前回のバリエーション。p5jsでバリエーションを試してみるのがおもしろいです。
すぐに試せて、思いがけない結果に翻弄されるおもしろさ。
Patrick Tresset の作品を見たくて行ってきました。
ロボットでポートレートを描くデモを見ることができなかったのは残念でしたが、インスタレーションとしてもいい佇まいでした。
展示全体としては、期待していたものとは少し違ってましたが、おもしろかったです。
有機的でカオスな都市計画や建築のコンセプトの展示は森ビルっぽい感じ。
ここのところ、現代美術で「未来」をテーマにした展示に、ややアナクロな印象を受けます。
なぜなのか、よくわかりませんが、美術館で展示するという形式そのものが「未来」を描くには相応しくなくなってる気もします。
「ディープ・フェイクは権力者の新しい武器になります。権力のない人々が腐敗を示すために提示しようとしている証拠を『それはフェイク・ニュースだ!』と言えるようになることです。」
ディープ・フェイクが簡単にできるようになるとニセモノであることを立証するために膨大な手間とコストが掛かるようになるそうです。
でも、本当の問題は、本物を本物であると証明するためにはさらに膨大なコストが掛かること。
さらに、本物を一般大衆に本物だと認識してもらうことが著しく困難になることだそうです。
メディアリテラシーが大切とされますが、ディープフェイク後の社会では、自分が受け取る情報のすべてを疑ってみる必要があるようです。
情報の検証をユーザー負荷にしないように、「オリジナル」であることを立証できるインフラが必要になるのかもしれません。ブロックチェーンとかがもっと利用されるようになるのかな。
The biggest threat of deepfakes isn’t the deepfakes themselves | MIT Technology Review>>
https://www.technologyreview.com/s/614526/the-biggest-threat-of-deepfakes-isnt-the-deepfakes-themselves/
社会・経済・テクノロジー・デザインを俯瞰していて説得力あります。
悲観的だったり教訓的だったりすることなく、現状を観察して、捉え直して、再考して、よりよい状況へ向かうための予測になっていると思います。
知りませんでしたが、2019年には日本にもFjordのスタジオができたそうです。
以下は気なった箇所を抜粋した意訳です。間違っているかもしれません。
■Many faces of growth(多面的な成長)
企業の「成長」を定義し直す傾向を予測しています。
「顧客価値」「従業員への投資」「株主価値の提供」よりも「多様性と包括性」の育成が第一義になりつつあるそうです。
それは顧客にも従業員にも株主にも適用されるテーマであり、多様なステークホルダーとのさまざまな価値の「成長」を測るための指標が必要になるそうです。
■Money changers(お金が変わる)
お金の体験が変化しています。ここには多くの新製品と新サービスの機会が生み出されます。
指紋や顔認証の支払い、レジのない小売店、Apple Card などの環境で新しいユーザーエクスペリエンスが提供されつつあるそうです。
■Walking barcodes(5Gの普及と身体による認証)
顔、指紋、網膜などがデジタルで読み取られるようになって、私たちの身体は私たちのシグネチャー(認証)になりつつあります。
ここにはプライバシーやセキュリティの問題もあります。
2020年以降の5Gの普及を背景にして、これらを利用したインターフェイスを再考する必要があるそうです。
■Liquid people(流動的な人々)
消費者や従業員の要望やニーズは流動的になるそうです。
健康、精神衛生、ウェルビーイング、気候変動などへの関心の高まりを背景にした彼らの文脈を理解して、彼らの価値観をサポートする消費体験が望まれているそうです。
さらには、「顧客」「従業員」の枠を超えて製品・サービスを再考することが提案されています。
■Designing intelligence(AIとのコラボレーション)
企業のAI導入が自動化のステージから人間とのコラボレーションへ進むそうです。
AIはシミュレーションや意思決定支援などのより複雑な活動に適用されるようになりイノベーションを加速します。
AIを戦略的な意思決定プロセスにどのように組み込むことができるか。
AIと人間はどのように分担できるのか。
AIと人間のインターフェイスはどのようにデザインされるのか・・・。
■Digital doubles(データ上の人格)
新しい「エージェント・サービス」としてのデジタル上の別人格を、ユーザー自身が管理するようになるそうです。
(これについては、意味するところがよくわかりませんでした。)
■Life-centered design(すべての生物の デザイン)
ユーザー センタード デザインは利己的になりすぎていて、デザインの重点を切り替える必要があるそうです。
すべてが何らかの形で他のすべてに影響します。デザインはその影響を考慮する必要があります。
口先だけでなく、すべての分野で「害を及ぼさない」ようにしてください。
昨年と同様に、デザインの取り扱うテーマの領域拡大と、デザインの及ぼす影響範囲の認識についてのメッセージが見てとれます。
昨年に比べると、企業寄りで現実的な予測になった気がします。Fjordというよりもアクセンチュアの色合いが濃くなった感じ。
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト の講演。
アート、アーティスト、展示 を社会(ソサエティ)と結びつけていこうとする取り組みがエネルギッシュな感じ。
企業や産業とコラボレーションを通して、多くの人々に認識してもらおうということのようです。
偶然にでもアートに出会う「コンタクト・ゾーン」をつくることだそうです。
都市の中の研究施設を公開して展示する「オープン・ラボラトリー」のアイデアは興味深いです。
以下はYouTubeのライブを見ながらのメモです。間違ってるかもしれません。
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同じ展示を各地で展開するのは傲慢である。展覧会は各地の文脈で変化すべき。
グローバリゼーションや差別を展示としてどう扱うのか。
アートは独自の視点でこれらを扱う必要がある。グローバルでありローカルである。
オブリストさん自身の『do it』というプロジェクト
ティム・バーナーズ・リーの「This is for everyone」のメッセージを紹介。
ネットの中立性が失われることへの危惧へのメッセージだそうです。
これも現在のアートの在り方を示唆するアイデアのようです。
オブリストさんが手掛けているサーペンタイン・ギャラリーを通した、建築との関わりを紹介。
AIの時代には、美術館にもCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)が必要だそうです。
環境、音楽、についての専門のキュレーターを置く必要もあるとのことです。
マクルーハンの言葉に「芸術は早期警報システム」とあるように、アートは社会の行方についての警報システムであり、認知のトレーニングとしてなくてはならないもの。
現在の社会において、AIは最重要であり、見えないものにありつつあるので、これを見えるようにして警鐘を鳴らすアートを紹介。
Ian Cheng によるAIを活用した作品「BOB」
Pierre Huyghe
Hito Steyerl
Arthur Jafa 可視化と認知の重層
Luchita Hurtado
Studio Creole
影響された人物として、Edouard Glissant を紹介。
グローバリズムについての重要な思想のようで、「全世界論」「関係の詩学」という日本語の本があるようです。
インスタグラムでも手描き文字やドローイングのプロジェクトを紹介。
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多様なアプローチが多くの実例を挙げて紹介されて、平易な言葉で、わかりやすい講演でした。
年の初めからいいもの見た気がします。
YouTubeでのライブ中継 >>
https://www.youtube.com/watch?v=mF_HLoWBX9k
Apple、Adobe、Pentagram、Wolff Olins、Cooper Hewittなどのデザイナーやデザインミュージアムのキュレーターによる選出だそうです。
史上最も影響力のあるデザインオブジェクト「iPhone」がリリースされたのが2007年。
あれほどのデザインはなかったかもしれませんが・・・
『プッシー・ハット』
知らなかったのですが・・・トランプ政権の誕生に抗議する女性たちが、デモ行進などでかぶった手製のニット帽。ネコのような耳がついているそうです。デモ行進の行われたワシントンDCはピンクに染まったそうです。
『TESLA MODEL S』
サステイナブルな輸送の実現を加速して、消費者の価値観を変えました。
『#BLACKLIVESMATTER』
『iPad』
タブレットというカテゴリーを確立しました。
電話もパソコンも不要になる未来があるとしたら、その可能性を持っている唯一のデバイス。
『GOV.UK』
イギリス政府デジタルサービスがデザインしたWebサイト。
イギリス国民が政府サービスを利用する方法を包括的にデザインし直しました。
美しさやデザイナーのためのデザインではなく、生活のためのデザインであり、物事を良くするためのデザイン。
【関連記事】新しくなった英国政府のデジタルサービスのサイトの「デザイン原則」>>
『ストリーミングメディア』
NetflixやSpotifyのような利用し放題で無限のプレイリストというコンセプトはメディアとユーザーの関係を再構築しました。
『ドローン(DJI PHANTOM UAV)』
『操作的なソーシャルプラットフォーム』
これはデザインが世界に負の影響を与えた過失かもしれません。
『デザイナー・ベイビー』
2018年に中国で生まれた、遺伝子を編集された赤ちゃん。
倫理観の問題。
『FLUTTER/ DART』
不勉強で恥ずかしいですが、モバイルアプリを開発するためのSDKだそうです。
javascriptに似ているようなので、来年こそ勉強したいと思います。
『絵文字キーボード』
2011年にAppleがiOSに絵文字のキーボードを導入しました。
テキストに感情的なニュアンスを与える絵文字は、デジタル時代のグローバルな視覚言語になる可能性があるそうです。
『データの専門領域化』
この10年でデータビジュアライゼーションとデータサイエンスが専門領域として確立されたそうです。
『ニューロモーフィックチップ』
人間の脳を模倣するようにデザインされたチップだそうです。
『サステイナビリティ』
最重要のテーマであるものの、この10年の成果はまったく不十分だったそうです。
いろいろ意見はあると思いますが、よくまとまった記事だと思います。
元記事はこちら。
The 14 most important design ideas of the decade, according to the experts >>
ネタバレしないようにしますが、日本の現代美術の転換点になるような、とても重要な展示を見た気がします。
時間、偶然、行為、痕跡、主観などのテーマが、プログラミング的な感覚で、巧妙に組み上げられた印象。
この感覚が会場の若い世代にポジティブに受け入れられていることが感じられました。
作家と同世代くらいと思われる若い「オーディエンス」で込み合って、入場まで1時間並ぶことに驚きでした。
ここ最近、制作過程を剥き出しのまま展示することでコンセプトを明確にするような展示を見ることが多い気がします。それらの展示は若い世代に人気があるようです。流行ってるんでしょうか。
とてもいいことに思えます。
この展示についての論考を読んでみたいです。見に行ってよかったです。
カナダのクリエイティブ・エージェンシー WUNDER は10,000ドル分の広告の空き枠を購入して、真っ白い広告を掲載しました。「ホリデーシーズンの間は、みんなが広告から離れられるようにしました。」ということだそうです。
いいプロモーションです。
印刷物、ビルボード、バス、バス停、新聞、SNS、ちょっとだけラジオ・・・徹底してます。
令和最初の年末は騒がしい広告からはなれて穏やかに過ごすのがいいかもです。
ずっと昔に、街の中の広告の空き枠は不景気を象徴していて、空き枠こそが広告の需要を冷え込ませると教わりましたが、もう、そういうことではなさそうです。
くわしくはこちら
Creative agency buys $10k of blank ad space to give everyone a break from ads >>
歌舞伎の「新薄雪物語」から着想を得たシリーズだそうです。
ポップ・アートの大御所・ジャスパー・ジョーンズ と日本の関わりについてはじめて知りました。作品からも儚さや移ろいといった日本的な美意識や物語が感じられます。
Processing やP5.js の参考になりそうな造形でした。版画らしい均一さと、手で描かれた不安定さや偶然さの良さがありました。
あらためてジャスパー・ジョーンズの作品を好きになりました。
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