サグマイスターと他の登壇者がイノベーション・プロセスにとって美がいかに価値あるものかが議論された講演だそうです。
サグマイスターらしく天邪鬼ですが、統計的な「美しさ」と「ビジネス」や「ユーザー体験」について考えさせてくれる記事でした。
人々がどの形と色を好むかについて聴衆に挙手を求めなると、丸と青には多くの挙手が集まったが、長方形と茶色には少なかった。
人々が票を投じた後、サグマイスターはこれまでの自身の調査による上のグラフを公開したそうです。
「美にとって最悪なことは、(それについての)愚かな判決です。」
「私は世界中で何百回と、直接、展示物やインスタグラムに設置された定点観測としてこの実験を行いましたが、いつも同じ結果でした。円は最も美しく、長方形は最も美しくない。」
美は与えられるものではなく「選択されるもの」であり「モノはひとりでに美しくはならない。」ということだそうです。
おもしろいです。そして納得させられるものがあります。
アップルのマーケティングを担当している他の登壇者は、以前に製品のビジュアル・ランゲージに関してリスクを嫌うことが多い消費者向けパッケージ商品の企業で働いていたそうです。
「彼らは何カ月もかけてテストし、消費者調査をしていました。多くの旧態依然とした消費者向けパッケージ商品の企業にとって、美は指針となる価値観ではなかった。実際、それは勢いの足かせになることもあった。」
最後に、Amazonの醜いインターフェイスについての苦言になっています。
そして、それが優位性を発揮した戦略になっていることも示唆されています。
手掛けたのはPentagramのアンドレア・トラブッコ=カンポスとそのチーム。
ほんの少し手を入れることで、今っぽくアップデートしていて上手いです。
カラーリングの変更は適切だと思います。
以下はPentagramのサイトから引用です。
説明も上手いです。
PayPalのアイコンであるモノグラムは、よりシャープでモダンに描き直されました。更新されたマークでは、重なり合う文字の角度は変わりませんが、字形の角のカーブが取り除かれ、よりシャープな外観になっています。色彩は連続的なコントラストに調整され、ロゴのレイヤーに以前にはなかった奥行きと立体感を生み出している。ブライトブルーとディープブルーが重なり、PayPalが所有する成長中のモバイルアプリにちなんだVenmoブルーが浮かび上がる。
モノグラムの構造は劇的に変化していないが、付随するロゴタイプとの関係は変化している。アイデンティティの外観を高め、より柔軟にするために、シンボルはもはやワードマークと固定されていない。この2つの要素は互いに独立して機能するようになり、要素をシンプルにすることでより多くの可能性をもたらしている。
新しいPayPalのワードマークは、アイデンティティの基礎となる要素であり、大胆さ、自信、明快さというブランド特性を体現する新しいカスタム書体、PayPal Proに設定されている。PayPal Proは、Lineto Type FoundryがFuturaを現代的に描き直したLL Supremeをカスタマイズしたものである。1927年にポール・レナーによってデザインされたFuturaは、2,000年以上前の文字のプロポーションにインスパイアされた幾何学的なサンセリフである。時代を超越した普遍的なフォルムを持つこの書体は、メッセージに焦点を当てることを可能にしている。PayPal Proも同様に、純粋に直線と円曲線だけで構成されることを目指している。PentagramはLinetoとPayPalと密接に協力し、読みやすさと実用性のために小さなサイズで最適化された第二の書体、PayPal Pro Textを開発している。
時代を超越した活字は、ニュートラルな黒と白のパレットによって新しいロゴにマッチし、フィンテックの代名詞となっている青とは一線を画している。代わりに、ブルーはブランドのアクセントとエネルギーとして使われている。また、他の小売ブランドと重複していた以前のパレットから黄色を排除している。この変更はUIにも及び、時代遅れの黄色い支払いボタンは黒になった。
PayPalの使いやすさを強調するアイデンティティのモーション・ランゲージは、デジタルでも物理的でも、決済を行う際の日常的なジェスチャーや行動を利用している。ブランド・アニメーションは、タップ、クリック、フリップ、スワイプでワードマークとタイポグラフィを活性化し、製品体験の動きをアイデンティティそのものに取り込んでいる。
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KENZOについて詳しく知らないまま見に行きました。
繰り返される花柄は生々しくて70年代の少女漫画のような印象でした。
野暮ったさと洗練が高度に同居している感じでした。
四谷シモンのマネキンも見どころだと思います。
間違ってるかもしれませんが「フォークロア」というコンセプトは当時の時代を射抜いたような気がしました。
ブランディングとしての成功も素晴らしいです。
展示のライティングはもう少し演出があってもいいかも
集中力を阻害するスマホやネットは創造性にとって害悪なのか? というテーマについて3人のアーティストの意見をもとにした記事です。
創造性と習慣についてのおもしろい記事です。
現代の環境で創造性を維持するための自覚的な対処方法のようにも思います。
気が散ることを肯定的に捉えることも新鮮でした。
以下は抜粋です。
「特に興奮していないことに取り組んでいるときは、気が散りやすく、スマホをスクロールして時間を浪費することもある。でも、いい気分で取り組んでいて、フロー状態にあるときは、それほど携帯に手を伸ばしたりしないんです。」
「ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、アシャンテ・キンドルは、携帯電話が時間を飲み込むこともあるが、より集中した創作活動の合間に、建設的な白昼夢、あるいは彼女が「メンタル・リセット」と呼ぶものをもたらしてくれることを認識している。」
「オンライン・ピンボードの黎明期の頃はアルゴリズムがそれほど進んでいなかったから、もう少し面白かった。今はとても効率的で、得られるものが少し同質的に感じることもある。」
「ある意味、気が散ることはクリエイティブなプロセスの一部ではあるが、インスピレーションを見つけることと、絶え間ない不要なノイズを除去することの境界線を確立することが難しくなることもある。」
「インターネットは、不安で、熱狂的で、不穏な場所かもしれない。ネット上での共有は創造的な表現であり、探求し楽しむ遊びのようなものであって、強制されるものではない。」
「テクノロジーを放棄することは、個人的にも、仕事上でも、クリエイティブな目的でも、まったく現実的なことではありません。だからこそ、情報との関わり方を意図的に考え、自分自身の境界線を確立することで、テクノロジーが提供するツールをうまく使いこなすことができるようになった。集中して創造的な仕事をする期間と、デジタルのピンボードをスクロールしたり物語を読んだりして集中しない ”活動的な”休息に身を傾けることは、どちらも重要だ。オフラインで”集中しない”時間を過ごす方法を書き留め、自分の弱点を記録し、必要なアプリをダウンロードし、新しいルーチンを確立して計画を立てることができる。人生のあらゆる側面と同じように「中道」を見つけることが大切です。しかし、それにはまず意図性が必要です。」
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Crucible(クルーシブル)は、バーやレストランのコンサルティングや、ドリンクやフレーバーの開発を手掛けるユニークな会社です。
Madalena Studio はクルーシブルのブランドアイデンティティとして、シャーレの上で培養されるバクテリアを利用しました。
その手法はCrucibleを的確に表現していて、ユニークで美しいです。
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