『PCの死と平等なウェブ世界の終焉』というこちらの記事
最初に目にしたのは、2014年の始め頃でした。ちょっと衝撃でした。
90年代や00年代のウェブやインターネットの周辺に漂っていた、ヒッピーカルチャーのようなものは、スマホとアプリの周辺にはなくなったということのようです。たしかに、この1〜2年で「最近はPCを使う事が少なくなった。」「スマホですべて出来るようになればいい。」という話を聞くことが増えた気がします。
・・・・・平等かつ自由に利用できるワールド・ワイド・ウェブは徐々に消えていくだろう。その代わりデジタル世界は、・・・・・・アプリの作成者たちが自分のアプリをモバイルOSに柔軟に組み込む力をもつ世界であり、その力は平等ではない。強い者も弱い者もある。そういう世界だ。
過去数年間にわたって起こっているデジタル世界での最も重要なシフトは、広くオープンなウェブから、半分閉じられたプラットフォームへの移行だ。後者もインターネットを使うが、表示にブラウザーは使わないもので、主に「iPhone」の興隆によって推進されている。この世界ではHTMLが支配せず、Googleがクロールを行うことができない。(中略)企業にとってはこうしたプラットフォームで収益をあげることが容易だという事実によって、この流れはさらに強固になる。 クリス・アンダーソン「ウェブは死んだ」(The Web Is Dead)
この「半分閉じられたプラットフォーム」というのが気になっていました。
半分閉じられているからこその安心や便利があり、残りの半分の自由を入手するには、リスクや手間が掛かるということでしょうか。
これからウェブを利用し始める世代は、どんなユーザーになるでしょうか。
先の事は解りませんが、2015年は少しだけでも「考え方」と「やり方」を変えて、これから先の文脈のようなものを見つけたいです。
ZVEZDOCHKAというそうです。
最初のリリースは2004年だったそうですが、知りませんでした。
斬新な構造のデザイン。結構もお高いんですねー。
以前紹介したプロトタイプは、正直に言えば、ひどかったです(苦笑)
ルーフの上のカメラ(?)はだいぶ収まりが良くなりました。
フロントとドアをグレーからホワイトにしたのは、失敗な気がします。
全体が白くなったことで、昭和の頃のデパートの屋上のような、
社会主義の頃の東欧でデザインされたような、そんな感じ。
こちらもあわせてどうぞ
グーグルの自動運転車がフレンドリーに登場
1970年代のピンクフロイドやレッド・ツェッペリンのイマジネーションに溢れたレコードジャケットは永遠の憧れです。
それをデザインしたデザイングループ『ヒプノシス』のメンバーだったオーブリー・パウエルがインタビューで当時の制作過程などを話してます。
当時の制作過程には決まった方法論はなかたそうで、ミュージシャンに自身のアイデアを話すことから始めて、ミュージシャンとともに自由に制作していたようです。本当の意味でクリエイティブな仕事の進め方だったようです。
制作のデジタル化や、ピンクフロイドのアルバム「狂気」(上の画像)のデザイン過程など、とても興味深いです。
ひとつ意外だったのが、レコードジャケット・デザインの衰退はいつだったのか・・・という質問に答えて、1977年のセックス・ピストルズだと答えています。パンクによってもたらされたストリート・スタイルの登場で、費用をかけた仰々しいデザインは時代遅れになっていったそうです。
なんだか解るような気がする話です。
Saatchi&Saatchi香港 での取り組み。
いまどき深夜まで仕事してるのは時代錯誤でダサいよ・・・ということでしょう。
こういう強制定時退社の日がある職場の経験があるんですが、「組織的効率」といった側面ですごく効果的だと実感しました。
定時退社の日は朝から「ヨーイ・ドン」で仕事がスタートして、定時までの残り時間をカウントしながら仕事する感じでした。
みんなが6:45で終了だと解ってる状況だと、お互いの仕事の進行を意識して、無駄なく段取りするようになります。
強制定時退社、おすすめです。
この質問に世界的なグラフィックデザイナーが答えてます。その答えのそれぞれにプロフェッショナルの個性があって興味深いです。
こういう有名デザイナーでもそういうことがあるんですねー。
「クライアントが私に視覚的に酷いデザインをするように依頼してきたとき・・・『どうして出来ないのか説明しかねますし、もしそのデザインをあなたが気に入ったとしも、私には出来ません。もし私が弁護士だとしたら、弁護士資格を失い、プロとして永遠に恥じることになるような明らかに違法な依頼のようなものです。』と伝えたことがあります。」— Paula Scher, Pentagram
ここでは、心情、プライド、倫理観といったデザイナーの内にある理由を述べています。
主観的に思えるかもしれませんが、主観が介在しない創造・制作は有り得ないので、それらはデザインにとって積極的に扱うべき重要な要素なのかも。
「好きか嫌いかでなく役に立つかどうかです。私たちの経験からしてビジュアルアイデンティティ・デザインについての最初の感情や反応は無意味です。私たちは永続的で象徴的なアイコンになる可能性のあるものを確立しようと努力します。そのために会話の主題を(丸いのが好き、青いのがいい、といったような)個人的な趣向や主観的な好悪から離れて、もっと戦略的な『そのデザインは機能するのか?』という話題に仕向けます。日常生活の中にそのデザインが入り込んできたときに私たち自身が我慢できないようなデザインは、クライアントに提示しません。」— Sagi Haviv, Chermayeff & Geismar & Haviv
こちらでは戦略的な視点に立つことでデザインの方向性を見出だそうとしています。
積極的な姿勢です。なおかつ、我慢できないデザインは提示しない姿勢にこそ、プロフェッショナルがある気がします。
「クライアントのデザインセンスの酷さを指摘することはありません。プロジェクトの中身に明快に結びつくベストのデザインをオススメするだけです。なぜそのようにデザインされているかを、事例、可読性、機能性に基づいてクライアントに教育するのは私たちデザイナーの仕事です。もしクライアントが私たちに『デザインのしかた』を強要しているなら、おそらく彼らは持つべきクライアントではないでしょう。」— Jesse Reed, Pentagram
これも Sagi Haviv と同様のようです。
クライアントを「説得する」のではなく「教育する」という自負心がポイントでしょう。
「取り組んでいる仕事に情熱を傾けているほど悪趣味なデザインセンスのクライアントにはガッカリさせられます。私は口論しないようにしています。いずれにしろ、そのブランドは彼ら自身のものであり、私のものではありませんから。そこでこんな戦術を試してみます。
1.彼らが私に依頼した理由を思い出してもらうために、費用を節約して彼ら自身で日曜大工のように取り組んでいただきます。
2.私の「専門家」としての知識をお望みなら、それは「非専門家」の知識とは一致しないことを理解していただきます。
3.他の企業が同じような失敗をした事例を見つけておきます。
4.彼ら自身の取り組みによる失敗は私の言葉よりも雄弁でしょう。彼らが私に立て直しを依頼してくるのを待ちます。
5.同意できない事をハッキリと伝えて、プロジェクトから身を引くことにします。」— D’Wayne Edwards, Pensole
これは少し意地の悪い方法のような気もします(笑)。
しっかりしたプロジェクト契約ができている状況でなければできない戦術かも。
「私たちはクライアントに対して直裁的で正直に対応します。もしクライアントから役に立たない申し入れがあったら『それは良いアイデアとは思えません』と伝えます。」— Jessica Walsh, Sagmeister and Walsh
まったくその通りです。クライアントとの信頼関係があってこその対応です。
デザイナーがクライアントの悪趣味や行儀の悪さを正せるかといえば、それは相当に難しいと思ってます。だからといって、クライアントの奴隷になって、間違った関係のなかで自己嫌悪になるような仕事はしたくないものです。
元記事はこちら
How Top Designers Tell Clients That Their Taste Sucks
こちらも合わせてどうぞ
「クライアントにとってあなたの(デザイナーとしての)価値を増幅させる5つの方法」
象のシンボルの大きな「e」。それだけ。
こういうデザインが好きです。
おおらかで、なんとも説明しがたい魅力があります。
児童書の書店なのかな?
デザインしたのはこちらの会社
http://www.gradedesign.com/identity/elephant-books
一回見たら忘れないビジュアル体験をうまく使った国を挙げた大規模キャンペーン。
ルーマニア国民の70%にリーチして、大成功したルーマニアのキャンペーンだそうです。
くわしくはこちら
http://adgang.jp/2014/12/81920.html
映画「ロード・オブ・ウォー」で、
「真の大量破壊兵器は核兵器ではなく、AK-47だ。」
という台詞がありました。
このリブランディングを手掛けた会社はモスクワの「Apostle Center for Strategic Communications」という会社だそうで、約4500万円が支払われ、さらにアジアや南米向けを含む10億円規模の販促計画があるそうです。
元記事は「あなただったら、この仕事やりますか?」と結んでいます。
元記事はこちら
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