月面に設置される彫刻作品の画像をNFTで売り出すようです。
「月面に設置される最初の公認芸術作品」の画像ということです。
物理的な彫刻は、最後の月面着陸から50周年を記念してケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定。
Web3プラットフォーム企業、デジタルアート企業、そして宇宙企業の3社とのコラボレーション。
以下はジェフ・クーンズのコメントです。
「歴史的に意義のある、人間的で哲学的な思想に根ざしたNFTのプロジェクトを作ろうと考えました。宇宙での我々の功績は、人類の無限の可能性を象徴しています。・・・・・宇宙探査は、私たちがこの世の制約を超越する能力を持つという視点を与えてくれました。この考えは、このNFTプロジェクトの中心的なものであり、私たちの惑星の内外で達成された人類の願望を継続し、祝福するものです。」
壮大なスケールと、どことなくインチキ臭いところが、とてもジェフ・クーンズな感じで素晴らしいです。
Jeff Koons To Take His First Shot At NFTs: Aim For The Moon (And Remain There) >>
とてもタイムリーなオークション出品。いまのNFTをアートとして楽しむヒントのような気がします。
1958年、イヴ・クラインはパリの画廊で「The Void(空虚)」と題する作品を発表しました。その作品は誰もいない空間に空のキャビネットが置かれているというものだったそうです。
「私は画廊の中に感覚的な絵画の状態を作り出し、確立し、公衆に提示したいと考えた。言い換えれば、ドラクロワが日記の中で言及した「定義できないもの」、つまり絵画の本質であると考えたものの精神に則り、目に見えないが存在する雰囲気、絵画的風土を作り出そうとしたのである。」ということだそうです。
その後、クラインはこのコンセプトを「Zones of Immaterial Pictorial Sensibility」というプロジェクトに発展させました。
このプロジェクトは、空の空間(非物質的ゾーン)の所有権の書類を販売し、買い手が希望すれば、買い手が領収書を燃やし、クラインは受け取った金の半分をセーヌ川に投げ入れるというものだったそうです。
「クラインの領収書は、目に見えない作品の存在を証明するものであり、それは正式な販売が行われたことを証明するものです。非物質的ゾーンの買い手には二つの選択肢があります。第1の選択肢は、領収書と引き換えに合意した金額の金を支払い、クラインはその金をすべて保管し、買い手は作品の「本物の非物質価値」を実際に獲得することはない。第2の選択肢は、金を支払い、その領収書を焼却することである。この行為によって、買い手(による購買行動)は非物質的なものの中に完全に包含され、完璧で決定的な非物質化が達成されることになる……。クラインは資本主義的な取引戦略を提示し、芸術の定義不可能な、計算不可能な価値についての彼の考えを提示しています。」
ということだそうです。難しいです。
1959年の発表から1962年6月6日に死ぬまでの間に8つのゾーンが販売され、領収書が発行されたそうです。
2022年4月6日にこの領収書のひとつがサザビーズのオークションに出品されるそうです。
1959年12月7日付で、ジャック・クーゲルという骨董商に宛てられた領収書で、オークションでの推定落札価格は50万ユーロ(549,000米ドル)だそうです。
サザビーズは、この実験的な作品のオークションに相応しく、暗号通貨でも入札できるようにするそうです。
NFTについてあまりわかってないのですが、とてもNFT的な感じがします。
ダミアン・ハーストの「The Currency」の意味がなんとなく理解できた気がします。
また、どちらも「絵画」に結びついていくのが興味深いです。
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ダミアン・ハーストによる初のNFTシリーズ『The Currency』 >>
Zone de Sensibilité Picturale Immatérielle >>
A Receipt Is Being Auctioned Off For An Estimated Half A Million Dollars >>
1台のBMW 8 グランクーペにペイントしただけではなく、99台限定で米国で350,000ドルで販売されるようです。
ポップアートっぽいペイントワークに、シートはスーパーヒーローっぽいカラーリングになってます。
jeff koons pops limited edition BMW ’dream car’ at frieze los angeles 2022 >>
シカゴを拠点とするアーティスト周雨歌の作品。
描かれる円形は「月」を象徴しているそうです。
中国の漢詩では「望郷」は「月」をモチーフにして描かれます。
周雨歌はコロナ禍で北京の家族に会いに行けない状況が続いているそうです。
これらの作品は「待ち時間の祈り」なのだそうです。
美しい儀式。
Ritualistic ‘Moon Drawings’ by Yuge Zhou Etch Patterns in Snow and Sand >>
たしかに、シュルレアリスムと奇抜なファッションは相性がいいです。
「身体」というテーマが古代からずっとアートの重要なテーマであり続けている理由がわかる気がします。
コスプレとかアバターとかも身体とイメージの融合だとしたら、服は奇抜であるべきだとも思えてきます。
服、靴、手袋、どれも工芸的な完成度で見応えありました。
毛皮のコーヒーカップで有名なメレット・オッペンハイムの血管が刺繍された手袋が印象的でした。
ひさしぶりに東京都庭園美術館に行きました。
新館ができていましたが、以前からあった松の木が残されていて、以前と同じように大きな松ぼっくりが落ちているのが良かったです。いつかあれを拾いたい。
クリスチャン・マークレーと一緒に見てきました。こちらはまた別のチルアウトな音楽が鳴っているような感じでした。
詩的でセンシティブですが、物質的で大掛かりな展示でした。
焼け落ちた「2001年宇宙の旅」のホテルの部屋は圧巻でした。
絵画作品もインスタレーションもコンセプトに的確な感じで、わかりやすくて心地よくて、展示全体にラグジュアリーな雰囲気があって、人気があるのがよくわかります。
ユージーン・スタジオ 新しい海 東京都現代美術館 展覧会特設サイト >>
「矛盾してるようだけど、私は音について、それがどう聞こえるかということだけでなく、どう見えるかということにも興味があるんだ。」というインタビューからの一文のとおりの展示。音楽の視覚化ということで、グラフィックデザインとしても参考になる感じでした。
タイポグラフィ、写真、コラージュ、ドローイング、プリンティングの楽しさに溢れていました。
なんとなく80〜90年代くらいのアナログな雰囲気があって懐かしかったです。
「サンプリング」の感覚を身につけたくなります。
「民藝」というコンセプトを打ち立てて、ローカルにもグローバルにも拡げながらブランディングしていったのがよくわかっておもしろかったです。
当時、オシャレな服を着てやってきて日用の雑器を評論していた民藝の中心的な人たちは、日本のローカルな人からは奇妙な集団として見られていたかもしれませんが、地域経済に寄与するブランドを作り上げたのはスゴいです。
美意識やセンスだけでなくオーガナイズできるって素晴らしいです。
そういうことができるようになりたいです。
展示室の入口にあった『ギルバート&ジョージ、2人の若者がいた(1971年4月)』という映像がまた良かったです。
みんな知ってる有名でアイコニックな作品だけど、その意味や背景を理解するヒントとしていい映像でした。
シンプルで圧倒的な3面の展示。
初めて見たのですが、グリッドごとの小さな額装の集合体のようでした。
よく見るとグリッドごとにうまくポイントが配されてます。
東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカス の4人の作品の展示。正直なところ、ジョナス・メカス以外は知らない作家でした。
展覧会の紹介文には「生きるよすがとしてのアートの魅力」とあり、4人の生涯と創作活動とモチベーションを背景にして作品を見ることができました。
どういう状況であれ、創作を続けることの豊かさを実感できる、いい展示でした。
作品に拙さがあっても、現在のようにデジタル化された創作環境のなかで過剰に「いい仕上がり」になって均質化する以前の時代の豊かさがあります。
自分の理由を持って、創作を自分のものとして、生活のなかで続けていくのは良いです。
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