CIAのサイトがリニューアルされたようです。読み物コンテンツはちょっと面白そうですが、サイト構成が普通の会社の企業紹介と社員募集のサイトのようで、逆に怖いです。
ジーナ・ハスペル長官(CIA初の女性長官)になってから、組織の人種性別の多様化を図るべく、若者を採用するためにSNSの活用を進めてきたそうです。
サイトにも若者向けのビジュアル要素やインタラクションをちゃんと盛り込んでます。
ただし、トレンディで安っぽく見えるので、テックブランドやデザイン会社またはレコードレーベルのようだと批判されていて、クラブのチラシとまで言われてるようです。
とくに「ブランド・モチーフ」(これがなんなのかわかりません)として描かれているマークは、ピーター・サヴィルによるジョイ ディビジョンのジャケットと比較されたりしてるようです。
このブランドモチーフはhtmlにSVG要素で描いてあるようです。
デザインは批判されていても、CIAの最新の採用活動は成功してるそうです。
デザインの善し悪しを判断するのは難しいことです。
CIA rebrand looks to diversify its agents, though critics say it’s a trendy step too far
1969年から1998年まで使われていた自社ロゴをベースに、タイプフェイス、形、色を微調整してミッドセンチュリーの魅力と現代的な感性を視覚的に融合させているそうです。
デジタルプラットフォームを念頭に置いたデザインです。
フォントファミリーは「Flame(炎)」という名前です。丸みを帯びた、大胆な、美味しそうな、というイメージで「人々に一口食べさせたいと思わせるフォント」だそうです。
色は「ファイヤーリー・レッド」「フレイミング・オレンジ」「バーベキュー・ブラウン」の組み合わせに、「マヨエッグホワイト」「メルティーイエロー」「クランチー(シャキシャキ)グリーン」のサブカラーです。
バーガーキングの親会社のデザイン担当であるラファエル・アブレウ氏によると・・・
「デザインは、私たちが何者であるか、何を大切にしているかを伝えるための最も重要なツールの一つであり、私たちの料理に対する情熱を生み出し、ゲストの体験を最大化する上で重要な役割を果たしています。」
だそうです。
アイデンティティのデザインについて的確な見識のように思います。
The Burger King rebrand celebrates its design history and irreverent personality >>
何年も前に公開されていたようですが、彼のバックグラウンドと考え方がわかる、おもしろいドキュメンタリーでした。
タイトルの通り「デザインによるアート」であることがよくわかります。
「デザインはアートではない」という言説は正しいと思いますが、近い将来それでは足りなくなるのかも。
それにしても、彼のスタジオはすごい。
「あおくんときいろちゃん」で有名な絵本作家になるまえの広告業界での大活躍など、見応えある展示でした。
グラフィックデザイナーとしての若い頃の、流行に敏感で、オシャレで洗練されたモダンな感じが、瑞々しくて良かったです。軽妙洒脱という感じ。
実現しなかった仕事もたくさんあったようですが、それでも次々と軽快に仕事を続けていったようです。
魅力的な作品だけでなく、そういう仕事への取り組み方がかっこいい印象でした。
広告業界の変化に疑問を感じて、自身の創造性の探求に向かうことになるストーリーも興味深いです。
原画をなくしてしまったのか、「スイミー」の原画展示のために、もう一度描いていたのは、なんだかとても広告業界っぽい感じがしました。
私たちは現実を認識することが困難になりつつあり、消費者の行動の変化を捕らえることは、さらに複雑になっていくようです。
frog design では「フィクションで未来を理解する」として、フィクションを適切に活用することで、より倫理的なワーク/ライフの環境を構築していけると言ってるようです。
ちょっとファンタジックな感じもしますが、創造性のあるトレンド予測です。
「リモート コントロール」「リアリティ チェック」「ラディカル レスポンシビリティ」3つのシーンで紹介しています。
■シーン1. リモートコントロール
「スキルを持った労働者がこれまで以上にモバイル化し、需要が高まる中、企業は単に柔軟なWFH(ワークフロムホーム)ポリシーではなく、強力なWFHテクノロジーのパッケージを提供することで、従業員の獲得競争を余儀なくされることになるでしょう。リモートワーク技術が成熟するにつれ、それは初期の採用者であった専門職や創造的な部門を超えて、他の労働力の変革を可能にするためにも拡大していくだろう。」
「産業界は、これまで考えられなかったリモートワークの機会を模索することになるでしょう。」
「私たちが仮想世界にさらに深く入り込むとき、仮想世界には常に本質的な非仮想労働者からのサポート、供給、メンテナンスが必要になることを忘れてはいけません。」
■シーン2. リアリティチェック
「アルゴリズムとユーザーの嗜好性の助けを借りて、私たちのデジタルインタラクションはしばしばユーザーに合わせて調整され、「同じ」インターネットを使用しているにもかかわらず、個別の体験をもたらしています。」
「前向きに考えれば、「リアリティチェック」が迫っています。現実に足を踏み入れ続けるためには、個人的な反省、広く社会的レベルでの新興技術についての継続的な会話、そしてオフスイッチ付きのデバイスの設計が必要になるでしょう。」
■シーン3. ラディカル レスポンシビリティ
「デザイナーは、製品のストーリーが値札と同じくらい重要であるという、新しい消費者パラダイムの構築への道を切り開くことになるでしょう。」
「ラディカル レスポンシビリティとは、私たちが気にしているのは利益だけだという考えを捨て、代わりに、人々が十分な情報を得た上で意思決定をするために、棚に並んでいるものの全容を明らかにすることに焦点を当てることです。今後、企業は製品の「倫理的ストーリー」を共有することが奨励され、消費者が購入する製品の一つ一つに使われている商品、労働力、サービスを明確に識別できるようになります。」
「製造業と消費者行動のより大きなエコシステムに真に影響を与えるためには、デザイナー、研究者、技術者、ビジネスリーダーの間の協力的な努力が必要であり、製品が十分に研究され、地球への影響が最も少ない方法で人々に永続的な価値を提供する方法で設計され、構築されるようにすることで、より公平なシステムが構築されます。」
2020年のコロナ禍ではデータビジュアライゼーションはj大切な役割を果たしました。
19世紀や20世紀初頭の疫病流行のときとは違って、世界中のネットワークから収集されたデータが、21世紀のツールで視覚化されて、即時に世界中に共有されました。
これまでの人類の歴史に疫病は何度かあったでしょうが、今回のようなことはじめてかも。
ニューヨークタイムズ紙やワシントンポスト紙の記事は素晴らしいグラフィックデザインだったと思います。
下記の記事では、データ可視化の歴史の紹介からはじまって、現在のテクノロジーをどのように使っているのか、データのスケール、影響力など、現状と課題も紹介しています。
デザイナーがどのようにメタファーを使ったかについての紹介は、デザイナーがデータを扱うときの態度として、大切なことを説明してるような気がします。
■元記事
2020年の混沌を理解するのに、データデザイナーがどのように役立ったか >>
■関連記事
ニューヨークタイムズの新型コロナを報道するためのレイアウトラフ >>
コロナが世界中でどのくらい速く拡散しているのか可視化したインフォグラフィック >>
屋外広告に予算を使う代わりに、コロナ禍で休業中のバルセロナ市内の15軒のバーのシャッターに広告を出したそうです。広告費がお店の収入になるようです。
素晴らしい企画。
「そうは見えないかもしれませんが、このバーは閉店しているわけではなく、元気になりつつあります。」
などのポジティブなメッセージになってるそうです。
手掛けたのは ピュブリシス・イタリア。
元記事はこちら
Heineken Helps Out Closed Bars By Buying Their Shutter Space For Ads
毎年恒例ですが今回は先の見えない年のトレンド予測です。とても勇気あるレポートだと思います。この年末年始によく読んでみようと思います。
コロナ禍の不安や孤立に寄り添うように、精神論的でヒーリング調のストーリーになってる気がします。
そんな状況下で企業とブランドは、何を考えて、何を打ち出して、何をするか、を解説しています。
「元に戻る」のでも「コロナ後」でもなく「2021年はこの状況は続く」として、「What’s going on? (何が起こっているのか?)」を分析して「What’s next?(次はどうなるのか?)」を予測してます。
■集団的変異
コロナ禍は、私たちが働き、学び、買い物をし、遊ぶ方法や場所、そして私たちが住む場所さえも大きく変えてしまいました。
集団的な変異は人々の行動に多大な影響を与え、多くの企業は、これまでよく知っていた顧客が変わってしまったという事実に直面しなければなりません。
まず、ブランドは情報収集がどのように変化してきたかを理解しなければならない。
第二に、ブランドはショッピングが一日の中で、デバイスをまたいで、多くのミクロな瞬間にまで広がっているという事実に対処しなければならない。
ソーシャルメディアはこれらの瞬間の多くのきっかけとなり、人々が購入するかどうかに影響を与える可能性が高い。
第三に、物理的な触感をデジタルで再現したり、置き換えたりする必要があります。
最後に、ブランドは没入型のアプローチによって喜びを提供する方法を探さなければならない。
すべてのコミュニケーションにおいて、希望に満ちたトーンとメッセージングを選択し、文脈に合わせてミックスしましょう。
■自分でイノベーションを起こす
解決策を提案するのではなく、ツールを提供し、人々が自分の生き方をより創造的にできるようにすることで、組織がイノベーションへのアプローチを再考することが急務となっています。
デザイン業界では、可能な限り最高の製品やサービスを実現するために、人々と一緒に共創することの美徳を長い間説いてきました。しかし今、組織は共創をアウトプットとして考え始めなければなりません。
クリエイティブチームはエコシステムのアプローチをとって、製品やサービスを構築できるプラットフォームを設計・構築しなければなりません。
顧客に焦点を当てていたものを、共創者に焦点を当てているものに変えてみましょう。
顧客があなたのデータを使って、あなたの製品やサービスだけでなく、他の人と一緒に遊んだり、創造したりできるプラットフォームを設計・構築しましょう。
■素敵なチームはこれでできている
かなりの割合の労働者にとって、在宅勤務はオフィスでの生活になっています。
机、椅子、コンピュータ、インターネットアクセスなど、必要なものの多くの費用は雇用主が負担してくれると思っていましたが、多くの人はこれらの費用を自分たちで負担しています。
また、従業員は、職場に物理的に存在することの周辺的な価値、すなわち社会的資本、知識の移転、ソフトスキル、実地経験などは失われています。
リモートワークの倫理について考えてみましょう。雇用者は、各労働者の自宅は個人のスペースであり、プライバシーと自由が重要であることを認識してください。
職場では当たり前のことが、家庭でも当たり前になるのでしょうか?
柔軟な働き方のために、テクノロジーと文化を融合させたソリューションをデザインしてください。
■インタラクション放浪記
私たちが数え切れないほどの時間をスクリーンの上で過ごして世界と交流する中で、デジタルにおけるテンプレート化されたデザインが引き起こすある種の同質性に気づくことがあります。
企業やブランドはデザイン、コンテンツ、視聴者、そしてそれらの間の相互作用を再考し、スクリーン体験に大きな興奮、喜び、セレンディピティを注入しなければなりません。
カメラや編集ツールの低価格化と品質の上昇に伴い、プロとアマチュアのコンテンツ制作者が中間で出会い、互いに影響し合いながら、新しい美学の基準を作り始めた。しかし、ユーザーインターフェースキットやデザイン言語の標準化などにより、UIデザインは単調になりつつあります。
このようなイノベーションの欠如は、拡大し続けるスクリーンの上で過ごす時間を退屈なものにしています。
時代遅れの規範や制限的なデザインテンプレートから脱却したブランドは、差別化を実現することができます。
インターフェイスとコミュニケーションにおける創造的なリスクを取ってください。同質性の海に溺れないでください。
エンゲージメントを広げるために何ができるかを理解するために、新しいエンターテインメントのプラットフォームや美学を探求してみましょう。
■リキッドインフラ
物理的な店に直接行く人が減り、都市のハブは減少しました。集団的変位のトレンドが示すように、自宅が新しい店舗となっています。
企業は新しいビジネスモデルと価値提案を模索すべきである。
企業はサプライチェーンを成長の原動力として考える必要があります。そのためにはサプライチェーンをより柔軟に対応できるようにする必要があります。
■共感チャレンジ
2020年には、不平等に対する懸念が急激に高まっており、組織にとっての課題となり、どのように対応すべきかという問題が提起されています。
企業に必要なのは、実利主義と共感を融合させた新しいアプローチであり、善意の意図を確実に実行できるようにすることです。
人々は自分が働いている組織や、自分が使用している製品やサービスの目的や倫理にますます関心を寄せています。
これまで以上に物語をうまく管理することが重要になってきています。
長年にわたり、DesignThinkingは共感性を「傾聴」と同一視することで、簡単にリストから外すことができるようにしてきました。しかし、共感はただ聞くだけのものではありません。共感とは行動の仕方なのです。つまり、デザイナーはリアリティを作るだけでなく、コミュニケーションの専門家と協力して、物語をどう管理するか、そして物語を豊かにするためにどのようなツールを使うかを考えなければならないのです。
■失われた儀式と発見された儀式
私たちの多くは、かつて楽しんだ生活の儀式を惜しんでいます。セレモニー、お祝い、ルーティン、日常生活に関連した伝統にまつわる共有された感情的な経験は、家族や友人、仕事、地域社会、そしてより広い社会の中で私たちを結びつけています。
あまりにも多くの変化に伴い、新しい意味を再評価し、模索する時期となり、多くの人が新しいルーティンの中で喜びと安らぎをもたらす新しい儀式を開発するようになりました。
人々が新しい予期せぬ状況での生活を助けるための新しい習慣、儀式、対処戦略を望んでおり、必要としていることは明らかです。
ブランドは、失われた儀式によって残された空白の空間を理解し、それに代わる体験を提供しなければなりません。
「ポータルとしての儀式」「帰属意識としての儀式」「快適さとしての儀式」「アンカーとしての儀式」がブランドが新しいものをデザインする際に考慮すべき儀式の4つの役割です。
顧客には、私たちは生活の中に何らかの「正常さ」を見つけるために一緒にいるということを認識してもらい、それを誠実に伝えましょう。
失われたものから発見されたものへと移行するための儀式を奨励しましょう。人々がより関連性を感じられるようにしましょう。
そのうち日本語訳も出るかも。
あくまで噂話のレベルのようですが・・・
iOS14から部分的に稼働されたApple自社製の検索エンジンは、Googleのような広告ベースのビジネスモデルを目指していないようです。
Appleのデバイス、Appleのサービス、Applrのサブスクリプションの収益を最大化させるための検索エンジンになりそう。
このビジネスモデルの場合には、ユーザーのプライバシーについての問題も回避できるようそうです。
このApple検索でGoogleの支配が終わることないでしょうが、もしApple検索がiPhoneユーザーに浸透したら、ネット広告業界は大きく変わっていくことになるかもしれないそうです。
iPhoneユーザーの検索行動がGoogleから見えなくなるなら・・・ネット広告のバランスも変わってくるかも。
Appleは「自社製」を増やしていく方針のようで、これから大きく変わってく気がしてます。
Why an Apple search engine has a real shot at competing with Google >>
2020年を特別な1年としてナショナルジオグラフィック誌で特集が組まれるそうです。
特集記事は「試練の年」「孤立の年」「力を与えられた年」「希望に満ちた年」の4つのテーマの構。
力強い写真です。
「ナショナル ジオグラフィックの133年の歴史の中で、1つの年をテーマに選んで特集することはありませんでした。しかし、それを必要とする年があるとすれば、それは2020年です。」
「数え切れないほど多くの点で私たちを試された一年でした。ハリケーン、山火事、イナゴなどです。学校やオフィスは閉鎖され、私たちは仮面をかぶり、社会的には家族とさえ疎遠になった。しかし、この年は私たちに力を与えてくれた年でもあり、警察の手によるジョージ・フロイドの死が、社会正義のための緊急かつ多様な運動の発火点となったのです。」
「2020年のイメージに目を通すと、希望を見出すこともできるでしょう。」
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