『デザイン講評を建設的で有意義なものにするための9つのルール』

デザインの講評(チームメンバーが集まってデザインやプロトタイプについてレビューするプロセス)は、痛みを伴い、長い時間がかかって、焦点の合っていない議論になりがちです。
そういった落とし穴を回避するためのガイドラインです。

チームがゴールとコンテクストを共有できていない場合は、講評は長時間になり、非効率で不明瞭な成果につながります。
率直に言って、お互いに心証を悪くすることもあります。
そうならないためのルールです。

■誰によるデザインなのかを明らかにする。
たいていは、プロジェクトに参加しているデザイナーです。
問題の解決に取り組む彼らの名前を、そのデザインと一緒に提示することで、会議の参加者は
「解決策を探るデザイナーの手助けをすることが、今日の私たちの仕事なんだ」
と思うようになります。

■司会者を指名する。
講評が自然にうまく進んでいくと思わないことです。
司会者を指名します。続く8つつのルールに従って迅速に効果的に進行できる人を選んでください。
デザイナーでも結構ですが、少し偉い立場に人が望ましいです。
司会者が、どのデザイナーによるデザインなのかを紹介します。

■プロジェクトの目標をおさらいする。
デザイナーは、まずプロジェクトの目標を簡潔におさらいして、チームの皆に思い出させます。
1~5の箇条書きのようなものが良いです。
できれば、そのうちの1つは測定可能なものであることが望ましいです。
これによって、チームの皆は情報に基づいた判断が下せるようになります。
ホワイトボードにこれを書いておきます。

■自分が知りたいことについて具体的に質問する。
ハイレベル・ユーザーによるフローについてのフィードバックについてか・・・
肝心のビジュアルについてなのか・・・
講評が焦点を失わず有意義なものであるために、具体的な質問をするようにします。
また、この講評の結果をホワイトボードに書き出します。
馬鹿げたことにも思えますが、なんでもホワイトボードに書き出すことは、参加者が正しいフィードバックをする助けになります。みんな制約に感謝します。

■セールスポイントを簡潔に。
各画面についてのデザイナーからの長い説明は、時間の無駄です。
自分の作品について語るデザイナーの話は(私自身も含めて)長くて曲がりくねっています。
さらに悪い事に、参加者に先入観を植え付けてしまいます。
まっさらな状態で見てもらってこそ、有益なフィードバックを得られます。
長い説明をしてしまうと、理解・認識・把握などについての問題を発見しにくくなります。

■話す前に書いてみる。
デザイナーを紹介して、プロジェクトの目標をホワイトボードに描いたら、5分〜10分くらい間、参加者が静かにデザインを見てメモを取る時間をとりましょう。
この静かな時間で皆をデザインについてより深く体験して考えることができるようになります。
これは実際のデザインでも体験することです。
さらに良い点は、集団での意見の出し合いが簡略化されることです。
自分の意見を言う前に紙に書くようにすると、皆で同じ意見が重複することは少なくなります。

■悪いことも、良いことも
もちろん、建設的な批判は奨励したい。モックアップ段階で欠点を見つける事は、単純にデザイナーを励ますよりもはるかに有益です。
だれかの心証を悪くしたくないと遠慮していると、ダメな製品をリリースすることになります。
でも、デザインの良い点についてもメモに残しておく必要があります。
たいてい、講評が終わると、デザイナーは取り組むべき問題のリストを作ります。
もし、すでに良くできている点をデザイナーに伝えないでおくと、デザイナーは誤解して、細事にこだわり大事を逸する可能性があります。

■講評中にデザインしてはいけない。(それはデザイナーの仕事です。)
ときには別のアプローチを提案する事もOKですが、デザイン講評で問題を解決しようとしないでください。
デザイン・ワークは(他の批判的思考法と同様に)個人によって行われるのがベストです。
問題点を洗い出したら、その答えはデザイナーに任せましょう。

■タスクリストを持ち帰る
司会者は、議論をタスク(各メンバーの作業)に落とし込むように進行します。
問題がタスクに落とし込まれたら、その問題については議論をやめて、そのタスクをホワイトボードに書きます。(魔法で問題を解決することはできないので、そうなったら別のデザインを検討します。)
タスクが出尽くしたら、講評は終了です。

これらのルールでデザイン講評をすれば、たいてい速く進行できます。
そして(デザイナーを含めて)講評の結果について皆がよい手応えを得られます。
真剣に講評に取り組むことは、デザインを真剣に取り扱うことになります。
それは、チームにも製品にも良い事です。

さらに詳しくはこちら
http://scottberkun.com/essays/23-how-to-run-a-design-critique/

原文はこちら
http://www.fastcodesign.com/3019674/9-rules-for-running-a-productive-design-critique

これは参考にして、ぜひ導入するべきかと。

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2013年10月13日 アイデア