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紆余曲折あって失敗や批判もあったようですが、お祭り騒ぎではない真剣な姿勢がうかがえます。
このブランディングでは社会の仕組みをデザインしながら、ゼロから国の形とイメージをつくろうとしているようです。壮大な挑戦です。

これからの国のありかたの一端をデザインに担わせようというのは、デザインが社会のなかで信頼されているということでしょう。日本でデザインはそこまで信頼されているでしょうか。
業界の権威とかセンスや技術ではなくて、社会的信用が低いことでデザイナーの仕事に限界があるということかも。

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黒幕はデザイナーたち 電子国家エストニアの知られざるブランディング戦略 >>

すばらしいアイデアとデザインと技術!

自由民主党の議席割合の形をした細い三角形の群れが動いています。
議員がオンラインで新しいアイデアを発信すると、群れの動きが速くなります。
つまりこれは、アルゴリズムで動いているのではなく、議員の情報発信によって動いているブランディングということだそうです。

それが動いているということは、議員が活動していて情報が開示されているということ。
政党の支持者はこの動きによって、議員が情報発信していることを知ることができるようです。

日本の政党もやったほうがいい。

Visual Identity Motivates Politicians to Do More | Muse by Clio >>

エージェンシーは、Heimat Berlin

制作は、Field.io

Lippincott_logo

ゼロック、キャンベルスープ、コカコーラ、デュラセル、スターバックス・・・
誰もが知ってるブランドを手掛けて永い歴史のあるブランディング会社。恥ずかしながら知りませんでした。
Gordon Lippincott と Walter Margulies によって1943年に創業したそうです。
75周年を記念して有名なブランディング案件とそれを手掛けたデザイナーのインタビューが公開されています。

クライアントのビジネスを深く理解して、シンプルでアイコン的な造形と高い視認性のデザインで現代まで続くブランディング手法を築いてくれたようです。SNSやアプリに配慮するようになった現在においても、その手法はいたるところで拝借されてます。

戦後日本のデザイン業界において、世界に向けてこういう分野の仕事を手掛ける会社がごく僅かだったのが残念なことに思えます。

くわしくはこちら
Inside 75 Years of Lippincott’s Iconic Designs, From Campbell’s Soup Can to Coca-Cola’s Ribbon >>

Lippincott | Brand & Innovation Consultancy >>

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前回2016年のリニューアルは失敗だったようですが、今度はよさそう。

【関連記事】UBERのロゴが新しくなった >>

新しいロゴのデザインのポイントは大文字「U」の下のステム。
へんな形のモノグラムもなくなって、色もなくなって、まったくシンプルなアイデンティティになってます。
このシンプルさの狙いとしては、Uberを公共交通機関のように認識してほしいのかも。

シンプルなロゴは収まりよく使えそうだし、レイアウトのセオリーも今のメディアに相応しく考えられてます。
オリジナルのフォントによる文字組も好みです。

手掛けたのは、Wolff Olins とインハウス。
ちなみに前回のリニューアルはインハウスだけでデザインしていたようです。

くわしくはこちら
New Logo and Identity for Uber by Wolff Olins and In-house >>

Wolff Olins | Uber >>

Rebrand 2018 | Case studies | Design at Uber >>

Firefox_Logo_Open_Design

Firefoxの社内デザイナーのチームによる2案だそうです。
Firefoxは非営利団体Mozillaファウンデーションによって運営されているので、通常の企業のリブランディングの発表とはアプローチが違うわけです。

著名デザイナーが登壇して新しいデザインを披露するようなセレモニーはしないようです。
なるほど、相応しいアプローチです。

個人的な感想としては・・・どちらの案もやや保守的な印象。
でも、見慣れてくると好きになるかも。

下記のブログにロゴについてのコメントが寄せられてるようです。
Mozilla Open Design >>

くわしくはこちら
Firefox is picking a new logo, and it wants your honest opinion >>

「One Ogilvy」ということで、社名も短くシンプルになったようです。
ロゴはクラシックな感じで好印象。
gi、il、vy のリガチャは「結びつける」ということのメタファーになってるようです。

ogilvy_logo

広告の父と呼ばれる創業者のデイヴィッド・オグルヴィについて >>

手掛けたブランディング会社はこちら
COLLINS >>

元記事はこちら
New Logo and Identity for Ogilvy by COLLINS >>

ロゴが変わったわけではなさそうですが、ブランドメッセージのルックスに一貫性をもたらすためにタイポグラフィ、カラー、レイアウトについてのガイドラインを定めたようです。

運用が難しそうな気もしますが、グラフィックデザインの勉強になりそう。

手掛けたのは EIGA >>

元記事はこちら
Brand New | New Logo and Identity for Adidas by EIGA >>

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基本的にはそんなに変わっていない印象ですが、小さく表示させるときには「アメックス」と表示させることでデジタルデバイスでの小さな表示に対応したVIになってるようです。
ここ数年よく見かけるVIリニューアルのアプローチですが、うまくデザインされているようです。

デザインの展開にもちょっとユーモアが感じられていいです。

Pentagram のサイト>>

元記事はこちら
Pentagram Gives American Express Its First Visual Identity Overhaul In 37 Years >>

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デジタルな現代に求められる要件に合わせて、細部を徹底的に見直した感じです。
マーク、フォント、カラーも細かく見直しているようです。
オトル・アイヒャー の名作に手を入れるのですから、たいへんな仕事。

鶴のマークは100周年なんですね。知りませんでした。

ブランド資産をちゃんと引き継いで、現代のために必要なことを施したという感じ。
とても美しいですが、全体的にやや痩せた感じがするのは少し残念。

くわしくはこちら
New Logo, Identity, and Livery for Lufthansa done In-house with Martin et Karczinski >>

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手掛けたのは、ミュンヘンの Martin et Karczinski という会社とルフトハンザ航空の社内デザイナーだそうです。
Martin et Karczinski >>

ルーマニアでのこと。刑務所施設の環境改善を理由にして服役中の汚職官僚を釈放するという法案が提出されたそうです。これに市民が猛反発して大きな抗議デモへ発展。
そこで建築資材会社「Primus」は、法案を撤回するなら刑務所を改善するための建築資材を無償で提供するという「Prison Fix Up」というキャンペーンをSNSで発表したそうです。

騒動に便乗した売名行為と言うこともできるかもしれませんが、SNSにおけるブランディングは良いタイミングで気の利いたことを発言するだけでなく、企業のスタンスを明確な一貫性をもって提示して共感を得ることだと示している気がします。

元記事はこちら
汚職高官の免罪を許すな!地域貢献で国民を味方につけた、ルーマニア建材メーカーのCSR >>

手掛けたのは RUSU+BORTUN というクリエイティブエージェンシーのようです。
RUSU+BORTUN >>

PrisonFixUp