Miyasaka Neonです。今日は個人的に気になる作品をまとめてみました。映像が多いので、スマホなどはデータ容量に注意、リサーチのきっかけにもなれば幸いです。

(1)Zimoun

(2)Stephen Cornford:Migration

Migration from Stephen Cornford on Vimeo.

公式ウェブ

http://www.stephencornford.net/index.html

(3)渡辺孔明

2018-10-06

公式ウェブ
http://www.yoshiakiwatanabe.com/index.html

(4)河原温

(5)CYMATICS: Science Vs. Music – Nigel Stanford

(6)大城真

オートマチックまたはアナログな手法など、
表現の仕方は色々あるようですが、面白くもあり、でもなんだかもうおなかいっぱいです。
制作者に男性が多いのもひっかかります。
制作のヒント、リサーチの取り掛かりなどにご参考まで。

2018年10月6日 アート

先日、他のメディアでドールハウスなどのミニチュアを収集していたアーティストの記事について執筆していたMiyasaka Neonです。
昔流行ったシルバニアファミリーの家のより精巧に構成されたリアリティのある洋館を見た時、咄嗟に察したのが、私たちの見ている風景も「コピーペースト」ではという疑いでした。

あらゆるものに〇〇アートや〇〇デザインといった言葉が付帯された今日では、
意味合いと言葉に若干の認識の乖離があるようにも思います。

アートはギリシャ語においてテクニックを意味する「テクネ」でもあるようですが、
デザインには「リデザイン」という言語があるようです。
20世紀前半には高度に完成された「デザイン」が絶対的だったのに対し、さらにそれを最適化するに至るまでを「リデザイン」と呼んでいたようです。

果たして「リデザイン」なのか、どうかは分かりませんが、同じ家々が連続している新興住宅地などを見ると数学的な美しさと同時に「景観デザインのコピーペースト」のような、少し不気味な感じがします。

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©Miyasaka Neon

人間が作り出したものの違和感と心地よさが表裏一体であることを意味しているような気さえします。

[参考情報]
リ・デザイン
http://artscape.jp/artword/index.php/リ・デザイン

2018年8月3日 デザイン

こんにちは、月1回執筆している宮坂ネオンです。ゲルハルト・リヒターはフォトペインティング手法をした人として広く知られていますが、フォトグラフ、日本語で「写真」という言葉の語源は古代中国に遡るようです。日本写真史(上)によると、それまで人物をありのままに写生した肖像画を表す言葉として使われていた写真という言葉は、日本に伝わって貴人の肖像画や神仏を描いた絵を指す言葉となっていったようです。[1]

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ここでリヒターの話に戻してみて、少し彼を眺めてみましょう。
リヒターは写真論/絵画論の中のペーター・ザーカーとのインタビューの中で「素人写真の中には、セザンヌより美しいものがある」と述べたことをペーターに追求されています。[2]
この真意について、リヒターは「方法としての意味と、アカデミーへの対抗という意味があった」と述べました。

ではリヒターはフォトペインティングを1960年代から勢力的に作っている事をもう少し多面からみてやると、かつてのアカデミズム主義が邪道だとしてきたことを、あえてやったという解釈になるでしょうが、しかし着目すべきはその事実そのものではなく、技法にあるのかもしれません。絵画(ここで指すのは主に油彩のこと)、絵画は層で構築されている1つの画面であって、またそうではないということは多くの画家によって感じられることでしょう。言い換えれば作家の血や汗、精神をえぐって作られたことがマジックミラーのように第三者に伝わる、悪く言えば伝わってしまうような薬にも毒にもなる恐ろしい画面でもあります。
リヒターが批判を見越してフォトペインティングを行ったのであればなおの事、それが美徳とは言えないものでも、リヒターからは強い技法に込めた熱意がうかがえる話です。

余談ですがフォトペインティングとはまた別の話で、フォトモンタージュという技法があるようです。日本でも、フォトモンタージュ作品を制作した美術家(写真家)は、戦前では、中山岩太、小石清、平井輝七、花和銀吾、坂田稔、山本悍右、高橋渡、大久保好六、古川成俊、瑛九、永田一脩など、戦後では、木村恒久(作品例:1979年「都市はさわやかな朝をむかえる」(のち、パイオニアの広告でも使用された)、1980年「ツィゴイネルワイゼン」)、カズキヒロなどがいるとウィキペディアには書かれています。
目を光らせる価値のある技法だと思いますが、日本ではまだフォトモンタージュの展示は少ないようです。[3]

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Neons /Photomontage 2018 Miyasaka Neon

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Neons /Photomontage 2018 Miyasaka Neon

お知らせ
来月からは仕事の関係で不定期になるかもしれませんが、これからも大切な美術の視座を伝えられるように続けていかれるように精進致します。

[出典]
[1]日本写真史(上) / 鳥原学 著 2013年 中公新書
[2]写真論/絵画論 / ゲルハルト・リヒター 1996年 淡交社
[3]フォトモンタージュ / Wikipedia
[4]フォトモンタージュとは / ぱくたそ
https://www.pakutaso.com/whatphotomontage.html
[参考データ]
ヴァーチャル絵画館

http://art.pro.tok2.com/L/Lists/Useage.htm

2018年5月24日 写真

月一で執筆している宮坂ネオンです。今回は色覚について話したいと思います。
下記はマンセル色相環です。
下の色彩は一般的な見え方であっても、見えて当たり前の色彩、波長ではないかもしれません。

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日本人の第1型と2型と合わせて色覚異常が発現される割合は、男性に5%、女性に0.2%と言われているそうです。[1*]
[1*]の眼科講座によると1型の人は赤を感じにくく、2型は緑を灰色に感じやすいようです。

それでは我々が普段見ざるを得ないような「信号」は一体どのように視認しているのでしょう。色覚異常が因果した死亡事故はデータがあまり見られないものの、とあるクリニックの患者さん2237人のうち、152例の死因が交通事故によるもので、そのうちの
6.8%が色覚異常を疑われる人の事故であったというデータが残されています。
[2*]

色覚異常の方のための専用の信号が必要ということではないかと思い調べていると、どうやら2011年に色覚異常者に優しいデザインの信号機がグッドデザイン賞を受賞していたようです。[3*]

2018-04-24

絵に関してはどうでしょうか。
遡る事30年以上前、彫刻家として知られている高村光太郎氏は、「緑の太陽」という芸術論を残しています。以下抜粋。[4*]

僕は芸術界の絶対の自由フライハイトを求めている。従って、芸術家の PERSOENLICHKEIT(人格)に無限の権威を認めようとするのである。あらゆる意味において、芸術家を唯一箇の人間として考えたいのである。その PERSOENLICHKEIT を出発点としてその作品を SCHAETZEN(評価)したいのである。PERSOENLICHKEIT そのものはそのままに研究もし鑑賞もして、あまり多くの擬議を入れたくないのである。僕が青いと思ってるものを人が赤だと見れば、その人が赤だと思うことを基本として、その人がそれを赤として如何に取扱っているかを SCHAETZEN したいのである。その人がそれを赤と見る事については、僕は更に苦情を言いたくないのである。むしろ、自分と異なった自然の観かたのあるのを ANGENEHME UEBERFALL(快い驚き)として、如何ほどまでにその人が自然の核心を窺い得たか、如何ほどまでにその人の GEFUEHL(感覚、感情)が充実しているか、の方を考えて見たいのである。

普段自分が当たり前に見ている、あるいは見えている景色が
人それぞれに見ている色が違う、使う色が違うだけで、絵一つにしても
第三者に理解されないというきらいがあるようです。たとえばそれは表現と再現の、再現性を求められる場合の美術大学のデッサンなどの実技においては、
一体どういうことなのでしょう。

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参考データ
[1*]
滋賀医科大学 眼科講座より 年数、執筆者不明
http://www.shiga-med.ac.jp/~hqophth/farbe/idenn.html

[2*]
交通事故と色覚異常の因果関係より 年数不明、cb49氏
http://www.geocities.jp/ishiharatheo/jiko.html

[3*]
GOOD DESIGN AWARD 2011
道路信号機 [色覚異常者に優しいユニバーサルデザインLED信号灯]
http://www.g-mark.org/award/describe/37952

[4*]高村光太郎 緑の太陽
底本:「日本の名随筆7 色」作品社
   1983(昭和58)年5月25日第1刷発行
   1999(平成11)年2月25日第20刷発行
底本の親本:「美について」筑摩書房
   1967(昭和42)年10月発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2006年11月20日作成
青空文庫作成ファイル
https://www.aozora.gr.jp/cards/001168/files/46507_25640.html

2018年4月24日 アート

Miyasaka Neonです。今日は「声帯模写」について描いてみたいと思います。私が生まれるかなり前から声帯模写で有名な江戸家猫八さんという方がいたようです。

江戸家猫八さんとは、動物の鳴きまねを声帯模写する物真似師の名称で、2代目を除いて初代の直系で芸が受け継がれているとのことです。[1*]
初代は慶應4年~昭和7年までご健在だったそう。[2*]

現代でも声を扱った音楽家はいるようです。私が知る限りではハチスノイトさんが気になり、六本木のライブに行きました。声がとても美しく、また種類が多い事を記憶しています。

声や音は不思議です。目をつむると風景や風景画を見ているような気がします。よく言われる、貝殻に耳を傾けると海の音がするという名説も、実際のところは海の音ではなく、自分の血流や、蝸牛の中の液体の音という説があるようですが、
最初に貝を耳に当てた人が、実際に波の音に包まれるような感覚に陥ったのでしょうか。

視えてくるような音楽を作る音楽家がいるのであれば、
聞こえてくるような絵画を創造する画家がいてもおかしくない中、
どちらも共感覚があるのではないかと睨むところです。

[参考情報]
[1]江戸家猫八 wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%AE%B6%E7%8C%AB%E5%85%AB
[2]江戸家猫八(初代)wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%AE%B6%E7%8C%AB%E5%85%AB_(%E5%88%9D%E4%BB%A3)

2018年2月16日 アート

月1度の頻度で執筆を続けている宮坂です。前回前々回と、外に視点を向けて執筆しているということもあるため、時間が許す限り今日は少し自分の事についても触れてみたいと思います。

大学では油彩を専攻していた事もあって、数年前から現在に至るまで、
(1)嗜好色の実践的研究
(2)クローム顔料による特殊メディウムの制作
(3)光、水面のゆらぎ、温度、湿度、香り、音が画面から沸き立つような
現象に感化される知覚を頼りにした「新感覚の油彩」を手探りで研究しています。

最近のモチーフはシャボン玉などの干渉膜や油膜、ミルククラウン等が挙げられますが、
その裏付けには幼児のような視点で日頃から制作していることが大きく関与しています。
女性は質感や色彩を好み、男性は空間認知に長けているという事を1986年の皆本二三江さんの文献や私の周りの研究者も述べており、性差があるようで、とくにモチーフに人を描く事は女性が男性の2.5倍、この傾向は美術制作を日頃からしている専門家から幼児まで、あまり変わらないという事が皆本氏によって研究されていました。[1]

現在私が気になっていることの一つに、「夢」の色彩があります。
ここでの「夢」とは人が眠っている時によくみる夢のことで、「モノクロ」という方も、「記憶していない」という方もおられるでしょうが、
私はカラーで夢を見ることが多く、そのため心地の良い夢も悪い夢も
いつにもましてリアリティが高く、起きると明確なストーリーの記憶は残っていないのに、色彩があったことだけは覚えていて、それだけでも何やら疲弊しているという状態に陥ります。

音においても幼少期に絶対音感の訓練を受けたことがありますが、ごく自然に鳴っている音が何の音階か判別がついてしまうことが、精神的な疲弊に繋がる感覚とよく似ています。

-虹は15分したらもう見向きもしない-
Einen Regenbogen, der eine Viertelstunde steht, sieht man nicht mehr an.
[2]という有名な言葉が物語るのは、その特質が第三者にとって響く事がほんの一瞬でしかないという事なのかもしれませんが、裏を返せば、虹や音、香り、風景、色彩等の
特質は一瞬だけ輝くという部分に魅力を見いだすことができるという事かもしれません。
それと同時に作り手が色彩的な作品を持続できても、そしてどんなに美しい作品の色彩構成であっても、色彩が響く、光る、活かされるということには持続性が期待できない事でもあるのでしょう。

参考文献・情報等
[1]絵が語る男女の性差-幼児から源氏物語絵巻まで-、1986年皆本二三江著
[2]「格言と反省」303番ヨハン・ゲーテ
[3]筆者による作品(ご参考まで)https://emimiyasaka27.wordpress.com/

2017年12月21日 アイデア

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Harmonograph(ハーモノグラフ)という言葉を目にしたことはあるだろうか。19世紀ヨーロッパで流行したという説があるこちらのアートワークは、2つの振動の調和を視覚化可能にする装置である。

(1)振り子を机に取り付けて描画するパターン
(2)ターンテーブルに交差型のアームを取り付けて、その先にペンを取り付けるパターン
(3)Javaで描画するパターン
(4)木製の専用キットを組み立てて描画するパターン

等々に分かれるが、2000年代の日本ではICCで《ハーモノグラフ 音の視覚化,19世紀の科学エンターテインメント》 [2006/2010]
“Harmonograph Visualization of Musical Intervals, Entertainment in the 19th Century”
という展示が開かれていた。
Javaで描画できるサイトで記憶に新しいのはHarmonograph.jsだろう。
著書ではアンソニー・アシュトン著「ハーモノグラフ: 和音が織りなす美しい図像 (アルケミスト双書) 」に詳しく書かれていて、執筆者の私も時折目を通す。

全く似ているものではSpirograph(スピログラフ)、リサジュー図形が顕著だが、
とくにスピログラフにおいては紙と鉛筆の他にも回転する鏡とレーザーでも制作できる。
日本では珍しいものであるが、海外では動画サイトでの既出率の高さ見ると分かるように珍しくないものになりつつある。

何に役に立つわけでもないツールのようにも思えるが、美しい図像は等身大の自分の生まれるずっと前からあった。「突拍子もなく生まれるもの」というのは、ただ1つの人間のアイデアを除いては考えられないような気さえする。

【参考文献・情報】
・アンソニー・アシュトン著「 ハーモノグラフ: 和音が織りなす美しい図像 (アルケミスト双書) 」

・ICCのアーカイブ《ハーモノグラフ 音の視覚化,19世紀の科学エンターテインメント》 [2006/2010]
“Harmonograph Visualization of Musical Intervals, Entertainment in the 19th Century”
(http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/harmonograph-visualization-of-musical-intervals-entertainment-in-the-19th-century/)

・Harmonograph.js
(http://harmonograph.penguinlab.jp/)

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2017年11月25日 アート