1993年から3年間のプロジェクトだったようです。
PDCAの手法が未熟な子供の遊びに思えてきます。
18世紀創業の伝統的なKPMのクラフトをどのように現代に転換するのか。
というプロジェクトだったようです。
「手で創る」ことを前提としながらも、手作業の実行時間を最小限にすることを目指したようです。
リサーチして、研究して、「壊す」ことまで含めた実験をしていること。
「印刷された装飾は手作りといえるのか」というようなテーマも検討したそうです。
エンツォ・マーリが考えたこと、取り組んだこと、実践したこと、どれも理にかなったアプローチに思えます。
ずっと前にエンツォ・マーリの「プロジェクトとパッション」という本を読んだ時はあまり理解できなかったのですが、少し理解できた気がしました。
元記事はこちら
enzo mari design history: craftsmanship as utopia, porcelain vases and decoration for KPM >>
Appleを顧客としてこれからもAppleのデザインに関わり続けるようですが、Appleのデザイン・カルチャーにも変化が起こるかもしれません。または、これからのAppleにとって最重要となるデザインの分野はジョニー・アイヴの手掛けてきた分野ではなくなるのかも。
「・・・・アイヴはAppleが21世紀の危機的な瞬間を迎えようとしているところです。アイヴは20年間かけて、人々がテクノロジーとどのようにやり取りするべきかについての視点を明確にしました。しかし、テクノロジーの未来はもっと不透明です。そしてそれはこれまで以上に優れたデザインを必要としています。・・・」
「2020年に向かってテクノロジー産業は新しい時代精神に向かっています。 ” 私のポケットの中にある小さなコンピュータはどのようなものになるのでしょうか ” よりもずっと大きな問題に直面しています。」
下記のURLの記事のまとめは興味深いです。
記事はこちら
Jony Ive is leaving Apple at the worst time >>
Jony Ive to form independent design company with Apple as client | Apple >>
http【関連記事】Appleがそのデザインの20年を振り返る写真集『Designed by Apple in California』を出版 >>
個人的には、アイヴ以前のアップルのデザインも好きです。
憧れたグラフィックの数々が揃っていました。
80年代後半ごろの作品は懐かしくもかっこいい。
冴えわたってる感じ。
現在のビジュアルデザインは説明的で画一的すぎるかも。
あと、写真を恣意的にイジリ過ぎなんだとも思えてきました。
当時の日本のグラフィックデザインはいろいろな意味で頂点だった気がします。
2018年に公開されたディーター・ラムスのドキュメンタリー映画のオマケ映像らしいです。
ご本人のナレーション。音楽はドキュメンタリー映画と同じでブライアン・イーノのようです。
美しく、シンプルで、力強いメッセージの映像。
胸に刻んでおきたいです。
上の動画で話してる Marcus Engman は6年間IKEAのデザイン責任者で、IKEA製品のイメージを変えながらIKEA成功に導いてきた人。IKEAを退職して SKEWED というデザインコンサルティング会社を設立するそうですが、その会社のコンセプトが素晴らしいようです。
「私はデザインがマーケティングの代替になり得ることを示したいと思います。」
「デザインやコミュニケーションを正しく行えば、メディアを買うよりもよいマーケティングになるでしょう。」
「人々はモノをつくるプロセスに興味を持つようになっています。私は透明性を信じています。デザインプロセスの透明性が向上すれば、人々の関心が集まり、プロジェクトにも関心が寄せられます。」
「大企業でやる仕事の大半は、戦略を立てることと協力会社を見つけることでした。私はデザインにもっと近づくことを望んでいました。もう一度、自分でデザインすることができるようになりました。」
「我々は、良いデザインが無駄に死んで悪いデザインがその価値に相応しくない注目を集めるのを見てきました。 あなたが本当に変えたいのなら(もちろんそうしますが)マーケティングはこれ以上機能せず、デザインやデザイン・シンキングでは十分ではありません。
必要なのは、デザインとコミュニケーションを開発することです。これを行う唯一の方法は、個人の利益やスプレッドシート・シンキングを超えて、大きなアイデアを持ち、分野を超えて一緒に働いて、正しく始めることです。
そのために私たちは、オープンでコラボレーティブなコミュニケーションによってデザインの可能性を探求し開発するためにSKEWEDを設立しました。私たちは分け与えあいます。」
素晴らしい理想を掲げていると思います。
SKEWED では Marcus Engman がプロジェクトごとにチームを集めてプロジェクトごとの利益を共有するという体制にするようです。(日本でやったらうまくいかなそう。)
デザインの新しいワークスタイルを確立させてほしいです。
元記事はこちら
Design will kill marketing, says Ikea’s former design chief >>
誰もが知ってるグリーン車のマークもこの人のデザイン。
旧国鉄のインハウスデザイナーとして、特急列車のヘッドマーク、車体色、などのデザインを手掛けたそうです。
イラストレーターとしても評価が高く、懐かしいサントリーの新聞広告のイラストはこの人だったことを初めて知りました。
端正で的確で幅広い仕事でした。
デザインが絵を描く技術に裏打ちされていることがよくわかります。
今の時代とはデザインのプロセスも違いますが、実際に手を動かしているからこそ生まれるデザインでした。
図録が入手できず残念。
ずっと前に展覧会に行ったらご本人が作品を説明していました。
1970年代の実物の印刷物のポスターを自分でパネルに貼ったと言っていたのを覚えています。
展示されていた作品は詩的で、必然性があって、扱っている内容(コンテンツ)への熱意を感じました。
「デザインは姿勢(アティテュード)である」という理念のとおりの作品で、グラフィックデザイナーのポリシーとしてお手本のように思えました。
広告界の重鎮ジョージ・ロイスは、MoMAに収蔵されるようなエスクワイア誌の表紙やMTV初期のキャンペーン「I want my MTV」を手掛けた人。その彼が今日のブランディングや広告業界の若手にアドバイスしてくれているようです。
翻訳が間違ってるかもしれませんが、いくつか引用・・・
「私はデザインを見せるようなことは決してしてこなかった。私は単純明快なアイデアを見せたんだ。」
「私はデザインについて話したりしない。アイデアの話をしたんだ。」
「私は優れたアイデアを生み出したりしない。プロダクトとマーケットと競合を理解すればそこにアイデアがある。それを実行すればいいんだ。」
「今日の代理店の若い才能ある人たちに、上司から離れて話を聞けば、どれほど惨めな仕事をしているかを泣いて訴えるだろう。」
「私は若手には広告業界で誰もがやっているようなことはしないように教えようとしています。・・・自分の本能に従ってアイデアを考えれば、ビジネスを救い、新しいブランドを生み出すことができるでしょう。」
「若い人たちがパソコンで何かをしているので「何をしているんだ?」と聞くと「調べています。」と答えます。それではダメです。自分自身と働いてください。あなた自身の才能で大きなアイデアを思いついてください。自分の脳を使ってください。」
「広告業界ではデザイナーを含めた大きなグループで仕事を進めますが、これがあまり機能しません。わたしはこれを「グループ酔い」と呼んでいます。まず、あなたは自分の才能を持たなくてはなりません。」
惰性と慣習のグループ・ワークよりも個々の才能や創造性を活かすべきだと話しているようです。
まったく古いタイプの広告マンとも言えるでしょうが、これからの未来ではまた大切なことなのかも。
この春から広告業界のデザイナーになった人の励ましになれば。
元記事はこちら
Ad Legend George Lois: Magazine Covers Are “Trash Today” >>
シド・ミード、84歳だそうです。
新作のブレードランナーのためにもスケッチを描いて監督に送っていたそうです。
砂漠に埋もれたあのホテルのイメージがそうなのかも。
インタビューのなかのシド・ミードの言葉・・・、
「いまやコンピュータは、人を完全に信じ込ませるだけの物、風景、その他の視覚効果を生み出すことができます。しかしデザイナーやアーティストとしてあなたが想像力を働かせる必要性に変わりはありません。」
「あなたはまだ絵を描くことができなければなりません。コンピュータはツールです。ツールは常に変化しますが、デザインすることややシナリオをつくることは依然として創造的な能力です。」
元記事はこちら
How “Blade Runner” Artist Syd Mead Designed Las Vegas Of 2049 >>
「自分のアートのためにリスクを取れ。
クライアントに話すのも恐ろしいアイデアがある。
彼らは拒否する。当然だ。
それでも自分の内なる声を聞いて、その理論を構築するんだ。」
すごく力強いメッセージ(笑)
この映像は予告版で、本編は15のレッスンがあって90ドルでエントリーできるようです。
この春からスタートするらしいです。
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