Old Spice、Dumb Ways to Die、Fearless Girl、Appleの1984やiPodなど世界的に有名な広告キャンペーン。
広告業界のレジェンドたちがエピソードを披露してます。
知らない広告もありましたが、どの広告キャンペーンも力強く誠実な印象です。
見ておいて損はないと思います。
14 Iconic Ad Campaigns, Recalled by the Creatives Who Made Them | Muse by CLIO >>
メディア・アート作品をはじめとする、現代のメディア環境における多様な表現をとりあげる、幅広い観客層に向けた展覧会だそうです。
ICCの展示が好きで年に何度か見に行くのですが、テクノロジーで変位する「視点」とか「触覚」というテーマが感じられて、おもしろいです。
最近のイベントや展示では体験型エンタテイメントっぽい企画が増えたような気がします。
チーム・ラボとかの影響かもですが、そこにいる人を喜ばせようとしすぎて、学祭の模擬店や祭りの夜店のような賑やかしになってしまってないか、展示企画をする人は気をつけた方がほうがいいかも。
Studio O+A は有名テック企業のオフィスを手掛けてきたインテリアデザイン会社。その共同創業者Verda Alexanderの記事です。
この記事はオフィス・デザインだけでなく、SNS後のあらゆる分野のデザインについての課題のように思います。
Studio O+Aではプロジェクトを始めるときに、最初にPinterrestやInstagramのような画像サイトを参照しないようにデザイナーに通達されるそうです。
「他人のデザインを参照し続けていると、変化が少なくなります。少しでも新しいものを探し求めるべきです。」とのことです。
インターネットによってデザインは洗練されたと O+Aの共同創業者Verda Alexanderは語ってます。
「インスタ映え」するオフィスは、その企業とそこで働く人を魅力的に見せます。
そういうオフィスをデザインすることはクライアントの賛同を得やすくして予算を最大化させる健全な戦略だそうです。
その一方で、インスタ映えのような「一瞬の魅力」のデザインがエスカレートすることを危惧しているようです。
「私たちがデザインしている空間は「瞬間」ではありません。そこは従業員が日々を過ごす場所です。デザイナーとして、私たちは次のことを自問しなければなりません。私たちは美しく機能的な空間を作り出していますか?それとも単にインスタ映えする「瞬間」を作り出していますか?」
「2013年に私たちが取り組んだプロジェクトにおいて、いくつかの見落としていたことがありました。ベルベットやゴールドミラーなどの魅惑的なデザインのエリアがありましたが、労働者が実際に日々を過ごす職場の大部分は灰色で無地でした。これは、設計者が重要な領域、つまりエントランスや目に見える共有スペースに努力を集中することで予算を最大化させる戦略です。それは健全な戦略であり、長年にわたって私たちにとってうまく機能しました。また、クライアントの賛同を得やすくなります。クライアントは、これらの瞬間の1つに興奮し、プロジェクト全体を青信号にします。」
「環境に配慮したオフィスを志向する企業は、デザインの瞬間は最優先事項ではないと判断しています。」
「SNSやブログを見るのはデザイナーだけではありません。クライアントとその従業員も見ています。・・・私たちのクライアントは時々既存の期待を持っています。時には彼らはすでに自分の頭の中にオフィスをデザインしています。彼らは他のどこかで見たものを好むかもしれません。それは、そのクライアントの問題解決と、ユニークな文化を伝えることを目的としたデザインプロセスを混乱させます。」
「Studio O + Aに最初に真剣な注目を集めたプロジェクトを覚えています。これはパロアルトにあるFacebookの最初の本社であり、2010年に完成しました。・・・(Facebookオフィスをデザインしたおもしろい紆余曲折のエピソードがあって)・・・同じ年に立ち上げられたInstagramで他のデザイナーがデザインしているものをキャッチ・アップすることがなかったので、私たちはクライアントと一緒にその旅をすることができました。写真を作成するつもりはありませんでした。」
この儚い「一瞬」のための要望に答えることが、デザイナーを追い込んでいるような気がしています。
デザインのプロセスをショートカットして作られた一瞬の「映え」がのために、デザインの価値やモラルが低下していないか検証する方法があるといいかも。
元記事はこちら
Is designing for Instagram hurting design? | FastCo >>
1959年に設計し、ライトの死後、弟子の John Rattenburyが1967年に完成させたそうです。
3つの寝室に3つのバスルーム、三日月型のプールがある曲線の家。
景観と完璧に調和してます。
昨年も売りに出されていたようで、買い手がつかなかったのかも。
こういう建築物を購入するのは文化財を購入するようなもので、複雑な手続きと責任が伴うようです。
くわしくはこちら
Frank Lloyd Wright’s last home is being sold at auction with no minimum >>
IPAは英国の広告業界の業界団体やシンクタンクのような(有名な)組織のようです。そのIPAが発表した衝撃的なレポート。広告や販促のキャンペーンにおいては、広告賞を受賞するような優秀なクリエイティブは有効性がなくなっているそうです。
レポートのサマリーは以下ような感じ・・・
このレポートは、過去10年間に広告賞を受賞したキャンペーンの、キャンペーン効果としての有効性の深刻な減少傾向を特定しています。
1. 広告賞を受賞したキャンペーンは、24年間でこれまでよりも効果が低くなり、受賞していないキャンペーンよりも効果が低くなりました。
2. この有効性の崩壊は、短期的な活性化に焦点を当てたクリエイティブへの移行と、これを促進した戦略とメディアの傾向によって説明できます。
3. クリエイティブは、短期間でその潜在能力をほとんど発揮しないことは長年知られていますが、短期的で使い捨てで、最終的には非効率的なクリエイティブの傾向が続いています。
4. これは、クリエイティブのベストプラクティスから学ぶことで簡単に改善できます。
広告賞を受賞したうえで効果の高かったキャンペーンは、効果の低い同業他社と比較して8倍の効果があり、収益性が大幅に向上する可能性がほぼ16倍です。(ちょっとよくわからない比較です・・・)
別の記事ではこのレポートに理解を示して・・・現在のマーケティングの特徴は、長期の効果を犠牲にする短期化、有効性の存続を不可能にする予算削減、効果のない仕事に賞を与える審査員の増加・・・と書いてます。
サマリーを読むとレガシーなメディアと既存のクリエイティブ権威を礼賛しているようにも見えますが、このレポートが投げかけている議論はもっと重大かもしれません。
ここで挙げられている創造性の効果を減じさせている原因は、いま制作プロダクションを疲弊させている事象と一致しているように感じます。
さらに、消費者やユーザーは広告キャンペーンのクリエイティブをウザいと感じていて、キャンペーンの成功は目に見えるようなクリエイティブの効果ではなく、消費者やユーザーの文脈の奪い合いに移行していているような気がします。
『The crisis in creative effectiveness』 >>
『The Tragic Horizon: Resisting Marketing’s Drift Towards The Business Of Value Destruction』>>
80年代にグラフィックデザイナーのミュニエル・クーパーがMITで行ったワークショップが発端となったようです
そこから現在のp5.jsに至るまでの、John Maeda、David Small、Lisa Strausfeld、Golan Levin、Ben Fry などによる講演のような、思い出話のような、興味深い内容です。
MITでのことなので、当初はグラフィックデザインの勉強もあまりしてなかったらしく、著名なグラフィックデザイナーから酷評されたこともあるようです。
「コンピューターはデザインの未来だと言い続けていました。」
「あなたが何をしているのかわかりませんが、グラフィックデザインではありません。」
(マイケル・ビアラットのこの指摘は正しいとも言えそうです。)
「ソフトウェアを芸術やデザイン教育に統合する方法を変えたかったのです。学校が生徒にPhotoshopやIllustratorの使い方を教える方法は完全に表面的なものであり、新しいメディアの可能性を模索することさえしなかったと思いました。単にツールとして使用するのではなく、メディアをより深く理解してもらいたかったのです。」
「多くの人は、画像を生成するためにコードを書かなければならないことは、実際にそれを行うツールを持つことから大きく後退していると言うでしょう。しかしジョンは、自分で絵具を混ぜたり素材で作業したりする方法を知らない画家はいないという考えでした。」
きっと先駆者としてのミュニエル・クーパーの先見性は素晴らしいものだったのでしょう。
競争ではなく共有によって発展してきたことも素晴らしいことだと思います。
いままた、ツールと制作者とコミュニティの関係には新しい問題が起きているようです。
How Computer Code Became a Modern Design Medium—an Oral History | Eye On Design>>
90年代のYahoo!のロゴは、楽しさ、熱狂、不遜、といったイメージだったそうです。当時のインターネット企業はそういうイメージでした。
2013年にYahoo!のロゴはリニューアルされて、大人っぽくなりました。インターネット企業が社会的な責任を問われるようになった頃でした。
今回のリニューアルはゼロからやり直したそうです。
その社名に込められた「遊び(fun)」の精神を受け継ぐのが、イタリックの「!」なのだそうです。
90年代からずっとYahoo!にある「奇癖」や「特異性」のシンボルとして「!」をモチーフにしているようです。
なるほど、いい着眼点な気がします。
くわしくはこちら
Michael Bierut rebrands internet giant Yahoo | It’s Nice That >>
ジェフ・クーンズのプレゼンテーション能力の高さは異常。
まだ思いついただけの段階の作品のイメージを、しゃべりだけであそこまで魅力的に伝えられる能力には、ぜひともあやかりたいです。
まだ制作されていない作品が高額で売買されるというのも納得です。
現代アートの市場で実践されているマーケティングやブランディングは、広告、WEB、販促 などのコマーシャルな世界のそれよりもはるかに複雑で洗練されてる気がしました。
現代アート作品は不動産や株式や仮想通貨と同様に投機の対象になっていて、アートとしての意味や価値とその価格との間には必ずしも明確な関係性はないようです。(不動産や株式や仮想通貨も、その意味や価値とその価格にも必ずしも関係があるわけではないかも。)
この映画に登場するアーティスト、ギャラリスト、コレクターの多くが、それぞれの価値観と方法でアートを愛していることがわかります。ただの投機熱だけでないアートに関わる生き様を見ることもできる映画でした。
「データを21世紀の石油と考えると、私たちはそれぞれ、世界で最も価値のある企業によって個別に採掘されている小さな油田です。・・・ユーザーデータの一部と引き換えに「無料」サービスが提供されるトレードオフに慣れてきました。 IoTは、そのような情報を収集することに大きく依存する新しい種類のオブジェクトを私たちの家に導入しました。・・・ユーザーデータの流れを制限しようとすると、結果的にサービスや製品へのアクセスも制限されるとしたら、私たちは許容して自らのデータを差し出す以外の選択肢はないのでしょうか?」
・・・という命題についてのコンセプトモデルのようです。
IoTデバイス経由で収集されるあなたのデータを「架空の情報のベール」で隠してくれるオブジェクト。
さまざまな方法でユーザー情報の収集を阻止してくれます。
オブジェクトA:ウェブカメラのハッキングを防止するカメラ
おもちゃのカメラの原理でウェブカメラにさまざまなシーンを表示させます。
オブジェクトB:アレクサをからかう架空の音声のオブジェクト
架空の環境音や会話音声でアレクサのアルゴリズムを混乱させるようです。
オブジェクトC:偽の履歴を残すボタン
PCに接続してボタンを押すと、google、facebook、youtube、twitter、Amazonに架空の閲覧履歴を残します。
オブジェクトD:デバイスをランダムに操作するオブジェクト
あなたが家にいないときに、ユーザーデータを収集するIoTデバイスをランダムに操作して、架空の使用パターンをつくります。
コンセプトモデルというよりも、コンセプト・アートといっていいくらいの低い実現度でしょう。
コンセプトの持つメッセージは「心配しすぎだ」「考え過ぎだ」ということのようですが、こうして出来上がったっ架空のユーザーアイデンティティを別人格として持っていると、毎日のネットがおもしろく感じられるようになりそうな気もします。
コーポレート書体をデザインするデンマークの会社「コントラプンクト」の展覧会。
「コントラプンクト」が手掛けた企業やブランドのオリジナルのアルファベット書体についての、コンセプト、特徴、使用例、などを紹介してくれてます。
展示だけではわかりにくいですが、会場に置いてあるパンフレットを読むとよく理解できました。
それぞれのプロジェクトについてよく調査した見識からの明確なコンセプトがあって、一貫性のあるタイプフェイスにまとめあげられてる感じ。
タイプフェイスの造形だけでなく、デザインのアプローチがいいです。
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