この秋見逃せない映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』

ニューヨークでつつましい生活をしながら、30年かけて現代アートの作品をコレクションしてきた夫婦のドキュメンタリー映画です。監督は佐々木芽生さん。

いかにも “ニューヨーク” な感じ。心温まるドキュメンタリーのようで楽しみです。
こんなふうに現代美術を楽しめるような “審美眼” と “確信” を持ちたいです。

アート投資としても大成功なのでしょう(笑)

ウェブデザインはもう終わりか? <リッチコンテンツが教えてくれたこと>

ウェブデザインはもう終わりか? 

2004年頃、BMWのサイトに、ハリウッド映画のような贅沢な映像が “ネットだけで” 公開されました。BMWのプロモーション映像ですが、これほど贅沢なコンテンツはそれまではなかったと思います。

00年代中頃から、広告の制作システムがウェブに展開されていくようになり、大企業のサイトは以前よりもリッチなコンテンツを提供するようになっていきました。
高い制作費がかけられるようになったのは、ウェブサイトのプロモーション効果が高く評価されるようになったからでしょう。また、既存のマスメディア(テレビ、新聞、雑誌など)の減退が浮き彫りになりはじめた時期でもありました。

広告デザイン、映像制作、ゲーム制作などの人がウェブの制作に関わるようになって、ウェブデザイナーもその一員としてプロジェクトに参加する機会が増えたと思います。
良いコラボレーションが生まれる絶好の機会のようですが、それほどうまくいかなかったように思います(笑)
ウェブデザイナーをはじめとするウェブ制作に関わる人は、“クリエイティブな” コラボレーションの経験が乏しかったと思います。
プロフェッショナルな仕事のしかたが確立した『クリエイティブ』の世界から見ると、ウェブデザインの世界は “子供じみた” “アマチュア” なものに見えたかもしれません。

リッチコンテンツの隆盛と衰退は、ウェブデザインのもつ根源的な『貧しさ』を見せてくれました。
でもそれは、ウェブデザインが既存の『クリエイティブ』とは違う方向に広がるものだということを示していたのかもしれません。

『ロンドングラフィックデザイン展』 グラフィックデザインのダウンサイジング

ロンドングラフィックデザイン展

http://www.parco-art.com/web/factory/ukok1008/index.php

『UK?OK!』の展示を渋谷パルコに見てきました。
1980年代のネヴィル・ブロディから始って、年代ごとに見てゆくことができました。

展示の意図とは関係なく感じた事ですが・・・80年代、90年代のデザイナーのワークスタイルと00年代以降のデザイナーのワークスタイルにおおきな違いがありました。
80年代、90年代のグラフィックデザイナーが大きめの規模のスタジオを足場にして、大人数で仕事を進めるのに対して、00年代以降のグラフィックデザイナーはスタジオも人数も最小限でミニマルに仕事していくことを選んでいるようでした。
DTPの高性能化やインターネットの普及などが背景にあるのですが、まるで小さな工房で工芸作品を作ってるかのような印象でした。それが “良い未来” なのかどうか、自分でもハッキリとわかりませんでした。

90年代にDTPが普及し始めたころ、グラフィックデザインは小規模になっていくことが予想されていましたが、不景気がグラフィックデザインの ”ダウンサイジング” を後押ししてるようです。
00年代からダウンサイジングしていくワークスタイルは、グラフィックデザインを “内向き” なものにしていった感じがしました。それは作品自体にもあらわれているようでした。
そういったグラフィックデザインもまた “時代の空気” を反映しているのでしょう。

もしかしたら、グラフィックデザインの役割が80年代、90年代とは大きく変わってきたのかもしれません。

なんか、いろいろ考えさせられる展示でした。

ウェブデザインはもう終わりか? <ユーザビリティの拡大>

ウェブデザインはもう終わりか? 

ウェブデザインの創成期から活躍しているヤコブ・ニールセンがユーザビリティを唱えてから、ユーザビリティ信者は急速に増えました。
たしか、当初エディトリアルデザインの方法論から発展したユーザービリティの議論はインターフェイスデザインやアフォーダンス理論などを取り込みながら(ほとんどウェブの世界だけで)拡大・浸透していきました。

『ユーザビリティ』はデザインをするにあたって、とても大切な事です。どんなデザインでもそうでしょう。
デザイナーはユーザビリティを充分に意識してデザインに取り組む必要があります。
ただ、『ユーザビリティ』が(デザイナー以外の人たちが)デザインを定量的に測るための『物差し』や『判断基準』として使われるのには違和感もあります。

でも、ユーザービリティの拡大はメデイアとしての責任感の現れだったのかもしれません。
ウェブが「メディア」として社会的な認知を得た証(あかし)だったのでしょう。

デザイナーとして不満だったのはユーザービリティの担当者が、デザインにおけるユーザビリティの側面を警察の取締りのように指摘して回ること。さらには、デザインの成功はすべてユーザービリティの成功であるかのような論調をつくることでした。

本当に優れたユーザビリティが実現されたデザインは、ほとんど意識される事のない『目に見えないもの』になるでしょう。
美しくもなく、醜くもなく、おそらくそれは、とてつもなく退屈なものになるでしょう。

グーグルが見据える、検索の先にある未来

グーグルが見据える、検索の先にある未来

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100817-00000003-wsj-bus_all

興味深いインタビュー記事です。

何年も前にGoogleの日本法人の社長のシンポジウムで、Googleの創始者は『黙って座れば、ピタリと当たる』というウェブサービスを理想・目標としていると聞きました。
この1年ほど道に迷っているかのようなGoogleですが、最初のビジョンを見失ってはいないようです。

『検索による情報探索行動』は、あまり効率的ではないという指摘は10年以上前からありました。
検索結果は「再現率」と「適合率」が両方とも高い場合に最高の検索結果になります。
「再現率」と「適合率」は「量」と「質」の関係にあります。
「再現率」と「適合率」はバランスの関係で、両方を極限まで高めるのは不可能だそうです。

Googleの究極の目標がセマンティック・ウェブの実現で、そのために検索の次に見据えているのが、ソーシャルレコメンドやターゲティング広告ということでしょうか。
ユーザーの属性をいじって怪しいビジネスなんかしてないで、マンティック・ウェブにむけて『意味論への移行』に全力を傾けてほしいです。

あと、Googleが明らかにマイクロソフトを敵視しているのも、興味深いです。
むしろ、マイクロソフトは今後10年間で厳しい状況に追い込まれそうな気がします。

ウェブデザインはもう終わりか? <一般化した『デザイン』>

ウェブデザインはもう終わりか? 

2003年頃、ブログやCMSのブームがはじまりました。
2010年現在、このブームはすっかり定着した感があります。
ブログによってインターネットでの情報発信は、ややこしいHTMLから(ある程度)自由になりました。
これは、大きな変化でした。
ブログは爆発的に広がり、夥しい数の「日記」を書く人たちが登場しました。これによってインターネット上の情報量は飛躍的に増えました。
「インターネットでの情報発信」は大量の小さな粒が加速してゆくように増殖しましたが「情報の質」の点では玉石混合でした。

ブログが、ネットに詳しくない人たちの情報発信を可能にした頃から『だれでも、すぐに、簡単に』というキャッチフレーズが流行るようになった気がします。
ウェブにおけるデザインも、この流れのなかに取り込まれていきました。
デザインできない人のためのデザインされているかのように見せる『テンプレート』が重宝されるようになりました。
こういったテンプレートは「サーフェイス」「飾り」としてブログやウェブに便利に使われました。

ここで『デザイン』は誤解されて、本来の役割から離れていきました。

いつしか『テンプレート』として使われる飾りが『ウェブデザイン』と同一視されるようになりました。
ブログやCMSなどのサポートを受けながらインターネットでの情報発信に関わり始めた人たちにとって『デザイン』として認識できるモノは、飾りの画像だけでした。
さらに、この飾りをウェブサイトで提供する「デザイナー」が登場して、この傾向を加速させました。

ブログやCMSの隆盛にあわせて『だれでも、すぐに、簡単に』というキャッチフレーズの通り、ウェブデザインは一般化していきました。
でもそれは『ノー・デザイン』の方向に向かっていたかもしれません。

ブログやCMSのようはサポートシステムを効果的に利用するには、創造的で高度な『デザイン』のプロセスが必要だったはずが、多くのデザイナーはそこにコミットできませんでした。

19世紀からのデザインを一気読み『デザイン史を学ぶクリティカル・ワーズ』読了

デザイン史を学ぶクリティカル・ワーズ

おもしろかったです。
19世紀からのデザインを俯瞰して理解できます。

知らない事や、あらためて理解できた事が多かったです。デザインはどうなって、そうなったのか。
結局は「人」のやっている事の集積であり、そこには理想とか美学とか社会といったことが、横たわって、繋がってたのだというダイナミズムを感じます。

ただ・・・
80年代以降は、社会現象や散発的なデザイン事例でまとめてあって「理論」というような一貫性が見えないのが残念でした。それだけ、80年代以降のデザインは混沌としているということでしょうか?

戦前戦後から60年代くらいまでのアートやデザインの歴史については、多くの本が出ていますが、80年代以降となると、すっかり少なくなってるのではないでしょうか?
「評論」という文化が終わったということなのかもしれませんが、ぜひ80年代以降のデザイン史について、詳しくまとめた本を出版してほしいです。
いまのデザインの世界に、必要なことだと感じています。

期待してます。

ウェブデザインはもう終わりか? <デザイナーの “中心を持たない繋がり”>

ウェブデザインはもう終わりか? 

90年代の後半の一時期『ウェブデザイン・メーリングリスト』というのがありました。
ウェブ制作のノウハウや情報交換・意見交換をする活発なメーリングリストで、当時の自由闊達な空気を反映してとてもおもしろかったです。
たしか信蔵さん(?)が主催されていたと記憶しています。『ウェブデザイン』がどういうものかの共通認識を育んだメーリングリストだったと思います。
そのメーリングリストもしばらくすると「荒れて」しまって閉鎖になりました。

そのメーリングリストの盛衰を見ながら、ウェブデザインの世界には 大きな中心的な“アソシエーション(協会)” のような機構は成立しないと感じました。
高度経済成長期のグラフィックデザインの世界では、海外だけでなく日本国内でも多くのアソシエーションが設立されて、今も続くものもあります。それらアソシエーションはデザイナーの社会的な立場を確立する役割や意見・情報交換の場としての機能がありました。

それに比べるとウェブデザイナーの横のつながりはもっと “弱い絆” でゆるやかにつながってゆくものだったようです。
当時、ウェブデザイナーを名乗る人のバックグラウンドは、グラフィックデザイナー、プログラマー、システムエンジニア、またはミュージシャンや建築家まで幅広く様々でした。共通した見解を持つのは、難しかったのでしょう。

また、ウェブ特有の “匿名性” も弱い絆を選ぶ傾向に拍車をかけたと思います。
この “匿名性” は居心地の良さと閉鎖性をもたらしているようで、 “アソシエーション” のようなものから遠く離れたものです。
同じくこの匿名性は、“モラルの低さ” “行儀の悪さ” をもたらしているようです。
冒頭の メーリングリストも、メーリングリストの参加者が増えるにつれて「荒れて」いきました。

デザインに関連した “アソシエーション(協会)”は、参加者が増えていくにつれて権威的に、官僚的になっていったものが少なくないようです。その権威を嫌うデザイナー、権威に反抗して団体から離れていくデザイナーがいることは健全なことだと感じます。
ウェブデザインは、発展の過程で中心的(絶対的)な権威は生まれませんでした。
それはインターネットの概念そのものと同じ “中心を持たない繋がり” でした。

でも、それぞれのウェブデザイナーがデザイナーとしての自意識や帰属意識を持つことができないまま仕事に取り組んでるなら、ウェブデザインを社会の中で自立発展させてゆくには残念なことだったのかもしれません。

ソーシャル・マガジン『Flipboard』は自動で編集される電子書籍なのかも。

このiPadアプリ、スゴいです。
twiiter、Facebook、友人知人のブログなどから記事を収集して、独自のアルゴリズム(?)で編集して、ページ構成を持った『本』のようなカタチで見せてくれるものらしいです。

ぜひ、ためしてみたいと思います。
毎日チェックするニュースサイト、ブログ、SNS がある人には、このiPadアプリは便利だし、おもしろいのではないでしょうか?

こんなふうにサイトの情報を切り取って、自分のフォーマットに再編集して見る(読む)スタイルは、これから多くなりそうな気がします。ウェブサイトの『使われ方』が変わっていくことになりそうです。
ウェブに関わる『デザイン』は、大きな転換期にあるかもしれません。

なんだか、電子書籍のフォーマットや流通寡占の話をしているうちに、取り残されてしまったような気がしてきました。

サイトをリニューアルしました。

サイトをリニューアルしました。

http://fukudayouichi.com/

ウェブサイトをリニューアルて、jQueryを全面に導入しました。

少しのユルさと手作りの感触に、親しみを感じていただけたら嬉しいです。

ちょっとしたTipsとして使われることが多いjQueryですが、サイト全体に使ってみると、また違ったエクスペリエンスがもたらされるのでは・・・というトライアルにも取り組んでみました。

ご意見・ご感想・お問い合わせ、お待ちしております。
どうかよろしくお願いします。