映画会社のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)スタジオのロゴが2012年以来のリニューアルで、お馴染みのライオンは7代目でついにCGになりました。6代目のライオンは1957年に登場したそうです。
さらに金ピカになったようです。
夢の仕事「衛星技術者」なろうと旅立った男は、寂しさから昔の友人とメールをし続けています。ほんの少し自分の仕事を怠ったために、衛星が軌道を外れ、世界のネットワークが崩壊してしまう・・・
コロナ禍のリモートワークの孤独感って、こういう感じなのかも。
元記事には作者のインタビューがあります。
最初のアイデア、テーマ、制作過程などを紹介してます。
かっこいいです。ブラウン100周年記念のコラボのようです。
ディーター・ラムスのデザインの意味を理解したうえで、今日的な解釈をしてるようです。
オリジナルへの敬意が感じられます。http://designers-union.com/#
オリジナルと同じように、壁にかけるアートのような佇まいですが、全体がクローム仕上げになっていて、ボタンやダイヤルにはドットフォントのタイポグラフィが使われています。
ラグジュアリーでハリウッド的でヒップホップな感じ。
「最小限の変更で最大のインパクト」というデザイン方針だったそうです。
Virgil Abloh partners with Braun to reinvent classic product as “functional art” >>
いつまで続くのか、どうなるかわからない状況で、空想を巡らせて描かれたドローイングは、なぜか瑞々しく見えました。
昔見た大岩オスカールの作品は物語がある大きな油彩で、昭和の漫画の匂いがするキャラクターが描き込まれていました。よく覚えてます。懐かしいです。
今回の作品は、大型のタブレットに描かれてネットにアップされたモノクロのデジタルドローイングを、版画作品にしたものでした。
パンクスらしい、反骨精神溢れるインタビューです。
グラフィックデザインの行き詰まりと、その先について語っています。
「グラフィックデザインは死んだ」と言いながらも、グラフィックデザインの未来について悲観してはいないようです。
ネヴィル・ブロディはロイヤル・カレッジ・オブ・アートで教えているそうで、そこで学生たちにどのように教えているかについても話しています。
以下は抜粋です。(いくつか理解が間違ってるかもしれません)
「グラフィックデザイナーの根底には、いくつかのジレンマがあります。
第1に、アルバイトをせずに、どうやって社会的に意義ある挑戦的な仕事をして食べていくか?
第2に、どうやってフリンジに立ってインパクトを与えるのか?
2つ目の質問の答えは「フリンジに立ってインパクトを与えることはできない」です。外側にいて何かを変えることはできないということです。」
「The Faceの仕事の最初の2~3年は、とてもチャレンジングなものとして見られていましたが、その後は、トレンディなものとして見られていました。それは私が望んでいたことではありませんでした。」
「私たちは、学生たちが慣れ親しんできたものが崩壊してしまうような、非常に脆く、根拠のないものとして『デザイン』を放置しています。学生たちは新しい考え方や新しい反応を開発しなければならないのです。私たちはロイヤル・カレッジ・オブ・アートでの指導を 『脱・規範(ポスト・ディシプリン)』と呼んでいます。あなたは単なるコミュニケーションの実践者です。ポスターや音響作品を作るかもしれないし、物理的な空間をデザインするかもしれないし、小説を書くかもしれない。伝えようとしているメッセージに応じた対応ができるような指導を心がけています。 」
「今はおかしな時代だと思います。『グラフィックデザインは死んだ』という見出しになるかもしれませんが、ある意味ではそうなのではないでしょうか?グラフィックデザインはPinterestとInstagramでしか見られない。」
「企業はユーザーエクスペリエンスデザイナー、コーダー、プログラマー、ソーシャルメディアマーケティングの専門家をますます必要としています。ロゴやブランド、ポスターやリーフレットなど、物理的なものはそれほど重要ではありません。ピザの宅配を除いて、ダイレクトメールをすることはもうありません。雑誌も手に入らない。そして、雑誌はもうデザインされていないのです。」
「テンプレートを設定して、それだけです。それぞれの記事を独立してデザインされているわけではなく、定型的なものです。バックエンドのエンジニアリングとフロントエンドのマーケティングがすべてです。グラフィックデザインは、書籍や出版物に多く見られる傾向があります。今では雑誌を手に入れることはできません。グラフィックデザイナーのためのグラフィックデザインという、それ自体が産業になるのです。」
「プラットフォームのためのテンプレートを構築したり、ビジュアル言語のためのツールボックスを構築したりすることの方がはるかに重要なんだ。雑誌の美しい見開きをアートで演出するというのは、今はもうありません。」
「『グラフィックデザイナー』という昔ながらのスキルの肩書きはもうアイデンティティではないんです。グラフィックデザインが死んでも、グラフィックデザイナーが死んだわけではありません。私たちの仕事の本質が劇的に変化したのです。・・・グラフィックデザインの最初の100年は、おそらくダダから始まって、コロナで終わったと思う。」
Neville Brody on Navigating Graphic Design’s Shifting Identity >>
いい議論です。昔からデザインの流行り廃りはありますが、SNS映えが求められるようになったことで、一層顕著になったうえに高速になっています。流行にのることの何がダメなのか、また何が正しいのか、デザイントレンドの意味についての記事です。
ロンドンを拠点とするデザイン会社Studio LowrieのクリエイティブディレクターのMike Whiteさん、アラブ首長国連邦を拠点とするグラフィックデザイナーのShamma Buhazzaさんの意見です。
どちらも率直な意見だと思います。
以下は抜粋です。
「トレンドは『人々に受け入れられている人気のあるもの』としてポジティブに捉えるべきで、反発するようなことではない。
トレンドを好むことが、自分たちのデザインを過小評価したり、創造的な個性を軽視したり、独自のセールスポイントを軽視したりすることになるかもしれないと恐れているのでしょうか?」
「インスタグラム上の新しいトレンディなデザインの急速な流れのもう一つの欠点は、自分のデザインの実践の中でのリサーチプロセスの混乱です。人々はリサーチをしていないので、自分の基準点がどこから来ているのかさえわからないのです。だから、本当に興味深い創造的な方向性やデザインの『パスティーシュ(模倣・寄せ集め)』を見ているようなものなのです。その結果、オリジナルの洞察ではなく、誰かの出発点を再利用した、希薄化された価値のないものになってしまうのです。」
「デザイン業界ではアドビのソフトウェアがほぼ独占状態にあるため、同じシステムを使って仕事をすることが多く、一定の制限の中で自然に仕事をし、特定のスタイルを再現することができます。」
「このデザインの奔流に大量にさらされるという呪いにも、その恩恵があります。デザインのトレンドを利用することで、その作品が人々に親しみやすく、親近感を持ってもらえることがあります。親しみやすさは、認知度を高め、アクセスしやすさを生み、それは支持的であると同時にコミュニケーションにもつながるのです。」
「トレンドに飛びつくことのさらなる負の側面は『時代を超越したもの』の要素を失うことです。そうした作業は『何年も経ってもまだ新しく新鮮』に感じられます。」
「例えば、形と機能の関係です。デザインは今、形が重要なのです。デザインは機能の結果であるというスイス風のモダニズム的なアプローチを説いた教育を受けてきました。今でもそうだと主張する人もいますが、実際には今はそうではありません。」
「ある意味、グラフィックデザインはイラストレーションに近いものになってきたのか、アートに近いものになってきたのかと考えています。」
「この10年間で何が起こったかというと、いままでのアプローチは、興味に対するリターンを必要とするクライアントにとって十分ではなかったということだと思います。デザインソリューションはデザイナーが決定するのではなく、マーケティングチームからの情報をもとに、ビジネスの支出を正当化できるようなデザインワークのベースを提供する戦略に重点が置かれるようになりました。これは、オーディエンスのエンゲージメント、『いいね!』『クリック』『シェア』『保存』などを考慮したトレンドベースのデザイン決定に対する計算可能な反応によって実現されます。
「CIAのリブランドに見られるのは、デザインの美学が関連付けられている文脈を理解しないまま、トレンドに飛びついてしまった例です。インスタグラムを見て、気に入ったものを見つけるまでスクロールして、それをコピーしてしまう人もいます。」
「最終的には、トレンドが私たちの文化の定義や文化の中で起こっていることを定義しているのです。」
上記はほんの一部だけの抜粋なので、全部読んでみるのをお勧めします。
共感できると思います。
元記事はこちら
Is graphic design too trendy? >>
ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に隣接するTWAフライトセンターが2019年にTWAホテルとしてリニューアルされたそうです。
TWAフライトセンターが建設されたのは1962年。
当時の航空業界の黄金時代「ジェット・エイジ」と、ミッドセンチュリーモダンのデザインを堪能できるホテルです。
テーマパークや博物館のような施設もあるようです。
かっこいいです。
ロンドンのデザインコンサルタントHetcoは、2020年4月から、裁縫のための布のキットを販売するベンチャーとして「pattern-project」をはじめたそうです。
Hetcoはデータ重視型のデザインコンサルタントでBBCや公益法人をクライアントにしています。
「pattern-project」はサイズに合わせた型にカットされた布が送られてくるサービスで、ミシンを持ってる裁縫の好きな人なら服を縫い上げることができるキットです。
この「人間中心」のキットは、ファストファッションに反対するムーブメントにも影響を受けています。
Hetcoの共同設立者のShruti Groverによれば、人々は多くの服が作られる「非人間的な」プロセスに慣れ親しんでいるそうです。
「裁縫を始めると、服の見え方が変わってきます」
「すべての服は、幸せではない手によって作られていることを知っています。自分の製品を縫うことで、服との絆が生まれます。」
これからは、オーダーメイドに対応して型を調整できるようにオンラインのUIを開発中だそうです。
コロナ禍でミシンの売れ行きは好調のようなので、このプロジェクトはうまくいくのかもしれません。
ほかにも、コロナ禍にデザイン会社が取り組む新しいプロジェクトが紹介されています。
httpsMeet the design studios making new products and businesses in uncertain times >>
米国ではコロナワクチン接種をオンラインで予約するようですが、その申し込みサイトのデザインに問題があるというレポートです。
リサ・デベッテンコートさんが75歳の父親がニューハンプシャー州のコロナワクチンのウェブサイトに登録するのを手伝ったときの経験だそうです。やや米国政府への愚痴っぽい記事ではありますが、日本でも同じことが起きる可能性があるのかも。
混乱させるような指示や分かりにくい手順が多く、予約が完了したと思ったとき、実際には、ニューハンプシャー州の最初の承認プロセスを完了しただけだったそうです。
米国の医療システムは個別に独立して構築されたため、標準化されていないそうです。
それらのシステムにはUXの専門家はほとんどいないそうです。
また、疾病対策予防管理センター (CDC) による、コロナワクチン接種を管理するための、VAMS (Vaccine Administration Management System) という無料で提供されるシステムがあったそうです。
このシステムはほとんど失敗に終わったそうですが、この構築のためにCDCはデロイト社に50億円くらい払ったそうです。
デベッテンコートさんは下記のような指摘をしています。
■誰のためにデザインしているのかを明確にし、困難なケースをターゲットする。
身体の不自由な人、PCやスマホに慣れていない人、通信速度の遅い人にも配慮してデザインされるべきだそうです。
■初期のプロトタイプでユーザーテストをする。
どんなに優れたデザイナーでも、自分たちだけではすべてを正しくできないことを知っています。
代表的なグループの人々が初期のプロトタイプを使用するのを見て、その結果を慎重に検討すべきだそうです。
■グッドデザインを組織の優先事項にする
優れたデザインが重要であると誰もが主張していますが、それを実現するために必要な投資を行うべきだそうです。
「パンデミックの影響で、階級に関係なく、すべての人が、資金不足や設計不足のシステムを初めて利用することを余儀なくされたことです。この気づきが、グッドデザインの重要性を強調し、一日も早く大幅な改善につながることを期待しましょう。」
申請フォームのデザインはUXの重要箇所で奥が深いですね。
「人や物を動かしている自然界や社会の中の不可視の力の作用に着目し、そのメカニズムを再構築しようと試みるアーティスト5 組を紹介」ということで、若く瑞々しい印象でした。複雑で不可解でテクニカルな作品たちでした。
若いアーティストの制作技術の高さに驚かされます。またその説明も理路整然としてます。
自分もちゃんと勉強しようと思えてきました。
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