エヴァン・ガーシュコビッチ記者がロシアで投獄されてから1年が経つ日に掲載されました。
ガースコビッチ氏の記事が掲載されたであろういくつかのスペースは「UNREPORTED」とされて空欄になっているそうです。
彼にはスパイ容疑が掛けられていますがウォール・ストリート・ジャーナルと米国政府はこれを強く否定しています。
手掛けたのは、クリエイティブ会社のマザーだそうです。
「当初から、エヴァンのストーリーの重要性と、この厳粛な記念日に何か大胆で意義深いことをしたいという共通の思いがありました。そして、マザーと一緒に座り、これらの洞察をどのように印象的なクリエイティブ・コンセプトに変換できるかに真剣に取り組みました。ウォール・ストリート・ジャーナルの 空白の一面は、それを雄弁に物語っている。」
「人々がエヴァンのことを常に念頭に置き、関係する政府に圧力をかけ続ける必要がある。エヴァンを家族のもとに帰す手助けになることを願っています。」
Why the Wall Street Journal left a blank article on its front page today >>
’Missing Articles’ Tell Story of WSJ Reporter Detained in Russia >>
映像のインスタレーションも良かったですが、ドローイングが良かったです。
以前に見た彼の映像作品にも、今回の展示と同じように光と幽霊のイメージがあって、一度見ると忘れられない印象でした。
作品の中の幽霊は神聖で身近なイメージで、呪術的で、どこか牧歌的で、熱帯の美しさと親しみが感じられます。
今回の展示のドローイングを見ると、これらの幽霊がチャーミングなキャラクターに思えてきました。
グッズとかあるのかな?
メールのやり取りも公開していて、全面的に争う姿勢のようです。
「袂を分かつ」という感じです。
OpenAIの理想と葛藤がうかがえる気がします。
AGI の構築には膨大なリソースが必要で、それを賄える可能性があるのはGoogleだけのようです。
スケールでGoogleに対抗するのは絶望的なようです。
「実行とリソースに劇的な変化がなければ、OpenAI が DeepMind/Google に関連する可能性は 0% であると私は判断しています。・・・数億集めても足りない。これにはすぐに年間数十億ドルが必要です。」
「openAI のオープンとは、AI が構築された後は誰もが AI の成果から恩恵を受ける必要があることを意味しますが、科学を共有しなくてもまったく問題ありません…」と言うと、イーロンは「そうです」と答えました。」
「今日の OpenAI は現金を浪費しており、その資金調達モデルは Google (800 億企業) と真剣に競争できる規模に到達できないように思えます。真剣に競争できないのに公開で研究を続けている場合、実際には状況を悪化させて「無料」で彼らを支援している可能性があります。なぜなら、進歩したものはコピーしてすぐに大規模に組み込むのが非常に簡単だからです。」
「製品をゼロから構築することは AI 研究の焦点を奪い、長い時間がかかり、企業が Google の規模に「追いつく」ことができるかどうかは不透明であり、投資家は間違った方向に過度の圧力をかける可能性があります。私が思いつく最も有望な選択肢は、先ほども述べたように、OpenAI がドル箱として Tesla に所属することです。」
「私たちは、個人が OpenAI を完全に制御することは使命に反すると感じたため、Elon と営利契約の条件に同意することができませんでした。」
「Elon 氏は、Google/DeepMind に関連する競合他社が必要であり、自分でそれを行うつもりであると述べ、OpenAI を去りました。彼は、私たちが自分たちの道を見つけるのを応援すると言いました。」
AIが誰かのコントロール下にあることを拒むOpenAIの姿勢は素晴らしいと思います。
『誰もが AI の成果から恩恵を受ける』のも重要なことだと思います。
でも、ツールとしてのAIがブラックボックスになることはディストピアな気もします。
実際にAIツールをどのように利用しているのか、大小さまざまな25以上のクリエイティブエージェンシーにヒアリングしたそうです。
カンプやイメージボードの作成「だけじゃない」という感じです。
AIの利用について学ぶ点が多いですが、AIの利用の全てに著作権問題があることを認識する必要がありそうです。
あなたが気づいていなくても、クライアントにパクリを提案することになるかもしれません。
以下は部分引用です。
「私たちはちょうど1年前、『DALL-E』でAIを使い始めました。それは私たちの度肝を抜きました。それ以来、AIを使うことが多くなり、AIなしで仕事をすることは考えられません。」
エージェンシーの大半から同じような話を聞きました。しかし、エージェンシーは一般的にフィニッシュワークにはAIを使っていません。
「MidJourneyのようなAIツールは、このアイデア発想のプロセスを合理化し、クリエイティブなアイデアに命を吹き込んでくれます。例えば、私たちはこの架空のキャラクター(このページのトップに掲載)を、実在のインフルエンサーと融合させて視覚化することで、ブランドの担当者がコンセプトを理解しやすいようにしました。」
「プロジェクトをスタートさせるために、クライアントとのコミュニケーションがスピードアップします。私たちの想像では簡単にイメージできることでも、コンセプト・アートを作るために手助けが必要なこともあるのです。例えば、中東の銀行のプロジェクトでは、AIイメージジェネレーターをツールとして使い、商品の個性を捉えたアートの方向性を明確にしました。生成された画像は、商品の写真撮影を行う際のブリーフとなりました。」
絵コンテは、AIのもうひとつの一般的な用途です。
「絵コンテにAIを使うことで、プロジェクトの脚本段階で、カメラアングルやフレームコンテンツを比較的簡単に探索することができます。絵コンテ・アーティストに依頼しなくても、コンセプトやアイデアを試すことができます。」
AIは通常クリエイティブなプロセスの一部として使われるものであって、最終的な結果を生み出すものではないことを強調してきました。しかし、例外もあります。今現在は、主にキャンペーンがユーモアに基づいたものである場合です。
「ポリー・マーズというバーチャルなインフルエンサーを作りました。ポリー・マーズは、彼女が住む世界における使い捨てプラスチックの破壊的な存在に気づいていません。彼女の冒険をインスタグラム で追うことができます。」
https://www.instagram.com/polly.mers/
「複数の人が共同作業をしている場合、それぞれ異なる文章やコピーのトーンを持っています。このコピーを次のようなプロンプトでChatGPTに渡すだけで、統一されたアウトプットを作成できます。『このコピーを簡潔に、パンチを効かせ、トニー・スタークのようなエネルギーとトーンで』大幅な時間節約です。」
「After Effectsのコンテンツ管理とファイル構造を支援するプラグインを開発しました。このプラグインの80%はChatGPTで作成して、残り20%はチームで専門的に作成しました。このプラグインは、モーションチームのワークフローにおいて極めて重要なコンポーネントとなり、大幅な時間短縮をもたらし、プロジェクトマネージャーや他のチームメンバーのフラストレーションを著しく軽減しました。」
「AIツールを積極的に活用することは、デジタルデザイナーに新たな機会をもたらす。かつては手間と時間のかかる作業だったものが、今ではRelume.ioのようなツールによって加速されている。Relume.ioはワイヤーフレームとサイトマップを生成するツールで、代替物ではなくデザインの「味方」として販売されている。このような生成的なサポートが、AIプラットフォーム、プラグイン、ツールの最良の使用例である理由は明らかだ。」
https://www.relume.io/
「AIを使いこなす上で重要なことは、AIはアイデアを生み出すためのツールであって、アイデアを生み出してはくれないということです。若いデザイナーだけでなく、デザイナーにとって、PinterestやGoogleでアイデアを探すのと同じように、AIを使ってアイデアを出してもらうことは、誘惑の罠です。この誘惑を避け、代わりにAIを活用して独創的なアイデアを強力な方法で実現することが、私たちの目標であり、すでにその効果を目の当たりにしている。」
「AIは制作をスピードアップさせるが、それに取って代わるのではなく、創造性を高めるツールとして認識することが不可欠だ。アウトプットが均質化し、似たようなソースから引き出されることで、クリエイティブが融合し、停滞する危険性が懸念される。しかし、怠惰なデザインはこれまでも存在したし、これからも存在するだろう。私は、AIが私たちクリエイターをさらに知的で、共感的で、自由な存在へと押し上げてくれると信じています。一言で言えば、人間的だ。」
「AIは素晴らしい協力者ですが、AIがあなたの課題を解決し、美しく完成されたデザインを提供してくれるとは期待しないでください。ブリーフにぴったり合った真にユニークな結果を得るためには、人間の介入が必要です。クリエイティブ・ディレクターの視点から見たAIの主な利点は、新しい可能性、アイデア、スタイルに心を開くことができ、同時に膨大な時間を節約できることです。」
Special report: how design agencies are actually using AI in 2024
写真と環境保護に多大な影響を与えた写真家アンセル・アダムスの功績を称える特別切手シリーズだそうです。
豊かなトーンでアメリカの国立公園の雄大な風景を捉えた「ストレート・フォト」スタイルの写真です。
小さな切手にうまくまとめています。
アンセル・アダムスは日系アメリカ人の強制収容所の写真でも有名。
US Postal Service Issues Stamps Celebrating Ansel Adams’ Photography >>
ロンドンで開催中の「Refik Anadol: Echoes of the Earth: Living Archive」のためのインタビュー記事。
視覚的に心地良いだけではなく、コンセプト、アルゴリズム、テクノロジー、アクティビティ、などに一貫性があるアートです。
「ラージ・ネイチャー・モデル」という自然界に特化したオープンソースのAIモデルを、大学、博物館、図書館などの協力と彼自身の実地調査で構築したそうです。
また、ジェネラティブアートのわかりにくいところをうまく説明してくれてます。
「この展覧会で最大の作品はデータ・ウォールです。データがどこから来たのか、どのように収集したのか、どのようにAIをゼロから構築したのかを見ることができます。この芸術には美しさ以上のものが必要です。私はもっと多くのことを分かち合うために最善を尽くしています。」
「ラージ・ネイチャー・モデルは単なる技術的な偉業ではなく、自然界の驚異への賛歌であり、物理的なものとデジタルなものの架け橋であり、インスピレーションを与え、教育し、魅了することを約束するツールなのです。」
「単なるピカピカのピクセルではありません。・・・光り輝く美学と、科学的で具体的で機能的なものが出会う共通の場所を見つけようとしているのです。」
「AIはデータを抽出するだけではなく、具体的なインパクトを与えることができることを忘れてはいけません。光り輝くピクセルを見るだけなら、それは表面上のことで、もっと奥が深いのです。」
「私はオープンソースを通じてAIを学びました。だから、これは人類への贈り物なのです。誰でもアクセスでき、研究者はダウンロードして遊び、壊すことができる。AIの未来にはオープンソースが必要なのです」
オープンソースの精神に則って展覧会は無料で訪れることができるそうです。SNSで映えるだけではないようです。
彼のスタジオは、AIを利用した作品のNFT販売などを通して数百万ドルの資金を調達し、熱帯雨林などのコミュニティに還元しているそうです。
いずれまた日本で展示を見る機会があることを期待してます。
Refik Anadol hopes to demystify AI and look beyond the “shiny pixels” of generative art >>
上記の動画を生成したプロンプトだそうです。
A stylish woman walks down a Tokyo street filled with warm glowing neon and animated city signage. She wears a black leather jacket, a long red dress, and black boots, and carries a black purse. She wears sunglasses and red lipstick. She walks confidently and casually. The street is damp and reflective, creating a mirror effect of the colorful lights. Many pedestrians walk about.
これまでAIで生成された動画に特有の「奇妙さ」「グロテスクさ」が少なくなってます。背景の群衆が個別に違和感なく歩いてるのがすごいです。
Soraのオフィシャルサイトには下記のように書かれています。詳しく解りませんが説得力があります。
「Soraは、複数のキャラクター、特定の種類の動き、被写体や背景の正確な詳細を持つ複雑なシーンを生成することができます。このモデルは、ユーザーがプロンプトで求めたものだけでなく、それらが物理的な世界にどのように存在するかも理解します。これまでのモデルには弱点があります。複雑なシーンの物理を正確にシミュレートすることに苦労し、原因と結果の具体的な例を理解できない可能性があります。例えば、人はクッキーを齧るかもしれないが、その後、クッキーには齧った跡がないかもしれない。」
Soraのオフィシャルサイトには「安全性」というセクションもあります。
「私たちは、世界中の政策立案者、教育者、アーティストを巻き込み、彼らの懸念を理解し、この新しいテクノロジーのポジティブな使用例を特定します。広範な調査とテストにもかかわらず、私たちは人々が私たちのテクノロジーをどのように使用するか、またどのように悪用されるかをすべて予測することはできません。だからこそ私たちは、実際の使用例から学ぶことが、時間をかけてより安全なAIシステムを作り、リリースしていく上で重要な要素であると考えています。」
新規性や自分たちの技術のアピールではなく、この段階で安全性を前面に出すことは企業の姿勢として公正さと信頼感があると思います。
こういった姿勢を取れないテクノロジーは淘汰されることになるかも。
日本の企業ではとても追いつけないくらい先を進んでいる気がします。
デザイナーを取り巻く変化、そこにあるチャンス、デザイナーに必要とされる再教育と再調整について書かれています。
短い記事ですが、若いデザイナーがこれから持ち合わせた方が良い視点のような気がしました。
以下は抜粋です。
デザイナーは、人とビジネスのためのデザインの交差点に機会を見出すことで、テクノロジーとの関わり方を再構築する必要があるだろう。
私たちのものづくりの方法はジェネレーティブAIによって再定義され、ワークフローや個人のアイデンティティに挑戦している。
デザイナーは、何を作るべきか、なぜ作るのかを定義する能力に磨きをかけなければならない。
デザイナーは最も効果的なAIのアートディレクターやキュレーターになるために最も適した立場にいる。
プロンプトは、すべてのデザイナーがビジョンを現実に変換するために学ばなければならない、深みのある新しく重要なスキルである。
自然言語プロンプトは、仕事の背後にある理由を理解し、機会をビジョンに変換し、それを実現することの重要性に取って代わるものではない。
テクノロジーが可能性を再発明するように、今こそ私たち自身を再発明する時なのだ。
Why 2024 will be the “year of creative emergence” when it comes to AI >>
Apple Vision Pro でタイポグラフィがどのように変わっていくのか、Monotype社のフィル・ガーナムさんのインタビュー記事です。
Apple Vision Pro を使ったことはないですが、視覚メディアの変化としてタイポグラフィにも影響を及ぼすことになるようです。
日本語の場合はどうなんでしょう。
以下は興味深い箇所の抜粋です。
タイポグラフィ体験の全領域がカスタマイズ可能になる。
空間的なテキストには、瞬時にさまざまな背景に適応できるタイポグラフィが必要になる・・・「スティッキー情報テキスト」、つまり現実世界の物体に固定されたテキストは、パッケージ食品の栄養ラベルとして使用されたり、地域のリサイクル情報を表示したりすることができる。
ARの真のタイポグラフィ表現の可能性を掘り起こすのは、独立したクリエイターやブランドメーカーでしょう
Monotype社は、幾何学的なサンセリフ書体が拡張現実や仮想現実で流行するだろうと予測している。
この理論は、Monotypeと応用神経科学企業のNeuronsがフォントの感情性について行った最近の研究と一致している。
Apple Vision Pro を装着して活字を読む行為そのものが滑稽な気もするので、まったく違ったインターフェイスになるのかもしれません。
それでもタイポグラフィがなくなることはなさそうです。
サービスとしてローンチされたのではなく、技術紹介として発表したものです。
テキストからAIで生成された動画はこれまでもありましたが、より一貫性のある動画を生成できるようです。
元動画を変換するのは楽しいツールになるかもしれませんが、テキストから生成される動画は著作権の問題もあって、仕事では使いどころがなさそうな気がします。
技術に詳しい人なら、また違う可能性を見つけるのかも。
「LUMIERE」ってネーミングは気に入りました。
Lumiere >>
https://lumiere-video.github.io/
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