Google検索のデザイナーだったElizabeth Larakiさんのツイート。
Googleが作ったテキストボックスのUIが、この20年間の「検索」の決定的なUIデザインだったけど、ChatGPTの画像や動画によるUIで変革の時を迎えているそうです。

いくつか抜粋です。

「私がグーグル検索のデザイナーだった頃、主要な検索エンジンはすべて同じように見えました。
グーグルは、何十億ドルもの広告収入を支える、最適化されたUIを備えたマーケットリーダーだった。
当然のことながら、それが検索結果を表示する方法となった。
その成功により、グーグルが大きなUIの変更を検討することは非論理的となった。
そして、グーグルが行った変更は、他のすべての人々に反映された。
だから20年後、私たちは検索エンジンのUIに漸進的な変化しか見ていない。」

「LLM(大規模言語モデル)の機能を理解し、人々がLLMとどのようにインタラクションするかを定義するのは、まだ早い。
これらは未知の領域です。」

「入力ボックスはシンプルで汎用性があり、親しみやすい。
- わかりやすい → ボックスに質問を入力する。
- 汎用性がある→ボックスはあらゆる種類の質問/クエリーを扱うことができる。
- このパラダイムは非常に馴染みやすい。
このため、LLMは本質的に ”より良いグーグル ”になっている。」

「しかし、先週のChatGPTの発表は、新たな可能性への扉を開くものでした。
ChatGPTは今やマルチモーダルです。」

「私たちは会話ボックスが最良のインターフェイスだと思い込むことで、その可能性を制限している。
今、デザイナーには、真に斬新なインタラクションを生み出し、20年以上前の検索UIのパラダイムを打ち破るチャンスがある。」

検索エンジンはユーザーが感じているほど効率が良いわけでも正しいわけでもないのかも。
ChatGPTがデザインにもたらす変化が、便利なインターフェイスだけのことなのか、私たちの認知経路を根底から変えるようなUXの変化になるのか、興味深いところです。
何年後か経ったら検索エンジンのことを「なぜあんなものを使っていたのか」ということになるかも。

Google検索のUIは、広告と検索結果を混同させる問題を抱えているとも思っています。
それまでのユーザーと広告の文脈を壊して、アドフラウドの温床にもなったと思います。
ChatGPTに広告が導入されるなら、適切なUI/UXであって欲しいと思います。

Elizabeth Laraki >>

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2023年10月7日 UX / UI

ジョニー・アイヴ サム・アルトマン 孫正義

OpenAIの技術を中心とした新しい消費者向け製品がどのようなものになるか、サンフランシスコのスタジオでブレーンストーミングを行ったそうです。
孫正義が10億ドルの資金提供して、ジョニー・アイヴ のデザインスタジオ LoveFrom で開発しようとしているそうですが、OpenAI、ソフトバンク、LoveFrom はコメントを拒否してるそうです。

スクリーンに依存しないインタラクティブなコンピューティングデバイスで、人工知能と対話するためのより自然で直感的なUXを提供することを目指してるらしいです。
ジョニー・アイヴ はiPhoneが強迫的な習慣や中毒性に懸念を示していたこともありました。

「AIのiPhone」ということで、スマートスピーカーとどう異なるのか興味あるところです。
ジョニー・アイヴ と サム・アルトマン は似ているところがありそうな気がしてます。
うまくいけば、コンピューティングやデザインにおける新しいチャレンジになるかもしれません。
孫正義が欲張って台無しにしないことを祈ります。

Details emerge on Jony Ive and OpenAI’s plan to build the ‘iPhone of artificial intelligence’ >>

OpenAI and Jony Ive in talks to raise $1bn from SoftBank for AI device venture >>

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ジョニー・アイヴが「アイデア」について語る、2021年カリフォルニア芸術大学の卒業式のスピーチ。

Appleの最高デザイン責任者 ジョニー・アイヴ が独立して『Loveform』という会社を設立する

ケンブリッジ大学のスティーブン・ホーキング フェローシップ賞の受賞式でのジョニー・アイヴの『アイデア』についてのスピーチ

2023年9月30日 UX / UI

fiverr社のOOH広告「AI TOOK MY JOB (TO THE NEXT LEVEL)」

fiverr社のOOH広告「AI TOOK MY JOB (TO THE NEXT LEVEL)」

fiverrはフリーランスのマッチングとサポートを提供する会社です。
fiverrのCMOによると、「私たちは、創造性に火をつけ、生産性を高め、ワークフローを合理化するためにAIができることを受け入れています。この素晴らしいテクノロジーの進化を称えつつ、真のインスピレーションはどこから生まれるのか、それは人間です。・・・このキャンペーンのターゲットは、AIとその仕事や作業への影響について、さまざまなメッセージにさらされてきたフリーランサーや企業です・・・私たちが明確にしたいのは、AIは依然としてツールであり、その成功には人間の才能が不可欠であり続けるということです。」とのことです。

企業として、フリーランスを守ろうという姿勢も感じられます。
AIで仕事を失うという漠然とした危機感を転換する、ポジティブなメッセージです。

OOHの「AI TOOK MY JOB (TO THE NEXT LEVEL)」というキャッチコピーは「WAR IS OVER」のイメージがあっていいです。

個人的にはAIを擬人化する演出は幼稚な気もしますが、いい広告だと思います。
AIがオープンであることは素晴らしいと思ってます。

Fiverr Casts AI as Our Helpful, Willing Workmate >>