1970年頃からの旧国鉄のキャンペーンの展示。
僕自身はこの当時を知る世代ではありませんが、当時のマスメディアの急速な広がりと合わせて想像すると、とても先鋭的な広告キャンペーンだったことが窺えます。
鈴木八朗のアートディレクションによるポスターが見たくて行きましたが、展示全体がおもしろかったです。
この巨大な仕事を個性豊かなメンバーが手掛けているであろう様子も圧巻でした。また、写真や印刷がなんともいい味です。
anan誌とのコラボ(当時はこんな言葉はなかったでしょう)とか、スタンプラリーといった波及効果の組み立て方なども興味深いものがありました。
当時の制作者の方々は、メディアとそのメディアで実施される表現についてとても自覚的であったようです。
その姿勢がアートと広告の境目を超えてみせたように思えます。
「アートと広告表現は違う」ということはよく言われることですが、この展示を見ると「アートと広告の境目はどこか」ということではなく「どうしたらアートと広告表現の境目を超えたことになるか」と考えるほうがクリエイティブなことだと思えてきました。
鈴木八朗のアートディレクションによるポスターや新聞広告は、情感豊かでおおらかで細やかで、素晴らしかったです。
ご参考
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=525
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