ、コンピュータは最初に人間の手によって作られたものを真似しているのです。カレル氏は、この完全すぎるという概念について次のように述べています。「色が多すぎる、形が多すぎる、アイデアが多すぎる。デザインの一部分をある種の躊躇や仄めかしとしておくのは難しいけど重要なことです。」
・・・現代のテクノロジーはデザイナーを「怠け者」にしたと言う人もいるかもしれませんが、一方でカレルにとっては、アナログな方法に戻ることは意味がないと考えています。今あるものには理由があるのです。過去は終わってしまったのです。
「もう誰も作れないような方法で本を作るのは馬鹿げている。それはパッセだし、美しいかもしれないし、繰り返しても美しい。でも、2回目、3回目になったら、新しいことを始めるべきだと思います。」
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