「あおくんときいろちゃん」で有名な絵本作家になるまえの広告業界での大活躍など、見応えある展示でした。
グラフィックデザイナーとしての若い頃の、流行に敏感で、オシャレで洗練されたモダンな感じが、瑞々しくて良かったです。軽妙洒脱という感じ。
実現しなかった仕事もたくさんあったようですが、それでも次々と軽快に仕事を続けていったようです。
魅力的な作品だけでなく、そういう仕事への取り組み方がかっこいい印象でした。
広告業界の変化に疑問を感じて、自身の創造性の探求に向かうことになるストーリーも興味深いです。
原画をなくしてしまったのか、「スイミー」の原画展示のために、もう一度描いていたのは、なんだかとても広告業界っぽい感じがしました。
2020年のコロナ禍ではデータビジュアライゼーションはj大切な役割を果たしました。
19世紀や20世紀初頭の疫病流行のときとは違って、世界中のネットワークから収集されたデータが、21世紀のツールで視覚化されて、即時に世界中に共有されました。
これまでの人類の歴史に疫病は何度かあったでしょうが、今回のようなことはじめてかも。
ニューヨークタイムズ紙やワシントンポスト紙の記事は素晴らしいグラフィックデザインだったと思います。
下記の記事では、データ可視化の歴史の紹介からはじまって、現在のテクノロジーをどのように使っているのか、データのスケール、影響力など、現状と課題も紹介しています。
デザイナーがどのようにメタファーを使ったかについての紹介は、デザイナーがデータを扱うときの態度として、大切なことを説明してるような気がします。
■元記事
2020年の混沌を理解するのに、データデザイナーがどのように役立ったか >>
■関連記事
ニューヨークタイムズの新型コロナを報道するためのレイアウトラフ >>
コロナが世界中でどのくらい速く拡散しているのか可視化したインフォグラフィック >>
Ji Lee さんがパーソナル・プロジェクトとして20年くらい続けているそうです。
はじまりは美術学校の課題だったそうです。
「この課題は、外部のパーツを一切加えずに、単語を形成する文字のグラフィック要素だけを使って、単語の意味を視覚化するというものです。難しかったですが、言葉を「クラックする」ということには大きなやりがいがありました。だから、これは私にとって生涯のプロジェクトになりました。」
たしか美術大学で同じような課題があった気がします。
メッセージとワードとビジュアルに整合性がを持たせることができるか、
どこまでシンプルな表現にできるか、
そのメッセージは正しいか・・・などなど、
デザインのトレーニングとしていい課題だったと思います。
Indika Entertainmentのクリエイティブディレクター、James Verdesotoさんが、映画のポスターデザインにおける色の心理学に焦点を当てて解説しています。なるほど、勉強になります。
コメディーのシチュエーションを視覚的にわかりやすくする白背景の写真と赤文字のタイトル。
さらに余白をうまく使って視線を誘導しています。
スリリングなアクション映画のポスターに見られる、走る人物のシルエットと青と黒のイメージ。
そのもとは「第三の男」のポスターや90年代のジョン・グリシャムの小説の表紙にあるそうです。
低予算のインディ映画では、目に留まりやすい黄色を背景にすることが多く、これは50〜60年代のヨーロッパの映画ポスターが元ネタのようです。
最近のアクション映画のポスターは、コントラストの強い男性的なモノクロ写真にオレンジ色の炎を配置して、若い観客に訴えてるそうです。
SF映画のポスターによく見られる、ダークな青背景にオレンジ色のアクセントのポスターも、若い観客へ訴える効果があるようです。スター・ウォーズのポスターはわかりやすい例です。
ほかの動画はこちら >>
Movie Poster Remakes vs. Originals, Explained | Vanity Fair
2019年のララ・トランプ氏の投稿のtwitter投稿を見たベルギー人デザイナーのKarim Douïebさんは・・・アメリカ大統領選挙で見られる多くの選挙地図は、実際に住んでいる人々の数を表しておらず、何千マイルもの空地がトランプ氏に投票しているように見える。これはデータの可視化という点で間違っている・・・と感じて自ら修正したインフォグラフィックを投稿しました。
このインフォグラフィックでは、各州を政党別に塗り分けただけではなく、有権者の数を地理的に視覚化しています。
共和党が優勢に見えるのは、地図上の誤解であることがわかります。
このインフォグラフィックは多くのバージョンが制作されたそうです。
秀逸なのは、各州の塗り分けの地図と有権者の数をアニメーションさせたことだと思います。
有権者の数のビジュアルだけでは形が歪んでいてアメリカの国土の形との関連性をうまく認識できませんが、各州の塗り分け地図とのアニメーションにすることで関連性を理解して、状況を把握できます。
Karim Douïebさんのインフォグラフィックはこちら
Try to impeach this? Challenge accepted! >>
元記事はこちら
U.S. election maps are wildly misleading, so this designer fixed them >>
アメリカの活版印刷会社9社によるメモ帳のカバー。
ドキュメンタリー映像も味があります。
その手触りから伝統技術への愛情が伝わってきそうです。
「アメリカの活版印刷の歴史に浮き彫りにされた伝統を継承しながら、レイアウト、テーマ、メッセージは、遺産、地理、伝統、社会問題に関する個人的な表現であり、今日の活版印刷コミュニティの多様性と強さを示しています。」
アメリカのグラフィックデザインや印刷業に草の根で受け継がれていそうな、こういう伝統やコミュニティは素晴らしいと思います。
太田幸夫先生は国際非常口シンボルのデザインで有名です。
1960年代のプロジェクトだそうです。
文字を使わない言語であり、図形は概念を抽象化しています。
基本的には純粋に視覚的なエスペラント語の一種・・・だそうです。
たぶん学生の頃にこれを見せられたけど、当時はまったく理解できなかったのだと思います。
いまなら、このコンセプトがユートピア的で野心的なことが理解できます。
パソコンやインターネット後の世界にも引き継がれたデザイン手法。
元記事はこちら
コロナ禍での財政難もあったようですが、白人中心で閉鎖的な組織運営は非難されてもいたようです。
下記のリンクのインタビューを見ると、すでに存続させる意思も薄くなっていたような印象です。
こういうデザイン組織はこれから難しくなりそう。
One of America’s most prestigious design organizations shuts down amid allegations of racism >>
難しい仕事だったと想像できます。
アスリートの躍動感、オリンピックの精神、五輪イメージとの連動、など多くの要件が盛り込まれているそうです。
そのうえで、政治キャンペーンのように見えないこと、アメリカの応援団のようにならないこと、という課題もあったようです。
デザインされたアイデンティティは要件を完璧に満たしたうえで、その精神を反映させていると思います。
簡潔なシルエットは風になびく聖火を連想させます。すばらしい仕事です。
社会常識や良識とともに造形力を発揮できるデザイン会社は、いつの時代も変わらず、適切で永続的に良い仕事ができるのでしょう。
元記事はこちら
New Logo and Identity for USOPM by Chermayeff & Geismar & Haviv | Brand New >>
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