80年代にグラフィックデザイナーのミュニエル・クーパーがMITで行ったワークショップが発端となったようです
そこから現在のp5.jsに至るまでの、John Maeda、David Small、Lisa Strausfeld、Golan Levin、Ben Fry などによる講演のような、思い出話のような、興味深い内容です。
MITでのことなので、当初はグラフィックデザインの勉強もあまりしてなかったらしく、著名なグラフィックデザイナーから酷評されたこともあるようです。
「コンピューターはデザインの未来だと言い続けていました。」
「あなたが何をしているのかわかりませんが、グラフィックデザインではありません。」
(マイケル・ビアラットのこの指摘は正しいとも言えそうです。)
「ソフトウェアを芸術やデザイン教育に統合する方法を変えたかったのです。学校が生徒にPhotoshopやIllustratorの使い方を教える方法は完全に表面的なものであり、新しいメディアの可能性を模索することさえしなかったと思いました。単にツールとして使用するのではなく、メディアをより深く理解してもらいたかったのです。」
「多くの人は、画像を生成するためにコードを書かなければならないことは、実際にそれを行うツールを持つことから大きく後退していると言うでしょう。しかしジョンは、自分で絵具を混ぜたり素材で作業したりする方法を知らない画家はいないという考えでした。」
きっと先駆者としてのミュニエル・クーパーの先見性は素晴らしいものだったのでしょう。
競争ではなく共有によって発展してきたことも素晴らしいことだと思います。
いままた、ツールと制作者とコミュニティの関係には新しい問題が起きているようです。
How Computer Code Became a Modern Design Medium—an Oral History | Eye On Design>>
90年代のYahoo!のロゴは、楽しさ、熱狂、不遜、といったイメージだったそうです。当時のインターネット企業はそういうイメージでした。
2013年にYahoo!のロゴはリニューアルされて、大人っぽくなりました。インターネット企業が社会的な責任を問われるようになった頃でした。
今回のリニューアルはゼロからやり直したそうです。
その社名に込められた「遊び(fun)」の精神を受け継ぐのが、イタリックの「!」なのだそうです。
90年代からずっとYahoo!にある「奇癖」や「特異性」のシンボルとして「!」をモチーフにしているようです。
なるほど、いい着眼点な気がします。
くわしくはこちら
Michael Bierut rebrands internet giant Yahoo | It’s Nice That >>
ジェフ・クーンズのプレゼンテーション能力の高さは異常。
まだ思いついただけの段階の作品のイメージを、しゃべりだけであそこまで魅力的に伝えられる能力には、ぜひともあやかりたいです。
まだ制作されていない作品が高額で売買されるというのも納得です。
現代アートの市場で実践されているマーケティングやブランディングは、広告、WEB、販促 などのコマーシャルな世界のそれよりもはるかに複雑で洗練されてる気がしました。
現代アート作品は不動産や株式や仮想通貨と同様に投機の対象になっていて、アートとしての意味や価値とその価格との間には必ずしも明確な関係性はないようです。(不動産や株式や仮想通貨も、その意味や価値とその価格にも必ずしも関係があるわけではないかも。)
この映画に登場するアーティスト、ギャラリスト、コレクターの多くが、それぞれの価値観と方法でアートを愛していることがわかります。ただの投機熱だけでないアートに関わる生き様を見ることもできる映画でした。
「データを21世紀の石油と考えると、私たちはそれぞれ、世界で最も価値のある企業によって個別に採掘されている小さな油田です。・・・ユーザーデータの一部と引き換えに「無料」サービスが提供されるトレードオフに慣れてきました。 IoTは、そのような情報を収集することに大きく依存する新しい種類のオブジェクトを私たちの家に導入しました。・・・ユーザーデータの流れを制限しようとすると、結果的にサービスや製品へのアクセスも制限されるとしたら、私たちは許容して自らのデータを差し出す以外の選択肢はないのでしょうか?」
・・・という命題についてのコンセプトモデルのようです。
IoTデバイス経由で収集されるあなたのデータを「架空の情報のベール」で隠してくれるオブジェクト。
さまざまな方法でユーザー情報の収集を阻止してくれます。
オブジェクトA:ウェブカメラのハッキングを防止するカメラ
おもちゃのカメラの原理でウェブカメラにさまざまなシーンを表示させます。
オブジェクトB:アレクサをからかう架空の音声のオブジェクト
架空の環境音や会話音声でアレクサのアルゴリズムを混乱させるようです。
オブジェクトC:偽の履歴を残すボタン
PCに接続してボタンを押すと、google、facebook、youtube、twitter、Amazonに架空の閲覧履歴を残します。
オブジェクトD:デバイスをランダムに操作するオブジェクト
あなたが家にいないときに、ユーザーデータを収集するIoTデバイスをランダムに操作して、架空の使用パターンをつくります。
コンセプトモデルというよりも、コンセプト・アートといっていいくらいの低い実現度でしょう。
コンセプトの持つメッセージは「心配しすぎだ」「考え過ぎだ」ということのようですが、こうして出来上がったっ架空のユーザーアイデンティティを別人格として持っていると、毎日のネットがおもしろく感じられるようになりそうな気もします。
コーポレート書体をデザインするデンマークの会社「コントラプンクト」の展覧会。
「コントラプンクト」が手掛けた企業やブランドのオリジナルのアルファベット書体についての、コンセプト、特徴、使用例、などを紹介してくれてます。
展示だけではわかりにくいですが、会場に置いてあるパンフレットを読むとよく理解できました。
それぞれのプロジェクトについてよく調査した見識からの明確なコンセプトがあって、一貫性のあるタイプフェイスにまとめあげられてる感じ。
タイプフェイスの造形だけでなく、デザインのアプローチがいいです。
30年間のビジュアルの旅の記録。ユーザーエクスペリエンス、ユーザビリティ、技術的なマイルストーンなどが、現在のインターネットにどのようにつながるのかを年ごとに紹介してるようです。
最初のドラッグ&ドロップナビゲーション。
最初のページめくりインターフェイス。
最初にシームレスに動画利用。
最初のバイラル。
最初のパララックス。
最初のYouTubeっぽいサイト。
・・・・など。
長くウェブの仕事をしてるのでノスタルジーとして楽しめますが、未知の領域でデザインしようとしたデザイナーたちの創造性を見ることもできるかも。
ここ数年のインターンシップや新人研修の話を聞くと、今の大学生はWEBやITをおもしろい仕事だとは思っていないようで「そうかもな・・・」と思うところがあります。
Web Design. The Evolution of the Digital World 1990–Today >>
ロボットは全身像から頭部だけになって、ロゴは読みにくいライトグリーンから黒に変更になったようです。
それほど洗練されてる感じではありませんが、明快でシンボリックになりました。
グリーンの色味も変更されて、いろいろ細かく手が入ってるようです。
個人的にはレトロなロボットのビジュアルはなくていいと思ってます。
子供っぽくチープでフェイクというイメージがありそうな気がしてます。
手掛けたのは HUGE
HUGE >>
この難しい題材を扱って、明快で説得力あるすばらしい記事です。
「データサイエンスは強力です。 正しく使用すると、
1. 客観的な方法で世界を理解する能力。
2. この理解を活用して進歩を生み出す能力。
を得られます。」
まったくその通り。
Netflix、facebook、Googleのグループと、
Kaggle、Code for Africa のグループを例に挙げて・・・
「データサイエンスユーザーのこれら2つのグループには明確な違いがあります。 前者はデータを収益に利用します。 後者は社会的影響のためにデータを利用します。
社会的影響のためにどのようにデータサイエンスを活用できるでしょうか?」
この記事では『オープン データ』の重要性を説いています。
オープン データ は犯罪、暴力、腐敗 を防止できるとしています。
デザイナーもこのプロセスの一部を担うことができます。
そのデザイナーには倫理観が問われるでしょう。
「ブエノスアイレスは、オープンデータプラットフォームを使用して、政府が何をしているのかを一般に知らせています。 重要な情報を市民に提示するために、データを視覚化したレポートを作成しました。 彼らは、政府が四半期予算をどのように配分するかを一般の人々が理解するためのインタラクティブなツールを制作しました。」
「コロンビアのカリでは、オープンデータプラットフォームにより、DataPicoのような企業が市内の犯罪分布について一般市民に知らせるツールを制作できます。」
「データサイエンスは『客観的な方法で世界を理解する能力』を提供することを忘れないでください。 ニュースアウトレットは、データ分析を主観的に公開する傾向があります。 オープンデータの利点は、生の数値が客観的であることです。 オープンデータは、情報源への公開アクセスを提供し、誰もが自分の結論を引き出すことを可能にします。」
「国民の意識が高まると、政府と国民の間で会話が始まります。 会話はコラボレーションにつながります。 コラボレーションにより、政府は国民と協力して進歩を遂げることができます。
進歩は、人々と政府の間の信頼を築きます。」
「信頼は腐敗の歴史を持つ国にとって非常に重要です。 国の腐敗認識指数(CPI)は、腐敗した市民が政府をどのように認識しているかを測定する、毎年収集される指数です。 CPIは、一人当たりGDPと直接相関しています。・・・・政府と市民の間の信頼を構築することは非常に重要です。 オープンデータはこれを行うのに役立ちます。」
「データは私たちの歴史です。 データサイエンスは私たちの未来です。 私たちがしなければならないのは、それを構築することです。」
ソーシャルインパクトをコーディングして達成する方法をテーマにしたコーディングワークショップがあるそうです。
そのワークショップでは、オープンデータプラットフォームが経済の成長、腐敗や犯罪との戦い、信頼できるコミュニティの構築、政府と市民の架け橋の形成にどのように役立つかについて議論しているそうです。素晴らしいです。
LinkedInでインターンをしている、Jessie Smithさんによる記事です。
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