ウェブにおける「たのしさ」のデザインを理解するための4つの事例

ウェブサイトの「たのしさ」をユーザービリティから実現するポイントを紹介している記事。
忘れないために、わかる範囲で訳してみました。
元記事はこちら。

よいサイトは、ユーザーが目的を遂げるための情報やサービスを提供するだけでなく、ユーザーにちょっとした「たのしさ」を与えてくれます。
ただし、ウェブサイトの要素は「機能」>「信頼」>「便利」>「たのしさ」のヒエラルキー。
「たのしさ」だけで機能が足りないかったり信頼性に欠けるようでは、すぐに見放されてしまいます。
また、ギミックやマスコットで演出された「たのしさ」もすぐに飽きられてしまいます。

この「たのしさ」を言葉で説明するのは困難なので、4つの事例で紹介。

そのまえに、人間は論理よりも感情に基づいて意思決定するように進化してきました。
「たのしさ」はユーザビリティにも有益です。
たのしい雰囲気はユーザーの学習をスムーズにし、サイトの利用方法の理解を促進します。

ここから例をあげて・・・

bitly.com
あの短縮URLのサービス。
提供されているサービスは一目瞭然でインターフェイスも簡単。
ふぐのキャラクターと操作に最適化された配色。
UXデザイナー、ベン・ロウの解説では、「たのしさ」のデザインには2つの層があるそうです。
表層レイヤーと深層レイヤーがあって、この場合はマスコットやビジュアルデザインは表層レイヤー。
インタラクションデザインこそがユーザー体験における重要な深層レイヤーになってるそうです。

https://medium.com
Twitterの共同創業者が立ち上げた、ブログのための新しいプラットフォーム。
「たのしさ」のデザインは単純に楽しいカラーリングやキャラクターデザインではありません。
ユーザー体験こそがサイトとユーザーの結びつきを強めます。
ユーザー体験における「たのしさ」は、優れたユーザビリティを通してユーザーが感じるエンパワーメント(自在感とでも言うのかな?)によってもたらされます。
Mediumの場合は、ウィジェットやプラグインやブログテーマに煩わされることはありません。
エレガントなタイポグラフィ、直観的な操作、無限スクロールなど一目瞭然なデザインは、シンプルでパワフルなユーザー体験をもたらしています。
さらに重要な深層レイヤーとしては、MediumのユーザーインターフェイスはWordPressとは違って、記事を書くことを妨げる「管理画面」的な操作を排除して、執筆とアップロードを一連のフローにしています。
さらに、執筆のためのインターフェイスも洗練されていて、アマチュアブロガーにやる気を起こさせます。
Google Docs から簡単にコピペできたり、各記事の平均閲覧時間が表示されます。
予想外の便利さは「たのしさ」に結びつきます。

https://carbonmade.com
オンライン・ポートフォリオを簡単につくれるサービス
表層として楽しげなイラストのビジュアル。
深層としては、チュートリアルなしで利用できる摩擦のないユーザビリティです。
ポートフォリオを作成するために使い方を学習する必要がほとんどありません。
巧妙なビジュアルはユーザー体験の過程を平易で円滑なものにします。

http://mailchimp.com
メール配信サービスです。
メール配信というシンプルだが事務的で機械的で非人間的と思えるサービスに、カジュアルな親しみやすさをもたらした居心地の良いデザイン。
深層にはダイアログ(対話)形式のインターフェイスとシンプルなワークフロー。
Eメールマーケティングの初心者にとって、プロになったかのように感じさせることは忘れがたい体験になります。

「たのしさ」のデザインはどのようなサイトにも適用できます。
「たのしさ」の要素はユーザビリティに織り込まれて、サイトを機能的にします。
「たのしさ」のデザインの究極の目標はユーザーにエンパワーメント(自在感)を提供すること。
簡単ではありませんが、あなたのサイトやサービスを際立たせてくれるでしょう。

『人々はより良い製品を買うのではありません。彼らはより良いバージョンの自分自身を買うのです。』

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2016年1月17日 UX / UI