とてもいい展示でした。涼しげで夏に見るのがおすすめ。水と光に関わる作品がよかったです。
プロジェクトの進め方とか、一貫した視座の持ち方とか、社会との関わり方とか・・・そういうクレバーな感じでした。
スタジオ・オラファー・エリアソンの研究とリサーチの展示はおもしろかったです。
エンジニアとの雑多な実験の断片のような展示でしたが、そういう研究から作品になっていくのがいいです。
水彩のドローイングもよかったです。
ミュージアムショップでは、「Little Sun」プロジェクトのソーラーライトを売ってましたが、グッズとして棚に並ぶと、とてもチープに見えました。
アンディ・トーマスさんの作品。アマゾンでフィールド・レコーディングした鳥の鳴き声に対応した抽象的なアニメーション。自然の美しさと複雑さに言及するデジタルアートです。
アマゾンの自然保護のための活動でもあるそうです。
p5.jsに触れるようになって、ドローイングについての理解とか見識とかに確固たるものが必要な気がして見てきました。ひさしぶりの展覧会。
彫刻に根差した戸谷成雄のドローイング理論はとても興味深く、チェーンソーによる彫刻作品は空間とドローイングのつながりを理解できる明快さがありました。
草間彌生の50年代のドローイングは(本当は全然違うと思いますが)スクリプトによる描画の方法論のようでした。
なんだか勉強になった気がします。
東南アジア的な「神話」「伝統」「霊性」「儀式」「社会との関係性」などのテーマとデジタル・テクノロジーの取り合わせが混沌とした感じで心地良かったです。
中心主義とか絶対的価値観とかから離れた視点のデジタル・アート作品。
東南アジア的な文化や思想と、手法としてのデジタルが持ち合わせている柔軟さは相性がいいみたいです。
展示作品でちょっとおもしろかったのは、抽象画のようなチャート図の絵画ですが、仮想通貨のマイニング・プログラムを実行するRasberry Piが組み込まれていて、絵画が自分で自分の価値を高めるアイロニーになってました。
展示作品については、下記のURLで紹介されてます。
「日本の若手作家の作品を中心に、現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展」ということですが、「東京都」「2020年」ということで、オリンピックに関連づけられる展示が多かった気がします。
ファッション・レーベル PUGMENT によるSFっぽい設定での「復興」「代々木」「言語」「衣服」といったストーリーとプリントTシャツという作品の関連づけがとてもおもしろかったです。
どの作家もロマンチックなストーリーが組み立てられていて、作家の「行為」が視角的で美しい作品に結実していました。その一方で現在の社会とか課題への関与はやや薄い感じで、もっと攻めた企画のMOTアニュアルも見てみたい気もします。
東京都現代美術館がリニューアルされて初めて行きました。
もともと好きな美術館なので、あまり変わっていない印象でよかったです。
昔は辺鄙な場所にある美術館というイメージでしたが、最近は周辺がオシャレエリアになりつつあるようです。
Patrick Tresset の作品を見たくて行ってきました。
ロボットでポートレートを描くデモを見ることができなかったのは残念でしたが、インスタレーションとしてもいい佇まいでした。
展示全体としては、期待していたものとは少し違ってましたが、おもしろかったです。
有機的でカオスな都市計画や建築のコンセプトの展示は森ビルっぽい感じ。
ここのところ、現代美術で「未来」をテーマにした展示に、ややアナクロな印象を受けます。
なぜなのか、よくわかりませんが、美術館で展示するという形式そのものが「未来」を描くには相応しくなくなってる気もします。
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト の講演。
アート、アーティスト、展示 を社会(ソサエティ)と結びつけていこうとする取り組みがエネルギッシュな感じ。
企業や産業とコラボレーションを通して、多くの人々に認識してもらおうということのようです。
偶然にでもアートに出会う「コンタクト・ゾーン」をつくることだそうです。
都市の中の研究施設を公開して展示する「オープン・ラボラトリー」のアイデアは興味深いです。
以下はYouTubeのライブを見ながらのメモです。間違ってるかもしれません。
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同じ展示を各地で展開するのは傲慢である。展覧会は各地の文脈で変化すべき。
グローバリゼーションや差別を展示としてどう扱うのか。
アートは独自の視点でこれらを扱う必要がある。グローバルでありローカルである。
オブリストさん自身の『do it』というプロジェクト
ティム・バーナーズ・リーの「This is for everyone」のメッセージを紹介。
ネットの中立性が失われることへの危惧へのメッセージだそうです。
これも現在のアートの在り方を示唆するアイデアのようです。
オブリストさんが手掛けているサーペンタイン・ギャラリーを通した、建築との関わりを紹介。
AIの時代には、美術館にもCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)が必要だそうです。
環境、音楽、についての専門のキュレーターを置く必要もあるとのことです。
マクルーハンの言葉に「芸術は早期警報システム」とあるように、アートは社会の行方についての警報システムであり、認知のトレーニングとしてなくてはならないもの。
現在の社会において、AIは最重要であり、見えないものにありつつあるので、これを見えるようにして警鐘を鳴らすアートを紹介。
Ian Cheng によるAIを活用した作品「BOB」
Pierre Huyghe
Hito Steyerl
Arthur Jafa 可視化と認知の重層
Luchita Hurtado
Studio Creole
影響された人物として、Edouard Glissant を紹介。
グローバリズムについての重要な思想のようで、「全世界論」「関係の詩学」という日本語の本があるようです。
インスタグラムでも手描き文字やドローイングのプロジェクトを紹介。
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多様なアプローチが多くの実例を挙げて紹介されて、平易な言葉で、わかりやすい講演でした。
年の初めからいいもの見た気がします。
YouTubeでのライブ中継 >>
https://www.youtube.com/watch?v=mF_HLoWBX9k
ネタバレしないようにしますが、日本の現代美術の転換点になるような、とても重要な展示を見た気がします。
時間、偶然、行為、痕跡、主観などのテーマが、プログラミング的な感覚で、巧妙に組み上げられた印象。
この感覚が会場の若い世代にポジティブに受け入れられていることが感じられました。
作家と同世代くらいと思われる若い「オーディエンス」で込み合って、入場まで1時間並ぶことに驚きでした。
ここ最近、制作過程を剥き出しのまま展示することでコンセプトを明確にするような展示を見ることが多い気がします。それらの展示は若い世代に人気があるようです。流行ってるんでしょうか。
とてもいいことに思えます。
この展示についての論考を読んでみたいです。見に行ってよかったです。
歌舞伎の「新薄雪物語」から着想を得たシリーズだそうです。
ポップ・アートの大御所・ジャスパー・ジョーンズ と日本の関わりについてはじめて知りました。作品からも儚さや移ろいといった日本的な美意識や物語が感じられます。
Processing やP5.js の参考になりそうな造形でした。版画らしい均一さと、手で描かれた不安定さや偶然さの良さがありました。
あらためてジャスパー・ジョーンズの作品を好きになりました。
候補者4人 Lawrence Abu Hamdan、Helen Cammock、Oscar Murillo、Tai Shani が申し出て、審査員が同意しての結果だそうです。
「人々とコミュニティを分断し隔離する多くのものがある現在に、『集合的なステートメント』を作りたい。」
ということだそうです。
4人がそれぞれ携わるプロジェクト、アート、またその在り方にとって、相応しい申し出だったようです。
インターネット後の世界のアートの在り方について、誠実なステートメントな気がします。
Turner Prize split four ways as nominees decide against a single winner >>
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