まだ使っていないのですが、楽しそうです。
これからは、このブラウザに最適化したウェブサイトを制作するようになるかも。
このブラウザはウェブのビジネスやエコシステムに負荷が掛かるようです。
また、倫理的な点についても問題が指摘されているようです。
「このブラウザはAIアシスタントをブラウジング体験の中心に据える。ChatGPT Aliasは常時表示される「Ask ChatGPT」サイドバーを導入し、ユーザーがどのウェブページとも直接対話できるようにする。商品リストをハイライトすれば仕様を比較し、レシピを開けば食材を買い物リストに追加できる。」
「Chromeは長年検索の代名詞だったが、Atlasはブラウザの役割を再定義する。情報へのゲートウェイではなく、情報を解釈する知的な層となるのだ。」
「——特にデータ透明性、広告収益、生成モデルを介したインターネットの長期的な持続可能性に関する問題が顕在化している。」
「この変化は新たな疑問も生む。主に、ユーザーがフルページを閲覧する代わりにChatGPTの要約に依存する傾向が強まった場合、従来の出版社や広告主がどうなるかという点だ。」
いまのところ、AIができることは高速な剽窃なのかもしれません。
でもこれが、ネットビジネスやウェブサイトにとって転換点になるような気もします。
OpenAI launches ’ChatGPT Atlas’, its browser that lets you talk to the internet >>

印刷メディアの現状と未来についての、熱く、濃く、読み応えある記事です。
「印刷は死んだ」という絶望的なミームに対して、光明をもたらす回答のように感じます。
以下は、ほんの一部の抜粋と意訳です。
「つまり(印刷物の)物理的な制作過程は、私たちがデジタルへと溶け込むにつれて、ますます一般的ではなくなりつつある知識体系である。」
「材料は高騰し、市場は縮小し、伝統的な印刷業界の専門知識は失われつつある。そのため、小規模出版社として立ち上げるのは、客観的に見てかつてないほど困難になっているかもしれない。印刷物の現在の魅力と独自性は、アーティストやスタジオが印刷という名のもとで、経済的に持続可能な事業を必死に育てようとしている状況とは対照的だ。こうして、印刷物は全般的に「死んだ」というあまりにもありふれた宣言が広まっている。」
「私たちはやり遂げたと確信しています。アーティストも私たちの成功を知っています。機械のグリースがまだ爪の裏に残っています。素晴らしい仕事をしたと確信しながら、夜は安心して眠りにつくことができます。」
「撮影監督は、カメラアングル、動き、静止、フレーミング、そしてミザンセーヌを操ります。それは、私たちが紙、製本構造、インクの不透明度、そして物質性を操るのと同じです。」
「本をデザインしてから、後から制作方法を考えるようなことは決してしたくありません。制作は、本のデザインとコンセプトの最初から織り込まれているのです。InDesignでレイアウトをあれこれ試しながら紙を選び、書体の方向性を決めると同時に、本の製本構造も決めているのです。」
「製版から機械の操作まで、そのプロセス全体が多くの人にとって全くの謎であり、もはや深く掘り下げて研究する意欲を失っている」
「ブックフェアでは、人々が印刷物に持ち込む様々なアイデアやアプローチを目にすることができます。私たちの経験の多くがデジタル化されている現代において、物理的な印刷物には異なる種類の価値があります。それは、単なる情報伝達ではなく、繋がり、技術、そして実体感といった価値なのです。」
「本、印刷物、DIY出版への渇望は高まっていますが、同時に、印刷業者、出版社、アーティストにとって、経済的に持続可能な印刷事業を育てることはますます困難になっています」
「私たちの経験の多くがデジタル化された世界では、物理的な印刷物は異なる種類の価値を持ちます。それは、純粋な情報伝達というよりも、つながり、職人技、そして実体性に関する価値です。」
「アクセスしやすくするためには、ものをアクセスしやすくする必要があり、そのように価格設定を真剣に考えなければならないことを、人々や企業は本当に理解する必要があると思います。25部限定で3万ポンドのエディションをリリースするだけでは、アクセスしにくくなります。誤解しないでください。それらは素晴らしいものですが、人々がそれを買わなければ、業界は衰退します。」
「印刷物は日常的なものではなく、はるかに特別なものへと変化しました。これが印刷物の入手しやすさに不安をもたらすのか、それとも将来的な影響に安心感を与えるのか、まだ分かりません。この変化は、小規模出版社の運営を今日の状況に理想的なものにしています。大量生産と競争するのではなく、小規模出版社は、それぞれの作品に深い思慮と配慮、そして価値を込めた限定版に注力できるのです。」
「この視点から見ると、印刷は衰退しているのではなく、ただひたすら待ち構えているだけだと思います。」
「インターネットによって印刷物は死ぬ」という話は30年以上前から聞いてきました。
そして今、印刷物の課題はクオリティではなくコストになったようです。
この課題はビジネスとして致命的になりかねない課題で、印刷に従事する人たちはこの解決策を持ち合わせていないように思われます。
「Video Killed The Radio Star」を聴きたくなりました。

アートにおけるコードという素材と媒体について、視界を広げてくれるようなインタビュー記事です。
ウィリアム・マパンさんはソフトウェア開発者としての経歴を持つフランスのアーティストで、コーディングと絵画の関係や制作プロセスについて答えています。
「2016年頃、パリの展覧会で初めて「ジェネレーティブアート」という概念に出会ったんです。「ああ、ここに何かが確かに起こっている」と気づきました。」
「コロナ禍を境に、アート活動を優先させることを考え始めました。隔離生活の中で多くの人がそうだったように、孤立すると内省が始まり、自問自答し、時間の使い方を考えるようになるのです。そしてNFTの波が到来しました。世界が突然デジタルアートに関心を示し、既に続けていた活動に収益化の道が開けたのは、絶妙なタイミングでした。」
「プログラミング言語自体は重要ではありませんが、通常はJavaScriptを使います。そうすればウェブ上で作品を共有できるからです。」
「コーディングと絵画の両方で7~8年の実践を経て、ようやく望む成果を挙げられる段階に到達したと感じています。」
「AIを多用すればするほど、アルゴリズムへの制御を失います。コードが芸術的媒体である場合、この制御は極めて重要です。コーディングは物事を異なる視点で捉える力を与えてくれます。AIへの依存が強まりすぎれば、その力を失うのではないかと懸念しています。」
石、木、顔料、壁、布、など、遠い昔から身近に手に入るものがアートの素材と媒体になってきたのですから、javascriptがアートの素材になるのは自然なことかも。
William Mapan on blurring code, paint, and generative art >>



バブル、低迷、テロ、インターネット・・・といった時代の流れの中の「日本の」現代美術を振り返る展示でした。
懐かしい作品に会えました。見逃して忘れていた作品もあって楽しかったです。
昭和を通して描かれてきた大きくて普遍的な物語から、個人的な小さな物語に移行していったことがわかる展示でした。
そのテーマも2010年以降のSNSの台頭で霧散していったような気がしました。
遊び心がある作品の楽しい展示でしたが「数十年後に意味ある文脈に位置づけられるのか?」という気もしました。
そういう行く末のなさも「日本の現代美術」なのかも。
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