LinkNYC_03

以前に紹介したこちらのコンペでしょうか。
ニューヨーク市が公衆電話を蘇らせる斬新なデザインを募集『応募作は“公衆電話らしくなくてもよい”』

インタビュー記事はこちら
http://adgang.jp/2015/01/83396.html

おもしろいプロジェクトです。
ハードウェア、インターフェースなどのデザインに関わった、Antenna Design New York Inc. の宇田川信学さんのインタビュー。

そのデザインは電話ボックスのデザインではなく、まるで都市計画の一部のようです。
都市生活、広告、テクノロジー、公共性、などを15年の長さで考えるのは、とても楽しそうです。
15年後に街を歩く人はどんなデバイスを持ってるでしょうか。街角にはまだ広告ディスプレイが光ってるでしょうか。
とても興味深いです。

前記事で紹介した『Activité Pop』とは真逆の、ジュエリーとしてのスマートウォッチ。

このような新しく拓かれたカテゴリーのデザインは、とても興味深いです。
セオリーやコンテクストがまだ確立しておらず、百花繚乱、玉石混合といった感じ(笑)
実験精神や創造性が発揮されるのは、こういうところかも。

過剰にキラキラしたUIが、ちょっと女子児童向けオモチャっぽいですが(笑) 発売されたら、女子力の高いデキる女のアイテムということになるのかな。

上の動画が400ドルの『Activité』下が150ドルの『Activité Pop』。
このデザインバリエーションは秀逸。

Activite_Pop

アナログなところ、電池の寿命とか、無駄に高機能じゃないところも好印象。

機能についての詳しくはこちら
http://japan.cnet.com/news/service/35058598/

http://www.withings.com/us/withings-activite.html

すばらしいシンクロ。視覚に心地いいです。
でも、衣装はもうちょっとカッコ良くてもいいような・・・。

2015年1月4日 アート

『PCの死と平等なウェブ世界の終焉』というこちらの記事
最初に目にしたのは、2014年の始め頃でした。ちょっと衝撃でした。

90年代や00年代のウェブやインターネットの周辺に漂っていた、ヒッピーカルチャーのようなものは、スマホとアプリの周辺にはなくなったということのようです。たしかに、この1〜2年で「最近はPCを使う事が少なくなった。」「スマホですべて出来るようになればいい。」という話を聞くことが増えた気がします。

・・・・・平等かつ自由に利用できるワールド・ワイド・ウェブは徐々に消えていくだろう。その代わりデジタル世界は、・・・・・・アプリの作成者たちが自分のアプリをモバイルOSに柔軟に組み込む力をもつ世界であり、その力は平等ではない。強い者も弱い者もある。そういう世界だ。

過去数年間にわたって起こっているデジタル世界での最も重要なシフトは、広くオープンなウェブから、半分閉じられたプラットフォームへの移行だ。後者もインターネットを使うが、表示にブラウザーは使わないもので、主に「iPhone」の興隆によって推進されている。この世界ではHTMLが支配せず、Googleがクロールを行うことができない。(中略)企業にとってはこうしたプラットフォームで収益をあげることが容易だという事実によって、この流れはさらに強固になる。 クリス・アンダーソン「ウェブは死んだ」(The Web Is Dead)

この「半分閉じられたプラットフォーム」というのが気になっていました。
半分閉じられているからこその安心や便利があり、残りの半分の自由を入手するには、リスクや手間が掛かるということでしょうか。
これからウェブを利用し始める世代は、どんなユーザーになるでしょうか。

先の事は解りませんが、2015年は少しだけでも「考え方」と「やり方」を変えて、これから先の文脈のようなものを見つけたいです。

2014年12月31日 アイデア

ZVEZDOCHKAというそうです。

最初のリリースは2004年だったそうですが、知りませんでした。
斬新な構造のデザイン。結構もお高いんですねー。

2014年12月29日 ファッション

google_self_driving_car

以前紹介したプロトタイプは、正直に言えば、ひどかったです(苦笑)
ルーフの上のカメラ(?)はだいぶ収まりが良くなりました。

フロントとドアをグレーからホワイトにしたのは、失敗な気がします。
全体が白くなったことで、昭和の頃のデパートの屋上のような、
社会主義の頃の東欧でデザインされたような、そんな感じ。

こちらもあわせてどうぞ
グーグルの自動運転車がフレンドリーに登場

Google Self-Driving Car Project

the-dark-side-of-the-moon

1970年代のピンクフロイドやレッド・ツェッペリンのイマジネーションに溢れたレコードジャケットは永遠の憧れです。
それをデザインしたデザイングループ『ヒプノシス』のメンバーだったオーブリー・パウエルがインタビューで当時の制作過程などを話してます。

当時の制作過程には決まった方法論はなかたそうで、ミュージシャンに自身のアイデアを話すことから始めて、ミュージシャンとともに自由に制作していたようです。本当の意味でクリエイティブな仕事の進め方だったようです。

制作のデジタル化や、ピンクフロイドのアルバム「狂気」(上の画像)のデザイン過程など、とても興味深いです。

ひとつ意外だったのが、レコードジャケット・デザインの衰退はいつだったのか・・・という質問に答えて、1977年のセックス・ピストルズだと答えています。パンクによってもたらされたストリート・スタイルの登場で、費用をかけた仰々しいデザインは時代遅れになっていったそうです。

なんだか解るような気がする話です。

元記事
http://www.fastcodesign.com/3039377/the-dark-side-of-the-moon-cover-designer-on-the-making-of-iconic-rock-album-art

Saatchi&Saatchi香港 での取り組み。
いまどき深夜まで仕事してるのは時代錯誤でダサいよ・・・ということでしょう。

こういう強制定時退社の日がある職場の経験があるんですが、「組織的効率」といった側面ですごく効果的だと実感しました。

定時退社の日は朝から「ヨーイ・ドン」で仕事がスタートして、定時までの残り時間をカウントしながら仕事する感じでした。

みんなが6:45で終了だと解ってる状況だと、お互いの仕事の進行を意識して、無駄なく段取りするようになります。

強制定時退社、おすすめです。

この質問に世界的なグラフィックデザイナーが答えてます。その答えのそれぞれにプロフェッショナルの個性があって興味深いです。
こういう有名デザイナーでもそういうことがあるんですねー。

「クライアントが私に視覚的に酷いデザインをするように依頼してきたとき・・・『どうして出来ないのか説明しかねますし、もしそのデザインをあなたが気に入ったとしも、私には出来ません。もし私が弁護士だとしたら、弁護士資格を失い、プロとして永遠に恥じることになるような明らかに違法な依頼のようなものです。』と伝えたことがあります。」— Paula Scher, Pentagram

ここでは、心情、プライド、倫理観といったデザイナーの内にある理由を述べています。
主観的に思えるかもしれませんが、主観が介在しない創造・制作は有り得ないので、それらはデザインにとって積極的に扱うべき重要な要素なのかも。

「好きか嫌いかでなく役に立つかどうかです。私たちの経験からしてビジュアルアイデンティティ・デザインについての最初の感情や反応は無意味です。私たちは永続的で象徴的なアイコンになる可能性のあるものを確立しようと努力します。そのために会話の主題を(丸いのが好き、青いのがいい、といったような)個人的な趣向や主観的な好悪から離れて、もっと戦略的な『そのデザインは機能するのか?』という話題に仕向けます。日常生活の中にそのデザインが入り込んできたときに私たち自身が我慢できないようなデザインは、クライアントに提示しません。」— Sagi Haviv, Chermayeff & Geismar & Haviv

こちらでは戦略的な視点に立つことでデザインの方向性を見出だそうとしています。
積極的な姿勢です。なおかつ、我慢できないデザインは提示しない姿勢にこそ、プロフェッショナルがある気がします。

「クライアントのデザインセンスの酷さを指摘することはありません。プロジェクトの中身に明快に結びつくベストのデザインをオススメするだけです。なぜそのようにデザインされているかを、事例、可読性、機能性に基づいてクライアントに教育するのは私たちデザイナーの仕事です。もしクライアントが私たちに『デザインのしかた』を強要しているなら、おそらく彼らは持つべきクライアントではないでしょう。」— Jesse Reed, Pentagram

これも Sagi Haviv と同様のようです。
クライアントを「説得する」のではなく「教育する」という自負心がポイントでしょう。

「取り組んでいる仕事に情熱を傾けているほど悪趣味なデザインセンスのクライアントにはガッカリさせられます。私は口論しないようにしています。いずれにしろ、そのブランドは彼ら自身のものであり、私のものではありませんから。そこでこんな戦術を試してみます。
1.彼らが私に依頼した理由を思い出してもらうために、費用を節約して彼ら自身で日曜大工のように取り組んでいただきます。
2.私の「専門家」としての知識をお望みなら、それは「非専門家」の知識とは一致しないことを理解していただきます。
3.他の企業が同じような失敗をした事例を見つけておきます。
4.彼ら自身の取り組みによる失敗は私の言葉よりも雄弁でしょう。彼らが私に立て直しを依頼してくるのを待ちます。
5.同意できない事をハッキリと伝えて、プロジェクトから身を引くことにします。」— D’Wayne Edwards, Pensole

これは少し意地の悪い方法のような気もします(笑)。
しっかりしたプロジェクト契約ができている状況でなければできない戦術かも。

「私たちはクライアントに対して直裁的で正直に対応します。もしクライアントから役に立たない申し入れがあったら『それは良いアイデアとは思えません』と伝えます。」— Jessica Walsh, Sagmeister and Walsh

まったくその通りです。クライアントとの信頼関係があってこその対応です。

デザイナーがクライアントの悪趣味や行儀の悪さを正せるかといえば、それは相当に難しいと思ってます。だからといって、クライアントの奴隷になって、間違った関係のなかで自己嫌悪になるような仕事はしたくないものです。

元記事はこちら
How Top Designers Tell Clients That Their Taste Sucks

こちらも合わせてどうぞ
「クライアントにとってあなたの(デザイナーとしての)価値を増幅させる5つの方法」