「アイデアをケアする」という話が出てきます。解決策ではなく、信じて守って育てるもののようです。
ジョニー・アイヴのデザイン哲学や「アイデア」についての考え方は、崇高と言っていいと思います。
スピーチの抜粋です。
「専門技術は繰り返し行うことで成長しますが、私たちの創造性は、深い関心と注意によって育まれます。私は、アイデアの本質を深く理解しようと努めています。アイデアの本質を理解すると、より多くのアイデアが得られて、アイデアをケアし、守り、発展させて良い仕事ができます。アイデアとは、常に壊れやすいものです。何かを解決できるなら、それはアイデアではなく、出荷準備の整った製品になっています。
私は、どんなに新しいアイデアの場合でも、そのアイデアにまつわる問題に目を向けないよう、並々ならぬ努力をしなければならないことを学びました。これらの問題は既知のものです。数値化できて、理解もできます。しかし、あなたはアイデアそのものに注目しなければなりません。部分的で、暫定的で、証明されていない状態のアイデアです。湧いてくる懐疑心を抑え込んで、問題を解決する方法があると信じなければ、当然ながら自分のアイデアを信じることはできなくなります。
だからこそ、批判や問題点の指摘は、特に建設的なアイデアがない場合にはダメージが大きいのです。忘れてはならないのは、意見はアイデアではないということです。意見はアイデアほど重要ではありません。意見はただの意見です。」
下記リンクの記事からの抜粋です。アイヴのスピーチを適切に補足してると思います。
「アイブの言葉は、”良いデザイン ”の定義がますます主観的になってきている今だからこそ言えるものです。美しさは世界各地で千差万別であり、複雑な問題を抱えた世界では、シンプルであること自体が過剰な「解決主義」である可能性があることを、業界は認識しています。そんな時代だからこそ、自信を持って常識に挑戦し、新しい地平を切り拓くデザイナーが必要なのです。しかし、アイブの言葉にはもうひとつの警告があります。自信と思い上がりの境界線は曖昧であるということです。だからこそ、アイブはデザインプロセスにおける批評の必要性を否定しながらも、すべてのデザイナーに「他の人のアイデアにも耳を傾ける」という重要な実践を勧めているのです。」
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