コロナ禍が終わったかのような演出は時期尚早かもしれませんが、おもしろいCM。
東京の街のようですが、なぜかロックダウンされたことになっていて、すべてフィクションで、すべてが冒頭のゲームの世界の続きような感じがしてきます。
また、最後はちょっと意外な終わり方になってます。
偶然がいっぱいの日常に戻っていく・・・ということなんでしょうか。
この楽曲の「Be My Baby」のプロデューサーであり「ウォール・オブ・サウンド」で有名なフィル・スペクターの今年1月の死去を思うと、また奇妙な感じです。
いろいろと現実感にズレがあって、外出できないコロナ禍の夏の夜の夢のようなCM。
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閉じられたシャッターに広告を掲出することで休業中のバーを経済的に支援するハイネケンのキャンペーン『Heineken Shutter ads』
Metaの最初のブランド広告。
Meta社内のCreativeXグループがDroga5と共同で制作したそうです。
アンリ・ルソーが1908年に描いた「虎と水牛の戦い」を3Dにして、ファンタジックな没入感で「これは楽しいことになるよ」というセリフで締めくくられてます。
これがMetaのビジョンであり将来のメタバースなのかもしれませんが、「デジタルなものはすべてアナログなものよりも自動的に優れている」という独善的な考え方だと批判されてるようです。
楽観的な演出は、SNSが若者にもたらした悪影響やfacebookが指摘されてきた多くの問題をすべて置き去りにしているとも受け取られているようです。
Z世代はバカにされてると思うかも。
A Classic Painting Becomes a 3-D Music Video in Meta’s Vision of the Metaverse >>
広告業界のレジェンドであり、ナイキの「Just Do It」を手掛けたアートディレクターでもあります。
82歳だったそうです。
1982年にオレゴン州ポートランドにダン・ワイデンと共同で設立したエージェンシーは、現在はニューヨーク、アムステルダム、ロンドン、東京、デリー、サンパウロ、上海にオフィスを持つ世界最大の独立系エージェンシーです。
If you know Nike’s Just Do It, you should know ad legend David Kennedy >>
2016年の「Taste the Feeling」以来、5年ぶりに新しいキャッチフレーズ。
いままでのコカコーラのコミュニケーションを踏襲した、コロナ禍でもつながりを持つことの必要性がテーマになってます。
マーケティング責任者によると・・・
「私たちは今、ターニングポイントにいます。この18ヵ月間、生活のあらゆる側面が破壊され、私たちは白黒の二元的な世界の見方に戻るか、世界をより良い場所にする手助けをするかという、一世代に一度の選択を迫られています。Real Magicは、私たちのユニークな視点を『抱きしめる』ことで、より人間的な方法を選択するムーブメントを起こそうとしています。」
とのことです。
瓶の形に沿って包み込むようなカタチに歪んだロゴは『ハグ』と呼ぶそうです。
また、CMに登場するのは有名なゲーマーだそうです。
困難な時代の今の若者に、希望を提示しようということのようです。
Striking poster campaign introduces Coca-Cola Real Magic tagline >>
在宅勤務が終わってオフィスに行く日常に戻るとき、お家のペットもストレス晒される・・・という、ペットショップのCM。
最初は人間のことかと思って、途中から犬のことだとわかって、犬の気持ちを理解する。うまい演出。
同じタイプの演出で、他にもこんなキャンペーン映像もありました。
気づかせて、共感させて、メッセージを伝える。いいCM。
As People Return to the Office, Petco Explores Pets’ Mental Health >>
ひとりの食事が多くなって、いつもポテトをつまみ食いする友達とマクドナルドで会うこともなくなって、迷惑だったつまみ食いも戻って来てほしい日常のひとつ・・・というメッセージ。
ミュージカル風に歌い上げてるのがいいです。コロナ禍のいい広告。
Quirky McDonald’s Canada ad celebrates the joy of friendship (and fries) >>
CAMPARIのキャンペーン。実写とAIを活用してフェリーニっぽいショート・フィルムをつくるようです。
どういうふうにAIを使って、どういう意味でフェリーニなのか興味深いです。
9月7日のベネチア映画祭でプレミア公開。
ちょっとデビッド・リンチっぽい感じもします。
Red Diaries Fellini Forward | Campari >>
フェリーニは多くのTVCMも手掛けていてCAMPARIのTVCMも制作していたようです。
Fellini’s Fantastic TV Commercials for Barilla, Campari & More: The Italian Filmmaker Was Born 100 Years Ago Today >>
早くもコロナ後の世界を描いています。
ワクチンが始まって、もう、コロナ後の生活スタイルに目を向ける時期ということのようです。
しかも、コロナ後に訪れる「混乱した時代」を広告として面白く描いています。
ジョーはパンツにワイシャツ姿でヘッドセットを使って会議をしながら冷蔵庫を開けます。
彼は自宅で仕事をしているのか仕事場に住んでいるのかわからなくなって混乱しています。
エマはマークとデートするよりも、マークのプロフィールを見て過ごすのが好きだということに気がついて混乱しています。
ジェイソンは現実の会話に出くわして、ミュートしたりカメラを切ったり、聞いている間にトイレに行ったりすることができずに混乱しています。
ジュリーはオフィスに出勤しますが、パジャマで働きたいと思って混乱しています。
この「混乱の時代」に対処しているさまざまな人々が登場します。
「今は混乱の時代です。バーガーキングのインポッシブル・ワッパーを食べるにはちょうどいいタイミングです。牛肉を使わずに作られたワッパーは、まるで…ワッパーのような味がします。」
戻ってくる日常を祝福するのか、コロナ禍の喪失を悼むのか、企業のメッセージとしてやや扱いにくいと思いますが、そこはバーガーキングのいままでの広告のイメージだということなのでしょう。
この2つの広告のアプローチの違いがおもしろいです。
オノ・ヨーコによるキャンペーンのビルボードは、あの伝説的な広告のようにシンプルに「I LOVE YOU EARTH」と掲げられました。有名なギャラリーとのコラボで、ロンドン、リバプール、グラスゴー、マンチェスターなど、イギリスの多くの都市に設置されたそうです。
もうひとつは「Mars sucks. -Earth」というメッセージ。
クリエイティブ・エージェンシーのActivistaによるキャンペーンです。
イーロン・マスクが地球の再生よりも火星を重視していることへの失望を表現しているそうです。スポンサーは境保護団体だそうです。
「最悪(sucks)じゃないものは、地球です。でも、私たちが地球の扱い方は率直に言って最悪です。」
’I love you earth’ + ’mars sucks’: two billboards to celebrate earth day 2021 >>
2000年代後半のAppleのCMに登場したMacガイが「ハロー、僕は・・・ジャスティン」と実在の人として登場。
現実的なPCの良さを紹介して、理想主義的なMacをディスってます。
Appleが自社製チップに切り替える発表をしたときのイベント映像のPCガイの対抗でしょうか。
広告の戦略として上手いです。
でも、あのCMはPCガイがいるから成立していたので、Macガイだけでやるなら演出方法がちょっと違うかも。
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